夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

鈍器本(またの名をレンガ本)読みの励行

書痴と言うほど本を読んでいるわけではないけれど、私は分厚い本が大好きです。

一部界隈では鈍器本と呼ばれたり、レンガ本と呼ぶ人もいるような。私は早川書房さんの銀背は「レンガ本」と呼び親しんでいます。

鈍器と呼ぶのはハードカバーの分厚い本でしょうね、例えばアイン・ランドの本とかいま目についた本ではエドワード・ケアリーの「おちび」だと鈍器になりそう。

600ページ未満の本なんですが(アマゾンのページ数の表記は間違っています。本文で588ページくらい9、上製本なので重さはしっかりある。

 

面白ければ薄かろうが厚かろうがべつにいいし、今どきはフォントが大きめで行間が広めになっているので内容の割にページ数が多くなっている本も増えているので一概には言えませんが、文庫で600ページ越えは私的に鈍器に認定してもいいのではと思ってます。それ以上になると、持ち運びの利便性から上下巻に分冊されるほうが多いかも。

分冊しないでむしろ三部作だったものをまとめちゃうのは京極夏彦先生。

私が持っている本で一番分厚いのはこれじゃないかと思います。1300ページ超の文庫。

これ以外にも京極夏彦先生といえば分厚いイメージが強く、いま目に付くのが「陰摩羅鬼の瑕」新書版で750ページ。

 

分厚い本って読んだときの達成感とか、読んでいる途中の妙な高揚感とかがあって、ついつい選んで読みがちです。

だから京極夏彦先生の作品はまとまったほうで手配しがち。

こちらも3部作を1冊にまとめたもので1100ページ程度あるらしいのですが、近々購入予定です。

 

ハヤカワSFで分厚いといえばアレステア・レナルズ、1000ページ越え。こちらも持っているので読もう読もうと目につくところに置いています。

こちらのレビューになぜ物理的に分厚いのかが言及されていて興味深い。新技術で分冊化せずに出版できるとか。

 

分冊とかシリーズものとか考えると今まで読んだ中で一番ページ数が多かったものを挙げるのは意味がないのですが(たぶん茅田砂胡デルフィニア戦記」になるのかなあ)、1冊でどのくらい分厚いのを読んだかは出版社がどういう判断で分冊にしなかったのかも憶測をしながら読むのが楽しいかも知れない。

京極夏彦先生の本も分冊もされているんですよね。電車で立って読むのにさすがにしんどいというお声が届いたそうです。が、私は電車通学しているときに「絡新婦の理」を電車であのまま持って読んでたぞ…!

 

いま取り掛かっているこちらは2冊とも600ページ超で、やっぱり600ページを越えているとワクワクします。内容ももちろん興味深い。カバンにいっぱい本を詰め込んで移動するのが好きなので分厚くても重くても平気です。

 

しばらく厚めの本を選んで読もうかなーとか、ページ数とか重さを記録していこうかなーとか思いながら、厚さを語るよりとにかく読もうと思ってます。

 

そうそう、鈍器本についてブログに書こうと思ったのはね。

新潮文庫最厚本がこの度発売されるというので、すでに手配しているんですけど、手に取るのが楽しみで!

新潮文庫で分厚い本といえば川端康成の「掌の小説」がパッと思い浮かぶんですが、656ページですね。

ポケミスで分厚いのは「死者の国」が一番なのかな。

800ページ前後。

 

鈍器として手応えがあるのはスティーヴン・キングの昔の単行本。いまはソフトカバーになっているのでまだ優しさがあるけど昔の「ザ・スタンド」は持って振り回すとそれがすでにホラーだから。

帯の惹句がいいな…

判型が大きな上にハードカバーなのです。電書で買い直したのでもう処分したかも…

 

東京創元社さんの分厚い本と言うと合本版「火星のプリンセス」が頭に浮かぶ。

 

 

鈍器になりうるというか、分厚いのが海外の書籍。

判型大きい、500ページ越え。

最小がペーパーバック(新書サイズ)なのかな、そもそもが大きいんですね。

初めて自分で買った洋書はたぶんガブリエル=ガルシア・マルケスの「コレラ時代の愛」の英語版なのですが、それも分厚いながら紙質がいいとはいえず、軽いです。

日本にもあれくらい雑なペーパーバックがあってもいいような気がするけど、製本が丁寧で紙が上等なんですよね。ありがたいねー

 

銀背ではコニー・ウィリスがだいたいレンガ。そして絶対おもしろい。読み甲斐があるレンガ。文庫より新書版で読みたい。

 

以上挙げた本、未読のもあるから一概に言えないけど私が読んだものは全部おもしろかったです。だから、分厚い本=面白いかもしれない、期待できると見込んで手にとってもいいかもね。私はだいたい見込んで分厚い本を選んで買うところもあります。

 

あー本のことを話すの幸せ。