夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

新感染ファイナル・エクスプレス(映画)(吹替)

 ホラー映画超絶苦手なのにね、ぎゃあぎゃあ言いながら見ました。

新感染 ファイナル・エクスプレス(吹替版)

新感染 ファイナル・エクスプレス(吹替版)

  • 発売日: 2018/01/01
  • メディア: Prime Video
 

まずね、この映画を見る前に「アルハンブラ宮殿の思い出」と「Wー君と僕の世界」を見るのをおすすめします。そうするとね、もっと楽しいよ!(見終わるまでかなり時間がかかるけど) 

 どっちか一つでも見ていたら味付けがさらにマシマシ!

 

既に混乱してる。ここからのスレッド、かなり混乱してます。

 

自分の気持ちを落ち着けるため+モチベーションを上げるため+目を背けても声で話がわかりたいために吹き替えで見ました。

コン・ユさんを中村悠一さん、マ・ドンソク兄貴を小山力也さん、その奥さんを坂本真綾さん、一緒に戦う野球部の男の子が前野智昭さんと、私的に耳は幸せでした。

だって中村悠一さんが「パパがいるから」とか言うんだよ…めっちゃ父性感じる声でした。あの声で「パパ」って(甘々と稲妻でもお父さん役をやってましたね。ええ、大好きです)

しかもコン・ユさん、顔ちっちゃくてスタイルよすぎてこんなパパたまんねえと襲いかかる感染者の勢いに涙がちょちょぎれつつも気を緩めたら思ってました。

 

だいたい私はホラー映画に対してそうなんですが、一度見ると2回目は平気なんですよ。そんなに繰り返して見たい映画はそんなにないけど、シャイニングとかキャッキャ言いながら見られるんです。結局わたしはビビリだけど、母の娘なんでしょうね。幼少の頃からエグいホラー映画をたくさん見せられているから、本当の楽しみ方を知っているのかもしれない。

この作品も怖がりながら震えながら見るだけ見て、最後はボロボロに泣きながら満足してましたからね。

でもマ・ドンソク兄貴もコン・ユさんも出ない続編を見たいとは思わないし、ウォーキング・デッドも見たいとは思わないけど。でも一度見ると平気…いや、ヒッチコックの「サイコ」だけは無理かも。あれ超怖かった。母が「これ主人公の頭がおかしくなってお母さんのフリして自分に命令してるの」とネタバレしながら見せても怖かってん

 

本当に面白かったけどさ…今の御時世、感染症でさまざまなエゴや感情が渦巻く世の中にあって、私が「アルハンブラ宮殿の思い出」と「W」を見た上で見たのは、最大限に楽しめる環境にあったとしか思えない。しかも「トッケビ」も見ていて、マ・ドンソク兄貴の作品も見てるし魅力は十分に知っている。予習バッチリ。

アルハンブラ宮殿の思い出」と「W」には共通の出演者がいるんですよ。キム・ウィソンというギョロ目のおじさん俳優なんですけど。どちらの作品でも癖の強いクソ野郎みある役柄でね。

この人が「新感染ファイナル・エクスプレス」に出た瞬間に、ああこれは厄介で最後まで面倒くさいやつだとわかっちゃったもん。

 

兄貴がジャケットを脱いでそのへんにあるもので動きやすく武装する頼もしさを見せつけてくれたり、コン・ユさんが父性マシマシの優しい眼差しで娘を見ている間も、自分だけが生き抜くために他人のことなど知ったこっちゃないくそったれぶりを見せてくれるのがもう予想通りでもホラー映画ってそういう人がいるから面白いからこの人が演じるのにうってつけなんやなと。この人がひどいことをする度に「でしょうね」って気分でニヤニヤしてました。なんかオチまでわかっちゃった。

この人の演じた役柄を知っていると納得、でも期待に応えてくれて妙な嬉しさもあり。またどこかで会えるといいな…クソ野郎役で。

 

ラストはむちゃくちゃ感動するんだけど、切ないですよね。怖かったけど見てよかった。話題になって早々に見るんじゃなくていま見てよかったなと思います。

21003 オルダス・ハクスリー「すばらしい新世界」(光文社古典新訳文庫)(電子書籍で)

電子書籍の蔵書がアホみたいに多いのにここ1年位紙の本の手触りの良さがいいよねーなんてふざけたことを言って紙の本を買いまくったので、でも私、じつはどっちでもええねんでと自覚するために??電子書籍積ん読を減らしていこうと試みていました。 実は電子書籍のほうが読むのが速いんですよ。そして読み出すとあんまり挫折しないのも電子書籍

 紙の本も持っているつもりだからどうしても紙がいいなあと思ったら切り替えようと思っていたんですが、見つからないのでこの作品は電子書籍でしか持っていないのかも。

ディストピア小説としてジョージ・オーウェルの「一九八四年」と並び挙げられる有名な作品ですが、最初は今年のはじめにまず読もうと思ったんですよ。(オーウェルはハクスリーのイートン校のフランス語の生徒だったとのこと)

でも今年のはじめにこちらで書いたように、今年を暗示する可能性があった場合にディストピアは洒落にならんと思ってあとに回したのでした。確かに洒落にならん内容だった…

暦2540年。人間の工場生産と条件付け教育、フリーセックスの奨励、快楽薬の配給によって、人類は不満と無縁の安定社会を築いていた。だが、時代の異端児たちと未開社会から来たジョンは、世界に疑問を抱き始め……驚くべき洞察力で描かれた、ディストピア小説の決定版!(『BRAVE NEW WORLD』改題)

iPad miniKindleアプリで読んだのですが(買ったのは2015年で、たぶん半額還元だったんじゃないかしらん)Kindleのいいところは気になったところのマーキングが容易く、それを見返すのも集約するのも容易いところですね。紙の本は書き込みするのも嫌いだけど電子書籍ではその嫌悪感も書き込むことによる罪悪感もない。

特にこの作品のようにメッセージ性が強い作品は引っかかったところをマーキングしていったほうが良さげなので電子書籍向き。

管理社会における人の生き方や作り込まれた考え方や価値観が興味深くていっぱいマーキングしてしまった。家族や宗教への嫌悪感や忌避感とか。未来の都市の描写も面白くてマーキングしてたり。

 

読んだ感想なんですが、むちゃくちゃ面白かったです。本来こうあったほうがみんな楽に生きられるのかもしれないという世界を希求して想像を膨らませた結果がこのいびつな世界なんだろうか。

世界がどのように運営されているか、人々がどんな生活をしているかを事細かに語られたあとで後半、その世界に疑問を抱く未開の地で生まれた文明人の子ども、ジョン(美男という設定)が世界を管理する統制官と文明や世界や宗教について長々と問答するシーンがあるのですが、それを読んでいて感じたのが、現代のコンプライアンスで様々なものが配慮や制限されていること。誰もが傷つかないために、不利益を被らないように、時には傷つけられたと腹を立ててクレームをたててコンプラ違反だと問題視され、謝罪して是正されるあれこれ。傷つかないほうが心は安定するだろうけれど、逆に傷つくことに対して神経質になっているような気もする。おおらかではない。それについてじわじわ肌で感じていたことを思い起こされる文言がチラチラ出るのですよ。

純潔を守ると激しい感情が溜まるし、神経衰弱にもなる。激情や神経衰弱は社会を不安定にする。

 これはフリーセックスを奨励する理由として挙げられているのですが、抑圧された管理社会のはけ口としてフリーセックスとか心を平穏に保つドラッグとしょーもないけど体感も再現できる触感映画が奨励された世界なんですが、これらのおかげで普段は穏やかで平和でいられるらしいのですが、現代の社会のあり方って抑圧された部分が多くてはけ口がないから不安定になってしまっているように受け取れる。だからコンプラで傷つくことは減っても閉塞感もある我々に足らないのはフリーセックスとドラッグと安いエンタメ映画(この作品ではゴリラの結婚式などが映画になっていた…って銀魂かよ!!)なのかもしれない…わたしゃー嫌だけどな。

 

そんな今の時代に対する憂いもちょっと浮かびながらも、これが1932年に書かれたことにずっと驚きながら読んでいました。翻訳がさすが「新訳」で、この光文社古典新訳文庫のコンセプトにあるように今の言葉で読みやすくなっているんですよね。いま書かれた小説のように感じるくらい新しい。テレビジョンや映画がフルカラーである描写もあり。これ昭和7年の作品ですよ。調べたらテレビ自体は存在して、少しあとにはオリンピックの中継もあったような時代ではあります。日本ではもっぱらラジオの時代ですけど。

同じ姿の子どもがガラスの壜からたくさん生まれる技術がある世界で社会を運営するために大量生産されるようになった世界でカーストも人種の優劣も存在する社会が本当に存在しそうなくらい細かく描写されるんだけど実に想像しやすい。そしてチラチラと「本当は日本政府はこんな世界が望ましいんやろうな」と思ったりだ。少子化対策いらないものな。面白いのは、人種間ではどちらも相手を軽蔑するよう条件付けをされているところ。どちらかが劣等感を持つとかなくて、どちらも相手を見下しているのでどちらも自分の中では優位に立てて心が平和らしい。

たまーにこの世界ええやんってちょっと思ってしまうのが怖いところではある。

嫌だと思っているうちは理性とか知性を手放していない証拠なのかもね。

 

一箇所だけ書かれた時代らしかったのが、未開の地から連れてこられた「野蛮人」と呼ばれるが、シェイクスピアを愛読し、神や迷信の存在を知っているジョンの女性への価値観。

純潔であり貞節を守ることを(私が受け取る限りでは)過剰に求めるあたりが20世紀前半のキリスト教の世界だなーって。今だったら好きだったらセックスくらいええやんって思ってまう…

 

そこくらいで、あとはいま読んでもとても新しい。宗教や哲学、家族に対する考え方について斬新さすらありました。私もそれらの全てに懐疑的だから。(宗教において)懐疑的でいられるのは若いうち、みたいな事が書かれていて若いままでいたいなーと思ったものでした。そこにもマーキングしましたよ。

 

ところで、電子書籍だと本の厚みがわからない分、いま読んでいるのが全体の○○%という表示があります。残りのページ数とかで表示のある仕様のアプリもあるかもね。

私が紙の本が好きなのは物理的に残りのページ数がわかるところなんだけど、それがない分、%の数字を頼りに「あと○○%」とかたまに確認しながら読んでいました。が、この文庫は解説や作者本人の「新版へのまえがき(なのに物語の終わったあとに掲載されている)」や年譜も含めてのパーセンテージで、そのおまけの部分がかなり充実しているんですよね。

それに気づかずに読んでいるから思わないところで「へっ!?終わり!!??」ってびっくりしました。

終わり方がすごかっただけに…ある意味私好みだけど…

あと15%読むつもりで進めていたからそこで終わってほんまに、今年始まって一番びっくりした瞬間はこれかもしれない…

 

それにしてもすごく面白かったし、これは研究者の親友とかこの作品の一部分の分野にいろいろ言いたそうなお婿(決してフリーセックスのところじゃない)といろいろ議論できそうで、とっとと彼らに読んでもらおうと思っています。親友とLINE読書会できそう。

 

この作品はちょっと前に早川書房さんからも新訳が発売されていて、大森望さんが翻訳されています。

どのへんの翻訳に違いがあるのか気になるので読んでみたい。私的に翻訳家として馴染みがあるのは大森望さんの方です。 コニー・ウィリスの作品でおなじみ。大好き。

すばらしい新世界 (講談社文庫)

すばらしい新世界 (講談社文庫)

 

 

ビルド NEW WORLD 仮面ライダーグリス(映画)ネタバレばっかり

 武田航平さんご結婚おめでとうございまーーーーーす!!

勝手な思い込みでこの作品には桐生戦兎と万丈龍我は出ないと思っていたんですがふつーに出ていました。

Be The Oneで私的に納得の行かない終わり方というかカップリングが生まれたのでちょっと凹んでいたのですが、この回では桐生戦兎と万丈龍我はふつーに仲良しで一緒に出てます。

そしてげんとくんはさわさんとうまくいってるっぽい。

びっくりしたのが、葛城巧は葛城巧で登場するんですよ。桐生戦兎はあくまで向こうの世界から来た別人(そしてエボルトの美容整形により容姿もまるで別人になってるしな)なので、葛城巧と父の関係もちょっと他人事っぽい、それをちょっとせつなそうなおだやかーな目で見る万丈龍我にニチャア…と気持ち悪く笑う私という、本来あるべき?仮面ライダービルドの愉快な仲間たちの関係性がそこにありました。ありがとう!!

 

グリスが主役なので、彼の活躍は三羽烏の姿があってこそなので相変わらずわちゃわちゃやっていて楽しかったのですが、途中でカズミンがみーたんを助けに行かないけどなんか歩いていたはずがいつの間にかみーたんを助けることになったくだりがよくわからんかったな、結局三羽烏に見せ場と彼らだけではなんともならんという流れを見せたかっただけかしらん

三羽烏のすぐ犠牲になろうとするところとかも既定路線だけどオチが最高でした。

武田航平さんはライダーシリーズのヒーローでも屈指の美しさなので(私的に水嶋ヒロさん、加藤和樹さんと並ぶ美男だと思う。ほかにも美男はいっぱいいるけど華やかなお顔立ち)冒頭のタキシード姿とかすごく似合っていたのですが、元々コメディ担当なのですーぐ崩れるのもまた魅力。ボロボロのタキシード、ヒゲもじゃのお顔、わざわざ綺麗なお顔を汚くするのは美男すぎるギャグキャラの宿命なのかね。

今回サブタイトルが「ドルヲタ、推しと付き合うってよ」だからオチはわりとスピーディにハッピーエンドでそこもコメディ入っていたけど本編では途中悲劇的だっただけにこういう終わり方でよかったです。

敵方はBe The Oneとかと似たような感じだったけど、まさかのマイケル富岡登場でもそんなに活躍することなくぶっ殺されるので「ヤキソバンなのに…」と思わずボソッと呟いてしまいましたね。 

 これはデーブ・スペクターさん(だったはず)

 

さわさんとげんとくんの関係がTシャツで語られる内容があまりにもアダルトですが、ビルド1話のセクハラトークがあのように活かされるとは…さわさんの中の人も結婚されたはず。げんとくんが中の人の都合でヒゲじゃなくなってたのも可笑しかった。

ラブアンドピースやな…

 

これからは仮面ライダーのなにかしらの過去作からの応援みたいな形でしか出演はなく、ビルドとしては作品が作られないと思うと寂しいけれどスピンオフはスピンオフなのに豪華でちゃんとしていて本編のテンションのまま楽しかったです。ビルドは本当に面白い。

演じた俳優さんの今後の活躍を期待しています。赤楚くんの躍進がすごいけれど、あの話題のドラマでの赤楚くんは全然雰囲気ちがうからうまいんですね。すごく可愛いですね、まだ見てないけど。

 プロテインバカでおなじみの万丈龍我に見えない笑

エノーラ・ホームズの事件簿(映画)

 公開当時に見たかったけどやっと見られました。すぐ忘れるとこ治したい。

 元々はYA小説の映画化なのは今日知りました。

なるほど、キャストと舞台設定やロケの作り込みの豪華で素晴らしい割にお話が軽やかで展開がスピーディなのはYA小説らしい、そのカテゴリの良さを感じます。

 

ミリー・ボビー・ブラウンさんというか大好きなミリーちゃんの魅力満載。悲壮感に満ちていたり鼻血を出していたりスキンヘッドだったりのイメージが強いけれど、こちらではポジティブで元気で知的でやっぱり出血してました。

あのシャーロック・ホームズに妹がいて、個性的な母親に育てられて兄に負けない謎解きの才能を持ち、失踪した母親を探すために家出した途中で公爵の次期跡取りの少年と出会い、事件に巻き込まれるという展開ですが、まーーーーー…原作とガイ・リッチー版では大好きなマイクロフト兄さんが強権的で父権主義のいやーーーな奴でそこは辛かった。

その代わりシャーロック・ホームズがもう!もう!もう!大好きなヘンリー・カヴィルで、今作で一緒に行動することが多い次期公爵の少年を演じるルイス・パートリッジも気品ある美しさで配役が目の保養。

マッチョすぎるとスーツって似合わないと思っていたけど似合うもんやなあって物語と違うところに見とれたり。ルイス・パートリッジがティモシー・シャラメみがあって本当に魅力的だったなあ。有力貴族の子息でキノコの研究者でエノーラより弱いという設定がしっくりして途中から髪型が変わるのもまた良し。昔はこういう設定は男女が逆だったけど(ゲームだとFF9とか、ディズニーのアラジンもそうか)これで全然いける。

エノーラが独り立ちするところも地に足がついている過程があり、周りの大人に翻弄されることもありながら意志をつよく持っているところも好感が持てます。

探されているホームズ兄妹の母親を演じるのがヘレナ・ボナム・カーターなのがもう、映画として本格的な部分の最たるものかも。この方がいるだけで一気にあの時代に連れて行かれる気がします。ご本人はそういう括りは嫌らしいけれども。

 

シャーロックの面白い事件以外に興味がない、退屈が大嫌いというのも作中で表現されていて、エノーラはそれよりは良識があるのかな、とりあえずドラッグにハマったりするような女の子ではないか。それより快活。

子爵を付け狙う刺客がパシリムの博士だったなー

登場人物が少なくてそのへんで省エネな感じがしましたが、お金をかけるところにはむちゃくちゃかけている感じがしてこれ劇場公開してくれても良かったのになって思ったり(したかもしれないけど日本ではしてないよ…ね??

 

いまのところNetflixでしか見られないのですが、加入していて時代系エンタメが好きなら是非どうぞ!気楽に見られて、でもスリルはもちろんあって女の子が頼もしいのが気持ちいい映画でした。

 

 この作品に出るマイクロフト兄さんが好き(全裸で登場、弟より変態くさいのがまたよし、演者も最高)

 

ミリーちゃんといえばストレンジャー・シングス。このレゴすごくいいな!

レゴ(LEGO) ストレンジャーシングス 裏側の世界 75810

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  • 発売日: 2020/01/01
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

TENET(映画) 見たよ!!(ちょいネタバレあり)

 クリストファー・ノーランにしては短い150分

TENET テネット(字幕版)

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  • 発売日: 2020/12/16
  • メディア: Prime Video
 

 

 

Tenet (Original Motion Picture Soundtrack)

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 2周しなければわからないだろうって話だからよし、1周でわかってやれと思って見たんだけど、たしかに2周しなければわからないところもありながら、1周目の終わりにああなるほどそういうことだから2周めでわかるな、ってまとまり方をしていました。

劇場で見ろって助言がさまざまなところであったけれど、家でアイパッド(でかい)で見て何が嫌って、暗転する度に私の顔が映って集中が台無しになるところですかね。

エリザベス・デビッキが美しいから成立する映画であるけど、この方はリゾート地の洋上が似合うなあ…クリストファー・ノーランって、美しい人の美しい部分を最大限に魅せるのがうまいですよね。キリアン・マーフィーにメガネを掛けさせるとかね。

 

逆行シーンはそれがやりたくてこの設定を作ったんじゃないかと思うほど面白かったですが、ラストあたりの戦闘シーンはみんなマスクだらけで私的に漫然としちゃってもう集中できなくなっていました。エリザベス・デビッキケネス・ブラナーのシーンの方がスリルがあってこわかった。ケネス・ブラナー、特に鍛えてないおじさんのはずなのにCIAの凄腕たちと渡り合ってなおかつ(バックアップはあるものの)だいたい勝てるのでつえーわ…

 

ニール役を演じたロバート・パティンソンは苦手な俳優さんだったんだけどこの作品ではタイムトラベル系では視聴者をキュンとさせる立ち位置を演じていてそりゃあ好かれますわ。昔だったらどちらかが性別が違ってたかもしれないところを同性が演じて軽いブロマンスにしちゃったところが私も好印象でした。

 

さっそく2周めを見ているんですが、音楽堂のシーンでなるほど。

音楽がずっとかっこよかったですね。緊張感マシマシになるタイプで現実感もない。どんなときに聞きたくなるかは謎だから、買うとかプレイリストに入れるかはわかんないけどかっこいいなーって思ってました。車の運転中に聴いていたらキリッとなりそう?

 

仕掛けとか面白かったけれどインターステラーのほうが好きです。デンゼル・ワシントンの息子がこんな歳になるとは。なぜかデンゼル・ワシントンって同年代だと思いがちだけど私の親と同世代なんですよね。だから息子が同世代(嘘)

結局未来で主人公になにが起こるのかが「物語はこれからだ!」って感じで終わるのですが、そこがいいのかもしれないし、2周めに確認するときのニールのあれやこれやも注目に値するんだろうな。

やっぱり難しめのSFは良い…我が家に帰ってきた気がする。すべてを理解したわけではないけどこれについてしばらく考えられるから幸せです。

 

(翌日追記)インセプションとかインターステラーのほうが好きで、この作品に感じていた物語としての違和感ってなんやろと他の作品を見たり遊んだりしながらひっかかりについて探っていたのですが、主人公がCIAのエージェントなんだけど、エリザベス・デビッキへの肩入れがらしくないのよね。物語序盤から一般市民の犠牲が最小限で済むように手を尽くすような人だと描写されていたけど、CIAのエージェントってその辺もっとスマートじゃないの?って私のほうが冷徹なのよ。

インセプションインターステラーは物語の核に主人公の妻(マリオン・コティヤール美しかったなあ…ほんまクリストファー・ノーランとは美意識が合うわ)との関係性とか主人公の親子関係が絡んで物語を動かす原動力になる、多少常軌を逸していても家族のためなら仕方がないと思わせられるけど、この作品では物語の主語が大きく、主人公が頑張る原動力がわりと大義にちかくてそんなことのために頑張れるの?って冷徹な私は思ってしまう。

だからあくまでフィクションなんだなってそんなに入り込めなかったのかも。主人公が自分のことを「主人公」と言っちゃうから、そのくらいのヒーローなら世界のために動くのかもしれないけれども。だからこそ自称「主人公」にしちゃったのかもしれないけど。

インセプションインターステラーで主人公が抱えていたメランコリックなものによる行動原理が希薄だからアイデアが悪目立ちしてるような気がする。

SFってアイデアだけじゃ面白くない、アイデアを動かすための動機づけがちゃんとしてないと入り込めないと常々思うところがあって、SFだけじゃないですね、現代ものでもそうか。

インターステラーは動機づけで主人公を旅立たせるまでに1時間以上かかったけどあれをじっくりやったからさらに面白かったのだと思うのです。旅立ったときに時間を見て「1時間以上かかってる!」って大笑いしたものだったけど。

動機づけが足らないから「わけがわからん」ほうが勝つのが残念だったな…

あとケネス・ブラナーがあんなに強いのがいちばんわけがわからん(やっぱりそれ

「シンイー信義ー」感想 ネタバレあり

 商品を引用しようとしたら、色物たちの圧がすごい

武士の約束

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  • 発売日: 2020/07/25
  • メディア: Prime Video
 
シンイ-信義- ブルーレイBOX3 [Blu-ray]

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  • 発売日: 2013/05/29
  • メディア: Blu-ray
 

 

挫折しそうにないけどな。たぶん最後まで見られそう。

アマプラでも見られるの…

私の韓国ドラマの師匠、キム・ジュモクさんがちょいちょい私の中に現れる。彼は偉大…

面白くないことはないんだけどイラッとしてる坂田さんであった…

まあホンマに色物のおっさんがキモいんすよ…

ヒロイン自ら変態って言っちゃうんだもの

もう話数ごとにツッコミ入れるのもどうかと思ってだらっと見ました。

息をつかせぬ展開も1時間24話続くと(つまりまる1日じゃん)なんとかならんのかとちょっとお疲れ気味になるものです。

このドラマを大切に思っている方もいらっしゃるし私も主役のイ・ミンホさんは好きなので別にケチはつけたくないけど強いて言えば最終回の尺が短くて終盤の王様を助けに禁軍を動かすかどうかの重臣たちの問答のシーンが長すぎたのをなんとかできなかったのかと。

そろそろ物語に必要がなくなったら色物たちの始末がとっととついちゃうのどうなのと。

キ・チョルは最終回のエンドロールが可愛かったしあのくどさは逆に癖になるけど毎日は見たくないよね。

主人公とヒロインのロマンスは主人公が騎士道貫いていてかっこよかったしヒロインもがんばりやさんだったけどなー、ときめくより忙しかったなあって…そう、この物語、随時忙しかった。

 

あれだけ引っ張った、過去の「華陀」の遺産がなんだったとなんで100年前にあったのかというのも駆け足でもったいなかったなあ…しかも匂わせる手紙さ、未来のことがわかっているならもっとわかりやすく書いても良かったんじゃないとかつっこまずにはいられない

面白いかつまんないかと言われたら、面白くて王様の成長とか史実との突き合わせとかちゃんとしていると思うんだけど、なんだろう…

 

ああ、某花とゆめのすごくくどい作画だけど話がくどくて固定ファンが多い漫画家さんの漫画に似た感触なのか。好みじゃないけどなんか読まずにいられなくて頭から離れられなくなるけど、けっしてそれが気持ちいいわけじゃあないってやつ

火輪 7 (白泉社文庫)

火輪 7 (白泉社文庫)

 

 どちらか片方の作品のファンから「ぜんぜん違う」って怒られると思うけど、私的に似た感触でした。どちらも他人事に思える人には伝わるかも…いや、自己完結でいいや。

つーかこの人の描くイケオジっぽかったですよ、キ・チョル。

「ロマンスは別冊付録」感想 ネタバレあり

 イ・ジョンソクさんが兵役を除隊されて早速お仕事をされているらしいのでワクワクしています。

ロマンスは別冊付録 OST (2CD) (tvN TVドラマ)

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  • アーティスト:TV Soundtrack
  • 発売日: 2019/04/01
  • メディア: CD
 

いろんなお年頃のイ・ジョンソクさんを見てきましたが、こちらが兵役直前の最新作ってことで、一番大人のお話っぽい。意外な感触。ずっと母胎ソロでいてくれ…って思う傲慢なれーさんであった…

ツンつくしという言葉が我々の中で生まれました…

 

確かに「次回予告」という表示はないが、予告で見たものが先送りされる現象が多くてヤキモキさせられるんじゃあわしゃあ…

あー甘かった。久々に私の中でノブが「ぶちあまあ」って云ってましたわ。

序盤からの謎が漸く解けるのと雨降って地固まる感じかな

出来上がるカップル多すぎ問題は感じるものの、出版社が舞台なだけに私も好きな世界がそばにある感じで、紆余曲折はあるけど仕事も含め楽しめました。

子どもが海外留学しちゃってるから、ただただダニを子育てにキャリアを奪われたシンママだけど年下の美男と恋愛する余地はあるポジションに仕立て上げてるので、子どもってお邪魔かなあと気にはなった。ウノはいい子だから邪魔っけにはしないだろうけども。それにしても存在感が希薄だった。お金以外で子育てに苦労してないもん。子どもに時間を奪われるというのが遠回しに伝わってくる。友達のチーム長の遅刻癖も子どもが原因だったし。一応卒業したら帰ってくるって云っていたけど、子どもの影響がないと仕事と恋愛がスムーズなのはよくわかってしまった。

そのへんが引っかかるからか、ダニの恋よりヘリンがいい子で癒やされてました。あとどん底へ落とされてからの驚異のリカバリを決めるジユルとか。

ヘリンよかったなあ…たぶん製作者側もヘリンが好きで描写してたところがあったんじゃない。

序盤、ダニが大変な目に遭っていたのをウノが気づいてやれなくてショックを受けていたけどダニはダニでウノの抱えている問題に気づけなかったことなどは対等に描かれていたように感じます。仲良くても知らない面なんてたくさんあるものね。この辺もリアル。

 

やっぱりイ・ジョンソクさんが主役をするドラマに外れはないけど思った以上に甘々の甘々で、甘いのを見たかったらおすすめかしらん。ダニが結構仕事で傷つくけどプライベートで癒やされまくりだものな。

そう、自分を好きな彼氏(配偶者)は癒やし…と改めて噛みしめましたわ。

 

次はなに見ようかなあ…愛の不時着吹替も見ていきますが。