夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

「光る君へ」18話 「岐路」感想

995年て厄年だったのかしらん

蔵之介が帰ってきて結婚フラグというか親戚の放っておけない小娘から女性へと見る目が変わりましたか??このまま自然と結婚する流れになっていくのかしらーーーん

そういう見る目の変化ってある程度少女漫画なら許せるけど現実では蔵之介じゃなかったら気持ち悪いだろうなー。蔵之介で、フィクションでよかったわ。いや、パープル先生と蔵之介の外の人(宣孝様だっけ)結婚してるんだからノンフィクションやん!

 

と、序盤から私が忙しい。

なんとなく為時パパが牽制球を投げていたような。気の所為じゃあるまい。

まひろが宋に興味があるのが後へのフラグだろうなー

 

関白の後釜が伊周か道兼かとはっきりしないときも実資がしっかり中宮を批判し、公卿としての意見を強くぶっているところをまたも…御簾ごしに美しい目が煌めく!!!

伊周にしてしまえば定子様の印象も悪くなるというのも判断したのかも。

若さを指摘する道綱に「時には的を射たことを言うではないか」ってきっぱり言われても、道綱が本当にいい笑顔で「時にはね」って返せるのがいいな。可愛い。

叔父と従兄弟という立場の違いに大きな隔たりがあるの、先の関白の息子というのよりそちらのほうが重要視されるのも興味深い。

それにしても御簾の影から瞳のアップでまつ毛の長さが際立つ帝よ。

 

おもしろ黒光り実資、可愛い道綱のあとでこの美しさは世の中の男性はいろいろな魅力があることの見本市のような…平安期に一番美しかったであろう道長のお顔と、この作中で現代目線でとびきりキラキラしているように見える一条天皇、目を奪われるほどイケメンの公任、顔はきれいなのに…とイラッとする伊周、そして黒光りと可愛いおじさん。あなたは誰がお好きですか!?お顔がちっちゃいちっちゃい隆家かな!?それとも癒やしの従者たち?

 

帝のことばに目を剥く伊周の目がマジでキマっててね。ポリゴンガビガビ時代のクソゲーと評価されたゲームでこんな目をするキャラがいたなあと最近見たRTA動画を思い出した(わかりにくい例え)

これまで金田と花山天皇の愛妻だったよしこ様、道隆と詮子様、直接的なやりとりは見えなかったけど公任と円融天皇の愛妻の人といった天皇に嫁入りした妹(姉)と出世を望む兄(弟)という関係性の表現があった中で、どれもちゃんと敬意と尊重を感じていた中で(道隆は詮子様から嫌われていて詮子様が遠ざけられるみたいなくだりもあったけれど)、伊周の定子様への態度が一番露骨に良くない。自分の意のままになる所有物みたいな見方、父親の悪いところをそのまま受け継いでいて自分が大したことを成し遂げてないのに自分が思ったように出世できない理由を定子様になすりつけていてこれまでの感じ悪さが際立った感じでしたね。

それに対して定子様がはっきりと視聴者も思っていることを指摘できるから私は定子様の印象は落ちないの。

サマー少納言が沈痛な面持ちで推しを気遣い、推しが誰にも明かせないような悩みをサマー少納言には吐露する、この時間が癒やしでした。

 

やっと道兼が関白に昇進するんですが。

私はねー、これまでもこちらのブログで道兼についてはもうなかなか散々たる書きっぷりで、世の中には優しい目線もあったでしょうが私はわりと厳し目で、花山天皇を騙しきったときには笑ったけど「ひでえやつ」って印象は拭えないままだったので、史実を見れば七日関白と呼ばれ兄道隆の死からそんなに経たずに亡くなってしまったのを、このドラマでもザマアくらいの気持ちで見るんだろうな、って思ったんですよ。流れ的に不自然だからそれこそ誰かから殺されるんじゃない?とか。花山天皇とかに。

そうしたらさー。

直秀以来に泣いたわ…

序盤に強烈な悪事を行い、視聴者と主人公から憎まれ、父親からは最悪な利用のされ方、甥からも蔑まれた人が、見事に心を入れ替えてこれからってときにって思うと惜しいんですけど、こういう味付けをされなかったら道兼って花山天皇をだまくらかしたところで目立ったものの、本当に謎のタイミングで亡くなっちゃう人でしかないんですよね。それをここまでのキャラ付けをしたのは見事。演じきった玉置玲央さんも見事。

 

狂気に満ちた表情から晩年の憑き物が落ちて解脱した姿、甥っ子に感じ悪いことを言われて硬直する姿、父親に恨みはないと晴れ晴れとしていたり、慶賀奏上を受けるときの毅然とした中でもなんか体調が悪そうな佇まい。どれも目の力がそれぞれ強弱があって印象に残りました。

一旦立ち去る道長の耳に届いた光明真言を自分で唱えたあとの台詞で許されたというか、いち視聴者の私は許しましたね。だからすべてを知っている道長も抱きしめたんでしょう。BGMもすごかった。(光明真言真言宗の一応信徒である自分には馴染み深いもので余計グッとくるものがあったなあ。あれクライマックスに10回唱えるんですよ、お葬式とか法事で)

 

味付け次第ではどうにでもなる役柄だっただろうな。道綱みたいに可愛いおじさんになってたかもしんない。でも前半を大きく盛り上げたキャラクターになりました。

あー来週からいなくなるのが寂しい。

 

一条天皇が力を込めて「国家万民のため」っておっしゃったところ、良かったな…(すーぐ一条天皇を振り返る吾)

 

しかしそのあとにニッコニコの中関白家のシーンなのがエグい。貴子までニッコニコ。

サイテー笑

こんな人達だからなあ。まあ内心はそんなところだったのかもしれない。

それとは対比的な、為時パパとまひろの弔い方が美しい。善き人としての身の処し方の見本みたいなので、大嫌いな人が亡くなった場合の心のやりどころで悩む人は倣ってもいいかもね。「無念であったろうなあ」って。道兼に聴かせた母の琵琶で弔うまひろがかっこいい。

 

そして史実なのにすごいびっくりする公卿大量ナレ死。

 

詮子様、居候(違う?)なのにどえりゃー態度で弟夫婦を迎えてヒステリックにキレッキレ。そんなに伊周が政権を握るのが嫌か!嫌でしょうね!!その気持はわかる。

キツい姑は小姑としてもキツいんですなあ…

道長が謙虚で出世にやる気がないのを髪を振り乱して叱咤するのマジ怖かったので、あの音声データをめっちゃムカつく誰かに使いたい気もする。渾身の「うつけ者ッ!」

 

伊周が夜の宴席を設けるんだけど、こんなの、やや上品な体裁はとっているものの、花山天皇の叔父さん(もう名前を忘れた)と同じやん…

実資がブッチしたのは公卿達にとっては主催者を見定めるメーターになってると思う。宮川一朗太さんがじわじわ大きく映るようになってきたなあ…

そしてチラッチラとごちそうにテンションが上ってる道綱がかわいい。情報量の多いながら微妙に盛り上がりに欠ける宴席でした。人心掌握の仕方が教科書通りで心を感じない、その辺が伊周。中宮と帝との距離を売りにして中身がねーんですよ。言いながら集まった君たちより距離が近いんですわとマウント取ってる。そういうとこ!

 

器の有無より定子様の兄であるからを取っちゃった一条天皇(カメラの捉え方が美しいのなんの、ゼロ距離の定子様と揃って美しい。2話前より落ち着いて大人びて見える)

 

宴席での振る舞いで公任からの伊周の印象も「やや」マシに。やっぱりF3仲良し。

行成の道長推しが今回も可愛い。三者三様出世への食いつき方がちがう(そして公任本当に見応えがある)。推しに出世を頼らない行成、厚かましい金田、そもそも関白にならないだろうから頼らないつもりの公任。みんなもっと活躍してほしいんじゃが!!

 

遠慮容赦なく話せる友達がまひろしかいないっぽいサマー少納言、出世しても彼女を訪ねて来るの可愛いとこある。

中枢の話しから元彼の道長の話になってキョドるまひろに7年前の漢詩の会を思い出してあげるサマー少納言賢いだけあるな。

定子様の贅沢を許さなかったのでサマー少納言には印象が良くない道長、私は推せる。そしてそのエピソードで笑ってしまうまひろ、嬉しかったんだろうな。

立派な政治家になれと激励した相手というより心を残している元カレが人気がないと知ってちょっと凹んでるのが可愛いですね。

弟に「男もいないのに物思いに耽って!」と突っ込まれてるうしろのいとが微妙な表情をしたのを私は見た!

相変わらず惟規おバカかわいーな!

白居易読みたいってなってる熱いオタク、この流れが来週につながるのか…

読みたがってるまひろと弟のやりとりを楽しそうに見守る為時パパの表情が良かったな。

 

詮子様、俊賢にも強くて怖い。

烏帽子をつけてないというのが見てはいけないお姿を見ている気にさせられるようになったのはこのドラマのおかげですわ…しかしそんなお姿であっても一条天皇は美しいわ。ちょっとした目線のうつしかたと表情で指示を伝えたのがわかるとか、上に立つ人の仕草が本当に滑らか。

さて、ここからの熱い熱い詮子様のプレゼンよ。

一条天皇が伊周を関白にする理由を見透かしているうえであえて指摘するの、定子様を持ち出すのがいいことなのか私はヒヤッとしたんだけど、でもここで政治と妻との関係を線引きする言質を取るのは大事だったのかも。そのうえで、どういう政治を行いたいのかを切々と問いかけ、いかに伊周では駄目かを語るんだけど、先週伊周が嫌いという私的な思いを見ているだけに、自分のことはどうでも良いと言いながら父親の円融天皇を持ち出したり関白に操られない天皇という旨味のある未来をチラつかせたりとするのがどこまで政治と帝を思っての物言いなのかが計れなくてただただ勢いに飲まれる。さすが兼家に一番そっくりな娘!

 

ここで一旦断ったのに折衷案として道長に内覧宣旨を下したの、母の泣き落としの勝ちだな…確かにそれが間違いではない人事だったのかも。

ここからの伊周がもう、過去イチ最低。よく演じた三浦翔平さん。腹の底からの「どけええええ!」と「皇子を産め」コール、最悪オブ最悪。背後から睨み据えるサマー少納言の殺意高めの表情、私と被りました。堪える定子様が気の毒で気の毒で。前回の父道隆は病気の末にトチ狂ってたからまだ流せるけどこっち元気じゃん?おめーが人徳がなくて信用されない政治家だからだろ!自分以外の身内を武器に出世しようなんて甘い考えだからいけないんだよと、日頃政治に絡まない私でも思うわ。だから詮子様のキレッキレのプレゼンも間違いではなかったんですよね。

 

定子様は必要以上に女の武器を使わずにちゃんと帝のことを大事にしているから更に愛されるんだろうなあ。ビッチやったらもっとやりようがあった。しかしここの一条天皇の甘い台詞にかぶせてくる副音声の声がいい。で、一条天皇の震える声が「母上怖かったなあ」「定子に嫌われたくないなあ」「でも万民も大事」が様々こもって揺れていて、この御夫婦が可哀想になってくるんだよね、自分たち以外のことで面倒くさい目に遭っている。

 

唐突なさわさんとまひろの別れ、惟規の告ってないのに振られるところでほぐしてくるのでそれまでのひりついた展開との格差がすごい。あまり上級でない貴族、いいな…

 

「人の心は移ろうものなのよ」

これ後々の自分のことかな。

 

道長が関白にならずに右大臣になりましたとさ!(道長が関白になることはなかったんですよね)

 

ここで土御門殿で倫子と母がキャッキャと婿の出世を喜ぶシーンになるんだけど、実は政治を動かすきっかけを担っていたって裏側が読めて怖くて面白い。倫子様の小姑を引き受けることに対して忌憚のない「え〜…」と思いましたけど、って台詞がさすが倫子様。

オホホホ笑ってるけどこの母娘の只者ではない感じ、こえーのよ。「でかした」って。でも中関白家とちがって道兼とか誰のことも貶めてないよね。慮ったり気遣ったりしてるだけ。で、オホホホ。私もかくありたい!格の高い貴族の振る舞い、勉強になったわ。

 

高松殿での明子女王と俊賢のやりとりは他の兄妹のやりとりより遠慮がなくて面白みがあったな。俊賢がプライドがないところも面白い。友達にはしたくないけどいまの公卿たちの印象をそのまま写してくれるという立場がこのまま継続されるのかな。

 

で、道長がまひろを回想したあとで六条の例の廃屋に言ったらまひろもいたんだけど、まるでジョジョの奇妙な冒険第3部の最終回みたいなすれ違い方をするんですよね!まひろ、帰るのかよ!

過去のあつーい抱擁を思い出しながらも、会いに来たのは自分ではないと解釈するまひろ。

帰るのかよ!!!!

 

来週の予告、まひろがなにをやるのか心配ながら、花山院が再登場するのが楽しみ!残念兄弟が失脚しちゃうんだなあ…

まひろが天皇を前に言うことがオバマ大統領じゃん??最後はYes, We Can!で締めくくると神。