思ったんと全然ちがった。
人気作家Priestの再生回数36億回超ドラマの伝説的原作BL小説(台湾リリース版)。重厚な世界観の中での数万年の時をかけた壮大な愛と戦いの物語が待望の邦訳!
大都市龍城(ロンチェン)。人間ではない存在が引き起こした特殊事件を扱う特別調査処の所長・趙雲瀾(チャオ・ユンラン)は、龍城大学で起きた不思議な事件の捜査中、大学教授・沈巍(シェン・ウェイ)に出会う。
二人は初対面なのに、なぜかそんな気がしない。一目惚れだと確信した趙雲瀾は沈巍に猛アタックするが、沈巍は距離を置く。それでも趙雲瀾が危険な捜査現場を突き止めたり、体調不良で倒れそうになったりするたび、そこには常に沈巍の姿があった。
趙雲瀾が沈巍の正体に迫ると、二人の関係と特殊事件が交差し、数万年の時空をさかのぼり――。数多くの前世からの輪廻を超えて、彼らは結ばれるだろうか?
第一部 輪廻晷(りんねき) 第二部 山河錐(さんがすい)収録。
ずっと前からこの作品の存在は知っていたんですが、いまいち食指が伸びなかったのは、性癖に刺さるかどうかがあやしかったからに尽きるんですけどー。
装画の奥の方にいる眼鏡の人を見てどう思います?
私はいわゆる一つの鬼畜眼鏡かと思ったんですよ。
知ってます?鬼畜眼鏡。私は久々に思い出しましたよそのキーワード。
私のBL沼の滞在時期ってかなり長い時間の中に間欠的にあって、その時々がいつもニワカなんですよ。その中で一時期流行っていたのが「鬼畜眼鏡」で。私は作品自体はそんなに知らないんですが、当時のトレンドですから、目には良く入っていたんですよね。
もともとはエロBLゲームだったっけ…メーカーが学園ヘヴンと同じだから知ってた、程度です。
その雰囲気があるから奥の人が鬼畜眼鏡でツンデレかもしれないけどドSではなかろうかと。すごく賢そうで強そうできつそうに見える。
メガネは好きですけど鬼畜なのはそんなに…性癖ではないかな…
まあUnlimited入りしてくれたので読みますか☆って読んだら。
これ装画の人が悪いわけじゃないんだけど、実際こういう見た目でいいのかもしれないけど読むと印象全然違うんだわー。
どっちかってーとクソデカ感情が隠しきれない可憐な男性です。地の文がもうクソデカ感情あるある言いたいになってた!
手前の方の人はチンピラっぽいけど確かにチンピラみたいて何回も書かれていたんですけどね。
どんな作品なのかほとんど調べず、よく「魔道祖師は13年(だっけ)、天官賜福は800年、鎮魂は数万年」とかけられた時間について語られているのは目にしていて、そのくらいしか知らない状態で読んだら思いの外ホラーだし思いの外ラブコメあるし、冒頭が限りなくモブに近いよわよわ男の目線で語られるのは往年の名作少女漫画「花咲ける青少年」と導入の演出が同じやなーと思いながらも、これがわかりやすく自然と主人公二人と出会わせる手段としてちょうどよかったのかも。
(序盤が一般家庭に生まれ育った凡庸オブ凡庸の女子高生が美しき転校生となぜか親友になるところから始まり、すぐに美しき転校生が実はとんでもねー富豪の娘で、父親から差し向けられたお婿さん選びが始まるという超展開、凡庸女子高生はたまに出てくる程度になるという…)
しかし数万年単位の輪廻転生を扱うってどういうことやろって思っていたら伏犠と女媧、神農の名前が出てきてなるほどねー、さすが中国と。
そういう「さすが中国」成分がむちゃくちゃ強くて、「行きたい場所へ最寄りの空港から車で十数時間」もさすが中国、自分が命をかけていい2つのうちの一つが一族と国家って言っちゃうのもさすが中国(私はそんなもんに命をかけたくないですわあ)。そしてライトノベルのように見えて教養豊かな人にしか書けない内容なのがもう、さすが中国(韓国もかなりのもんだけど)!!!
会話の中に自然とマズローの欲求階層説が取り込まれていて思わず調べちゃった。
終盤の展開で私は酔っぱ藍湛を思い出しましたが、BLは酔っ払って乱れてなんぼのところがあるから…ねえ!?
仕事の部下たちが上司の性癖にめちゃくちゃ寛容なのがいいですね。
読み物としてむちゃくちゃおもしろかった。とっとと2巻にいきましょー。たぶん3巻に当たる部分は分冊で買う。私はそういうことをする。
私はね…クソデカ感情を抱えた可憐な麗人が出てくるBLが大好きなんだよ…!!!
なんだかこう、もどかしいところで終わったので続きを読まないと!!
つづく!!
2024/06/09 2巻読了
思った展開と違った笑
そしてBL読みとしてはまず一番に?気にする問題、「どっちが攻めか受けか」でそっちなん!?て気持ちと、ああそっちなんですね!って気持ちとで気持ちが忙しい。
私は「封神演義」が大好きで、原作も読んでいるし漫画版も大好きだったり、他にもいろんな中国神話関連のゲームや本を読んでいるのである程度の知識があるので読んでいて知らないことがあまりなくて楽しいばかりなんですが、その辺に疎かったらこの小説はかなり凝っていて読み解くのが大変かもね!
そのへんはどうあれ主人公の二人がいちゃいちゃしてるのでそのシーンとネコが可愛くて美味しい美味しいだけでいいかもしれないけども。
周りのキャラクターもいろいろおもしろいですよね。ただただ主人公二人を囲む添えものじゃない、どちらかというと呪術廻戦みがある。
そしてネコが可愛い。おもしろい。いい子。
かかってる時間が長いだけに、眼鏡の人の方の愛の重さがめちゃくちゃ重くて笑ってもーた。あの重さは笑う。
こちらの小説の原書が台湾版だと断りがあるだけにこれは期待できる(なにが)と思ったのはそこそこ正解。
今そこにある中国の都市の同性愛事情も絡ませるので、片方が人間じゃないのにちゃんとそこ掘り下げるんだ!そういえば私、現代ものの中国BLを読むの初めてだったわー!と気づいて目を見張りました。
物語はファンタジー要素強めで主人公が自らトラブルに首を突っ込んでいくのはあかんなーと思わせつつも、そのトラブルの解決のために必要なものを読んでいると「これドラクエで見た」とかいう感じでね、どこまでも馴染みのある雰囲気があり、そこに恋愛要素が絡まり、過去の因縁が入り混じり、あっという間に読み終わるという。
ええ、もちろん3巻に当たる部分も買いました。
別件で早めに読まないといけない本もあるのですが、こっちを先に読むかなあ…どうしようかなあ…というところです。
むちゃくちゃおもしろいので、Priest先生の本も追いかけそう…いま「黙読」と「残次品」が連載中ですよね。困ったなあ(困ってない)…
つづく!!
2024/06/10 本編読了
まとまった分冊版だと76−79までは2巻とかぶりますねえ。2巻で3部が終わってるからね。
4部を勢いよく読んだのですが、畳み掛けるような展開で圧倒されましたねえ。
冒頭でモブ扱いした子についてここまで引っ張り、悠久のときを越えて恋い焦がれた鬼がさすが鬼なので愛が重いしやらかすことも重い重い。重くて面白い!
壮大な設定をせせこましくすることなく壮大なところは壮大なまま、それでも一応刑事モノなところは刑事モノらしく?4部だけ劇場版みがありました。
「鬼灯の冷徹」も副読本としてどうぞ、とおすすめしたい。アニメで何度も見ていてよかった。十王庁にもそこそこ詳しくなっていてよかった。三途の川でつい奪衣婆探しちゃったけどな!!外伝のサブタイトルの「芥子」であの人を連想しちゃったな!
おもしろかったなー。思ったのと全然違った!重さも思ったのと違うし、重さを軽く受け止めるようでしっかり受け止めてるのも思ったのと違う。失礼ながらもっと面白くないかと思ってた(おい
一応R18扱いですが、BL的な要素はソフトだったので、ファンタジー好きの人ならBLにそこまで深煎りしてない人でも楽しめると思います。
とっとと外伝も読もうと思います。全部3巻にまとまるのかな?