夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

22014 クリス・ウィタカー 「われら闇より天を見る」 感想(文末に読んだ人しかわからないネタバレあり)

今年のミステリベスト1を取りまくっただけあるわ

「それが、ここに流れてるあたしたちの血。あたしたちは無法者なの」 アメリカ、カリフォルニア州。海沿いの町ケープ・ヘイヴン。30年前にひとりの少女命を落とした事件は、いまなお町に暗い影を落としている。自称無法者の少女ダッチェスは、30年前の事件から立ち直れずにいる母親と、まだ幼い弟とともに世の理不尽に抗いながら懸命に日々を送っていた。町の警察署長ウォークは、かつての事件で親友のヴィンセントが逮捕されるに至った証言をいまだに悔いており、過去に囚われたまま生きていた。彼らの町に刑期を終えたヴィンセントが帰ってくる。彼の帰還はかりそめの平穏を乱し、ダッチェスとウォークを巻き込んでいく。そして、新たな悲劇が……。苛烈な運命に翻弄されながらも、 彼女たちがたどり着いたあまりにも哀しい真相とは――?人生の闇の中に差す一条の光を描いた英国推理作家協会賞最優秀長篇賞受賞作。解説:川出正樹

イギリス人の作家さんがアメリカを舞台に書いた理由はこれやろうなーと思う部分があるのですが、それは私の推測であって事実としては作者はアメリカのミステリ作家のファンなのだそうです。逆はよく聞くけど(アメリカ人作家がクリスティやドイルの影響を受けるとか)今の時代だとそういう作家がいてもおかしくはない。他のイギリス人の作家にもアメリカのミステリの影響を感じるものがあったりするし。いい時代だねー。

 

身持ちの悪い母親に苛立ちつつも憎めない娘が他所の平凡な母親に憧れるという部分が個人的に身につまされて「わかる、わかるよダッチェス…!」と何度かつぶやきながら登場人物に降りかかるそれぞれの問題や悲劇、浮かび上がる事実などダレることなく畳み掛けられて1日ですべてを読み終わりました。

タイトルの「われら闇より天を見る」の「われら」が誰なのか。孤独に弟を守り続けようとするダッチェスだけじゃないところが重要ですね。

様々な事件や事実が読者の前で明らかになるたびに、何が本当で何が悪いのかすごく考えさせられるし、やりきれないものも感じるのですが、それでもメンタルに来るから読むのをやめようとは思わなかったな…先週は1冊挫折したけれども。

 

私達の常勝アンソニーホロヴィッツを抑えてミステリランキングの1位を席巻した作品ですが、いろいろ思うところはあるけれど読む価値は十分あります。面白かったというには身につまされて過去のあれやこれやを思い巡らされた分言い切れない部分もあるけれど、よく出来ていたなと。フーダニットとして容疑者が目の前にいろいろぶら下がっているのですが、それを見定めようとするもうまいこと揺さぶってくるんですよね。

そして主人公のダッチェスの危うさがずーっとハラハラさせるの。なにが無法者だって腹が立つ部分もあるんですが、そう思わないとやっていけなかったのもわかるんですよ。ずっと救われてほしいと願っていました。

 

 

 

ここから読んだ人にしかわからないネタバレなんですが。

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FF14 初心者日記 その2 オンラインなのを思い出した瞬間

この1週間は家でトラブルがあったりしてそんなにログイン出来ませんでした。

leira3mitz37.hatenablog.com

そんな中でも槍のレベルを20にしてジョブチェンジ可能になりましたよという表示が出てそこからどうすればいいんやろと思いながら目の前のクエストをこなしていっていたら、ちょっと強敵に出くわして相手の硬さに苦心していたら、どこからともなく現れたソーサラー系の人がバックアップしてくれました。

 

そうだそうだこのゲームオンラインだったわって思い出した。

おかげで倒せたのですが、キーボードを繋いでないし入力の仕方もわからんし、そもそもわりとコミュ障なので焦ってテンパった挙げ句、エモートで「お辞儀」*1をしたあと、

ピューーーーーと逃げました。

それをどこかで見たことがあるなと思い返すとアレです。私がFF14を知ったきっかけのやつ。

お父さんがまさに初めて息子さん(とはお父さんは知らない)に助けてもらったときに半袖だったからという理由で逃げ出したやつ。

 

マイディーさんのブログを読んだときには爆笑したもんだけど、まさか自分が同じようなことをするとは。

もっと早くに遊んでいたらマイディーさんに会えたかもしれないね。

 

私のオンライン歴は20年近く前にファンタシースターオンライン(Win版)を買ってやってみて、ものの30分もしないうちにオンライン上で知らない人と出会って一緒に戦ったかどうかして会話をしたのがもう、気力を使い果たしてどうしようもなく自分には無理と判断してそれ以来ログインしなかったという問題点の多いものですよ。

 

ぶくちゃんがFF14は野良でも怖くないですよ、と教えてくれたから始めたところがあるのでいまのところどこにも属するつもりはないのですが、おまえなんのためにゲーム垢を作ったんじゃいとも思うので、なんとか人並みにコミュニケーションが図れたらいいよね…苦手なのよねー。優しい人達や親切な人達が多いけど親切にされると「この人にいつかがっかりされるのでは」という恐怖でいっぱい。

リアルでスイッチ入ると問題ないけども。

 

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昔アトラスさんが配布したツイッターアイコンのキャサリンをまた使うという…ほかに思い当たらんもの。

 

まあぼちぼち、追い追いに。受験生だしな…

次から7日くらいの目標は、いま受けているクエストをなんとかする、ですね。ジョブチェンジについても調べよう…

*1:ララフェル(女)のお辞儀はとても可愛い

気象庁の人々 社内恋愛は予測不能?! (韓国ドラマ) 感想

1話を見てしばらく経って一気に完走しました。

パク・ミニョンさん主演作を見るのはこれで3本目。

「キム秘書はいったい、なぜ?」と「彼女の私生活」では相手役が同い年とかちょっと年上だったっけ?今回は相手役は少し離れた年下で20代、本人は明言されていないけれど30代で気象庁の重要な部署で管理職ができるほど仕事ができる人ということで、「仕事ができるいい女」ポジションは3本連続。でもこの佇まいである程度ドジっ子は許されても仕事はできる方が説得力あるよねーと思ったり。

相手役のソン・ガンさんは去年まで学生役とかもふつーにやってたくらい若いのでどう見ても年下の雰囲気があって、流行っているらしい女性が年上の恋人関係の恋愛ものなんでしょうね。

 

パク・ミニョンさん演じる気象庁で働く気象予報士チン・ハギョンは10年付き合って婚約もしていた同じ気象庁で働くハン・ギジュンが気象庁出入りの記者チェ・ユジンと浮気した挙げ句スピード結婚を済ませてしまったため大勢の同僚の中で屈辱を味わった上に元カレと金銭問題やマンションの権利問題などでこじれて疲弊した中で出会ったのが後に同じ部署に赴任してくることになる、ソン・ガンさん演じる実力ある気象予報士のイ・シウ。

彼は彼で前述のスピード婚した記者の女性に突然フラれた過去があった。つまり新婚カップルの元カレと元カノというややこしい関係。

なんやかんやで色々あって酒を飲んだ勢いで一夜を共にしてしまうのですが、社内恋愛は懲り懲りだからその場限りで済まそうとするチン・ハギョンとそんなつもりはあまりないイ・シウがあれやこれやいろいろあった挙げ句、社内では内緒で付き合うことになるんだけれど、内緒で付き合うようになる過程が見ているとびっくりするんですよ。

 

3話の終わりでチン・ハギョンから一線を引いて距離をおいたような展開を見せ、イ・シウは割と距離を縮めたそうにしているし仕事しているときも物理的な距離感も近くて牽制されるという展開があったのだけど、それはチン・ハギョンが彼女の周りの人に見せたい二人の関係性であり、実は3話の終わりですでに出来上がっていたというのが4話の終盤に明かされるという、つまり視聴者は4話のあいだじゅう騙されていたんですよね。

これ知らなかったらびっくりします。こういう「騙り」好きです。

 

でもそこからラブラブの要素より不穏さが混じるようになります。イ・シウの父親が子どもから搾取するタイプの飲む打つ買うクズだったり、チン・ハギョンは元カレと度々揉めるしハギョンの母親役の人が、「彼女の私生活」でも母親役を演じていた人(この人大好き)で、すごい干渉癖と娘の婚活をむちゃくちゃ願っている、可愛げはあるけど重たい親だったり。母親サイドの話はコメディに振ってるけれど、イ・シウの父親のクズさはシャレにならないし、元カレは厚かましいしで大変。

同僚は同僚で問題を抱えている人もいて、単身赴任から戻ってきた先輩なのに部下という人は離婚寸前、結婚出産でキャリアを逃した部下は夫がキャリアアップのための休職中で子育てが大変とか。

 

だから二人が仲良くしているより周りがゴタゴタしていたり、付き合っているのがバレないようにするためのすったもんだがアリので目まぐるしい。

さすが韓国ドラマなのでクズのクズっぷりがひどいのですが、セクハラ、マタハラやミソジニストもエグいくらい出てきて社会問題を露呈してきます。日本も似たような性差別があるけれど、韓国も抱えているんですよね。上下関係も厳しいし、男尊女卑も露骨。コンプラパワハラがどの程度許されないのかちょっとわかんないけど上の立場の人が部下を人前で怒鳴ることなんかしょっちゅう。

 

パク・ミニョンさんはコメディエンヌみたいなところが多分にあって可愛らしくて魅力的なのですが、この作品では仕事上重要な立場にある大人の女で秘密の彼氏は問題を抱え、結婚観やさまざまなことで食い違いも生じてくるなど困難なことも多いからか、曇り顔や引締まった表情のほうが多くて、笑顔がいいのにあんまり笑わないのがもったいない。

ちょっと悲観的な部分を抱えているのもあるのかな。

お互いどんどん相手のことが好きになるのになればなるほどうまくいかなくなるというのがじっくり描かれているのでこじれをじっくり書かれると見ているこちらがたまらんこともありますね。

 

私は母親が搾取型の毒親だったので(父親もそういう部分があるけど母親よりは反論の余地があったのでまだマシ、母親は搾取を断ると「殺す気か」と脅してくる厄介なタイプ)イ・シウの父親への見方は厳しく、終盤の展開は「そうはならんやろ」とちょっとシニカルな気持ちになりました。

 

切なさのほうが強い作中で魅力があったのが、シウの大学の先輩で同僚であり、ハギョンのマンションの上階に住む主任とハギョンの姉の関係性。「逃げるは恥だが役に立つ」の平匡さんみたいな人でとてもかわいかった。「賢い医師生活」で脳外科の若手医師の役を演じていた人なんだけど、こちらでは情けない表情もいっぱいしていて、その顔を見ていると「あつまれどうぶつの森」の「きんぞう」に見えてきます。

 

それと、単身赴任から帰ってきて家族から疎まれた挙げ句家出してシウとともにハギョンのマンションに転がり込む先任が私は大好きでした。

笑顔がすごくいいんですよね。本当に嬉しそうなお顔。仕事人間でいままで家族をないがしろにしてきたツケを払うことになるのですが、徹頭徹尾おっさんで、悪気なく大声で人のセンシティブで(おっさんからすれば素敵なお話だからって)秘密にしておきたい話をしちゃうけど全然憎めないしかわいいんですよね。性格が良いのもそこかしこで見せてきます。

 

元カレのハン・ギジュンと妻のチェ・ユジンもクセがあって面倒くさいしなんでこの夫妻、自分たちの結婚写真を引き伸ばしてマンションのリビングに飾ってんの?ガルマ・ザビの自宅ですか?ってツッコミどころもあるんだけど(しかも1枚だけじゃないんだな…)後半からはキャラのイメージがV字回復していくのがいいですね。

しょっちゅうお金の話でこじれるけど結婚とかはお金は絶対絡んでくるから仕方がないのかもしれない。

序盤からぐっと印象が変わったけど作品の期間を通して、元カノのハギョンにマジで怒られたり、妻とのこじれなど経て成長したのだと思うし、もともと素直な人なんでしょうね、いろんな理由で殴り合いの喧嘩をしたイ・シウとも仕事を通して一目置くようになるような変化が見られてキャラクターの変遷が不自然じゃない。

 

社内恋愛という面倒くさい人間関係から発生するあらゆる事件、毒親との切っても切れない関係性など生々しくてなかなか見逃せません。

お仕事ドラマの側面も十分で「君ら仕事せえよ」と思う瞬間はそんなにありませんでした。

 

毒親を持つ子どもの気持ちは、毒親を持たない人たちにはなかなか理解できないし普通の親との違いを理解できないから親を尊重させようとするムーブがあるのが押し付けがましいし迷惑というのがわからないというのも細かに描かれていて、毒親と子どもの関係性が割と理解されているんじゃないかと思いました。

 

子どもの親への複雑かつ冷たい心情が理解されず、親を憎む事自体を否定されるというのはよくあることです。

作中でもそれで衝突することもあったのですが、父親が大病を患って改心するという夢のような展開があってハッピーエンドになったのが、私にとっては仕事ができるいい女×仕事ができる年下のイケメンという関係性より非現実的で「そうはならんやろ」って何回か言ってしまいました。

うちの母は大病を患って寛解してもその前も子どもからの搾取を当たり前のようにしてますからね、現実はそんなもんです。喉元過ぎれば熱さを忘れるといいますが、喉元過ぎる前からも過ぎている途中も熱くても飲んでる感じ?

 

改心した父親が可愛かったし、ハッピーエンドだったので水を指したくないけどそこだけは妙に引っかかるのでした。

 

それでも全体的に質が高いし、知っている俳優さんがいっぱい出て楽しかったです。

パク・ミニョンにはもっと笑ってほしいなあ。

 

追記

ハン・ギジュンとユジン夫妻がよくお金で揉めてたけどギジュンがメーカー提供なのかBMW乗りなので「それを売ってバス通勤にすれば全てが解決するのでは」と何度も思ってましたね。

FF14 初心者日記 その1

キャラメイクするまでヤ・シュトラさんとウリエンジェが違う種族だと気づかんかった(プレイ動画見る専だったからざっくりとしか把握してない)

大好きなエスティニアンもエレゼンだと気づいたのいま。カズキヨネ先生のイラストを見て。エスティニアン会いたさに始めたところがある…顔もいいけど声が大好き…

 

以前だったらシュッとしたタイプの女性が好きなのでミコッテかエレゼンにしていたと思うんですが、大川ぶくぶ先生というかぶくちゃんのプレイ動画の見過ぎでララフェルの魅力に取り憑かれているのでララフェルにしました。

キャラメイクで何につけてもピンクがかったキラキラした髪にするのはFF13のライトニングにあこがれているからです。ゲームは挫折したけど。(そういえばPS5でFF13ってできたっけ?7、7R、8、9、10、12は見た。そして7関連以外はSwitchで全部持ってる…)

スクショ全然撮ってない(それどころではない)のでそのへんはまた。

 

クラスは何にしようか悩んだのですが、野良でやっていく予定なのでまず槍術士から。

で、よくわからんうちにグリダニアから始まりました。双子出てきたけど一切喋らず接触もなく出番終了。

 

画面酔いと戦いながら序盤のチュートリアルを進めていますが、まだ全然慣れていません。カメラと移動の雰囲気から酔わないタイプのゲームだと思っていたのですが、ゲーミングモニターの質の悪さも相まって調子が良くない。

地図がわかりにくく感じるのも、操作性が謎なのも慣れるだろうけどそもそもPS5だと○が☓になってるのがもうやりにくくてやりにくくて。わざわざ海外の基準に合わせたって話を知ったけど、SONYって日本の企業じゃん。大多数だからって海外に合わせて日本のユーザーに苦痛を味わわせるのどうなのよとゲームソフトと違うところでちょっと怒ってます。

 

そういえばモンハンワールドを再開させると前のPS4のデータは死んでいるので新たにキャラメイクをしたらやっぱり髪の色はライトニングで、顔はガッキーに寄せてしまいました。そして名前が「ゆい」。どんだけガッキーが好きなんやと自分でも引くけどガッキーのためなら私は死なせないように頑張るかもしれない…

FF14のキャラの名前は追い追いに。

ザ・ロストシティ(映画)感想

あたま空っぽにして見たらいい映画!!

新作のロマンティックなアドベンチャー小説を完成させ、宣伝ツアーに駆り出された小説家ロレッタ(サンドラ・ブロック)は謎の億万長者フェアファックス(ダニエル・ラドクリフ)に突然南の島に連れ去られてしまう。
なんと、彼はロレッタの小説から、彼女が伝説の古代都市【ロストシティ】の場所を知っていると確信したのだった。
そんなロレッタ誘拐事件を知り、南の島に真っ先に駆けつけたのは、ウザいモデルのアラン(チャニング・テイタム)。
対照的な性格の2人はしぶしぶ手を組むも、予測不能のハプニングが連続!
彼らはこのロストシティに隠された謎を解き明かし、島を無事に抜け出すことができるのだろうか!?

Twitterのタイムラインで評判が良かったので気にはなっていたんだけど、あらすじ的にはロマンシング・ストーンなんですよね。知らない人のほうが多いのかしらん。昔日曜洋画劇場でよく放映されていたやつ。

昔よくあったロマンティック冒険アクションコメディを何故かブラピも参加して豪華俳優陣でやってるのを私は吹き替えで見ました。

サンドラ・ブロックがパニクったときの声が苦手だから(声が苦手な俳優さんはだいたサンドラ・ブロックトム・クルーズくらいよ)吹替版で見たんですけど、吹替版にいろいろ言いたい。

サンドラ・ブロックがベテランの本田貴子さんで悪役ダニエル・ラドクリフにまさかの小野賢章さんでそう来たらブラピは堀内賢雄さんなのは大正解だしそれ以外考えられないのにだ。(子役の頃から賢章先生が演じてるからってこういうときも演じるのすごいから初めて聞いたとき爆笑したわ。サンドラ・ブロック深見梨加さんのイメージがあるけど本田貴子さんでもバッチリ)

 

なんで、なんでチャニング・テイタム田中圭(敬称略)なの?俳優なの?さほど声がいいともいえない、共通点といえばマッチョなとこ?それなら市川隼人さんが良くない??いや俳優じゃなくて声優さんがいいじゃん??マッチョな声優さんいらっしゃるよ。石川界人さんとか!

田中圭さん頑張ってたけどやっぱりもともと声優じゃないしノイズ混じりの耳障りな声と口調の癖があるしで他の人より聞き取りにくいのよ。一人だけめちゃめちゃ浮いてるというか沈んでるのよ!

おかげでよくできたバカ映画を楽しむにもなんだか集中力が削がれるの。これは困る!!

 

で、この映画は久々に丁寧に作ったバカ映画を見られたなあと嬉しい限りで、頭を空っぽにしてみるには丁度いい、疲れて何もしたくないときに見たらいい映画です。ダニエル・ラドクリフが嬉々として狂ったクズを演じていてとてもいいし、ブラピはこういう役でも輝いていて表情には出さないけどめっちゃ楽しんでる。

行方不明になったサンドラ・ブロックを探すためにスマートウォッチを探す機能でスマホから辿れという助言にチャニング・テイタムたちが大げさに感心するんだけどあのシーンから大好き。

 

ずーっと馬鹿だー!古き良きハリウッド映画だー!って楽しんでました。

サンドラ・ブロックはコメディもいいよね…と思っていたんだけどもう58歳なんだ…

いつまでもこういう映画で体を張ってほしいんだけども。体の線とか綺麗で惚れ惚れしました。チャニング・テイタムもサービスありで。でもこういうマッチョを活かした役が多いの、そろそろ卒業してもいいような…その路線でいつまでもいてほしいような…

 

映画館で見ていたら彼のお尻をアップで見ていたんだなあと思ってしまいました。特に好みのお尻でもないけれども。

忙しいときに見る映画でもないけど、まあ見られてよかったです。

エルヴィス(映画)感想

やっぱり劇場に見に行けばよかった。IMAXで見たかった。

人気絶頂で謎の死を遂げたスーパースター、エルヴィス・プレスリー
彼が禁断の音楽“ロック"を生んだライブの日から世界は一変した。
型破りに逆境を打ち破る伝説と、裏側の危ない実話。彼を殺したのは誰なのか?

 

監督のバズ・ラーマンが大好きなのでめちゃくちゃ贔屓目で見るかもだけど(リドスコも好きやで)、実話を映画化、内容は時系列に沿って大体お金の揉め事と浪費と消耗が描かれているという点でたまたま昨日見た「ハウスオブグッチ」とかぶるところもあり、どうせ映画で見せられるならこっちのほうが満足感ずっと高いです。

トム・ハンクスがエルヴィスを生涯に渡って搾取し続けたと言われる「大佐」役で、彼が演じがちな善良な雰囲気などまるでない、太り過ぎでどこにそんな才能があるのかわかんないけど人心掌握に長けて金に貪欲でなんでも自分の手柄にアピールしていくおっさんを見事に演じていてこのおっさんやだー!とずっと嫌気を感じておりました。

見た目がああだからか、きらびやかなエルヴィスの周辺の中にあってめちゃめちゃどす黒く浮いているんですよね。

 

鏡の部屋のシーンや「迷子」というキーワードなど象徴的なものや黒人の街でこそ息がしやすそうなエルヴィスの姿、歌うしかないのに本来やりたいパフォーマンスは否定されて振り回され続けている閉塞感など、説明がなくても苦しさが伝わってくる。

大佐ははっきり言ってエルヴィスのやりたいことの障害であることがほとんどなんだけどエルヴィスの弱いところや優しい甘いところに食いつくのがうまいので、なんやろ、今どき話題の新興宗教とかキャッチセールスとかに騙されやすい人はぜひ見てほしいところがある。

 

昔(というほど昔でもない)は腰を振っただけで保守派がおかんむりだったとか、白人が黒人の歌を唄うのはけしからんし、白人のパフォーマンスを黒人は見に行ってはいけないなどとんでもない差別と分断があったけどエルヴィスはその只中にあってブラックミュージックの影響が色濃くあるのはもっともっと知られたらいいです。アメコミの演出面白かったな。エルヴィスの子どもの頃の子役がオースティン・バトラーにそっくりでよく見つけてきたなって感心しながらそう思ったり。

いま見てると分断具合や保守派の演説など歪で恐ろしいけれども、いまも割とああいう人がいて富裕層だったりして偏った思想で強権振りかざしているのは嫌ねえ…

 

オースティン・バトラーの声や台詞回しはものすごくエルヴィスに寄せてて、演技も素晴らしかった。そういうふうに撮ってたんだろうけど背中からつま先から目が離せないのよね。そのパフォーマンスを満足行くまで楽しむと言うより、エルヴィス・プレスリーという素晴らしいアーティストが消費され消耗していくのを見るのは辛いものもあったけれど、やっぱり魅せるのよ。実際ライブパフォーマンスがどんだけヘトヘトでもすごかったものな…歌の上手さが格別。

 

バズ・ラーマン監督ってゴテゴテしたデコレーションが得意なんだけどそのきらびやかさの濃い影を撮るのもお上手で、花火が大抵象徴的に使わていてそこが切なかったりするの。今回も活かされていて2時間35分とか長すぎるのにずっと見ていられたなあ。

 

テレビディレクター?の役をキラキラした目の人が演じていてこの人見たことあるけど誰だっけ、と思い出したらストレンジャー・シングスのマックスの気持ち悪い兄で「いい役もらったねえ…」と謎の感慨があったというおまけもあり、情報の多さや実際はどうだったのかも(ロバート・ケネディが亡くなったのは6月でクリスマス番組とは季節がぜんぜん違うけどその辺どうなのとか)鑑みながら消化するためにはあと何回か見たい気もする。とにかく目で追いかけるのに一生懸命だったな。

吹替版にもちょっと切り替えたけど、小野大輔さんがエルヴィス役なのピッタリなのよ。よくキャスティングなさいました!

 

終盤でエルヴィスがつぶやく「足のない鳥が飛び続ける」というくだり、王家衛監督の「欲望の翼」でレスリー・チャンも度々つぶやいていたので驚いたのですが、調べたらテネシー・ウィリアムズの戯曲が元ネタなんですね。「欲望の翼」だけでは元ネタがあるとは気づけなかったので長い間好きな作品をさらに知るヒントを得られてありがたかったです。どちらも晩年と言うか死ぬ直前につぶやくのでそういうときにうってつけなのかもしれない。やるせない散文というイメージはあった。かっこつけてるー!とも思ったんだけども(レスリー・チャンはカッコつけているのが最高にかっこいい)

↑元ネタらしい。「ガラスの動物園」と「欲望という名の電車」しか知らんかった…

 

誰もが納得したり熱狂するような内容ではないけど(だって搾取する側のおっさんの自己肯定と頑張ったアピールがうざいし)私にとってはバズ・ラーマン監督の作品は数年に一度のご褒美みたいなところがあるからありがたく頂戴しますよね。ネトフリのシリーズも見よう…

あーもう本当に良かった!大好きです!

 

大好きな映画とつながるのは嬉しい。

トップガン マーヴェリック (映画)感想

ちょっと前に何十年ぶりかに前作「トップガン」を履修済み。

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アメリカのエリート・パイロットチーム“トップガン”。
しかし彼らは、ベスト・オブ・ザ・ベストのエースパイロット達をもってしても絶対不可能な任務に直面していた。
任務成功のため、最後の切り札として白羽の矢を立てられたのは、伝説のパイロット“マーヴェリック”(トム・クルーズ)だった。
記録的な成績を誇る、トップガン史上最高のパイロットでありながら、常識破りな性格と、組織に縛られない振る舞いから、一向に昇進せず、現役であり続けるマーヴェリック。
なぜ彼は、トップガンに戻り、新世代トップガンと共にこのミッションに命を懸けるのか?

私は昔からトム・クルーズを良い意味でナルシストだと思っています。つまり自分の魅力と魅せ方がわかっている人だと。

だからトム・クルーズ主演の映画はそういう目で見がちで、物語に入り込めない部分がわりとあり、キャラ名よりトム呼びしがち。

そんな私がこの映画を見ると…

 

トムの地声が苦手なので、森川さんが演じられる吹替版で見ました。

吹替版良かった…!!ハングマン役の声優さん声がかっこいいですよね…(誰かわかってて書いてるからね)

グースの息子を宮野真守さんが演じられていましたが、他のどの役のときとも声の雰囲気が違うのがいいですね。やはり上手い人だなと思って聞いていました。存在感があってそんなエフェクトはかかってないのに耳に響く楠大典さんとかね。内田真礼さん外画の演技のときの声かっこいい!とかね。びっくりするくらいみんな知ってる声優さんで、変に俳優さんを使わないあたりいい時代になったなーとニコニコしてました。

 

で、自分の見せ方を知っているトム。どのシーンでも光の入り方、影の入り方、画角どれも計算づくの感じがする。バイク乗ってるの見せるの好きよね。かっこいいし小柄なのにバイクに乗られてる感じがないのがまた魅力。

演技はもともと上手いし努力も半端ないから「若いもんにはまだまだ負けん」のに無理がなくて、結局自分が編隊長になっちゃうのもまあそれがいいんじゃない?って思えるのがすごいわ。

冒頭があまりにも前作なのであら、見る映画間違えた?って本気で思っちゃったのだけど、あれわざとでしょ。

そこからずーっとニヤニヤしっぱなしで初めて真顔になったのはジェニファー・コネリーが出て「誰!?」ってなったとき。前作にもその存在はあったらしいけれども。

前作のヒロインは名前すら出てこない(出てこなかったはず)代わりの存在だけど、終始この人必要かなー、もう廃れた(廃れてほしい)ハリウッド映画あるあるじゃんと思いはしたけど、トムには必要だったのかもしれない。ここだけはなにかしら引っかかったけどそれ以外は「さすがトム」ってずっと言ってました。

アイスマン相手に話しながら涙がこぼれたのは演技じゃないかもな…

ヴァル・キルマーよく出てくださった。SNSアイスマンと会話してるの時代が変わったなあってちょっとおもしろがっていたけど意味があるんだものね。

「俺が軍にいる理由はお前だ」ってマーヴェリックが言ってたけど「続編を作った理由はお前だ」って言ってるようにも聞こえました。

 

あんな終わり方したのに教官2ヶ月で辞めたとか面白すぎるとかいろいろ前作からの彼の生き様が語られるのも、独身なのもまあいろいろ納得はいきますが、よく生きてたね。間に湾岸戦争とかあったのにね。

前作を踏襲したシーンが多いから前作をちょっと前に見ておいて正解。グースの息子との確執と和解(あんな可愛かった子が父と同じヒゲに…)は予想以上に熱く、後半のクライマックスをかなり盛り上げてくれてよかったですね。過去のあらゆる後悔をいい形で精算してるような。

 

しかし私が一番感動したのはそこじゃなかったんだな…

ハングマン嫌な奴だったけどおいしいとこ持っていくやん!?

しかもおいしいところでセリフがかっこよくてその声がかっこいいのよ(吹替版)!!

もう涙浮かべながらキャッキャ言ってました。

 

雪山で不時着して戦闘ヘリに襲われるところとかはミッション・インポッシブルかな?って思っちゃったし、同じく不時着したルースターと割と簡単に再会できるのとか、敵の戦闘機を鹵獲して脱出に使っちゃうとことか都合良すぎ!とは思ったけどスリルが多くて、なんの情報も得ずに「教官のマーヴェリックと生徒のグースの息子がなにかしらある」くらいしかこの映画について思ってなかったから驚きましたよ。

そういう面でも面白いし、セリフやお話の展開、構成がうまく出来ていていい映画になっているの本当にありがたかった…前作を作ったトニー・スコット監督のお兄さんの作品を見たばっかでいろいろ思うところがあったので余計に映画として面白い作品が見られてよかった。一瞬だけどトム・クルーズを忘れてマーヴェリックを応援してたものね。

 

トム・クルーズは相変わらずいい俳優さんなのでこれからも活躍してほしい。ものすごく体当たりの演技をされるけれども、体当たりがすぎてしまわないように祈ります。

面白かったなー!みんなが面白いって言ってたのがわかるわ。満足です。