夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

「光る君へ」13話 「進むべき道」感想

いきなり990年にジャーーーーンプ!!パイプオルガンでジャーーーーーン!!!!

庚申待ちの夜からいきなりの3年後、一条天皇元服を迎えていよいよ定子様を迎えました。高畑充希さんが13歳を演じながらもまだまだ一条天皇は子役。後々綺麗に育つぞと匂わせる雰囲気の美しい姿でいらっしゃる。

 

今回も市井に近いまひろ(買うものが物々交換、しかも相手に嫌がられて同行したさわさんが気遣って見ないふりをするという…さわさん何年経ってもいい子でまひろの友達のままなのありがたい)が民が文盲ゆえに騙される姿を見て文字を教えるようになり、民が国司に虐げられるのを放っておきたくない道長(権中納言)が声をあげ、蔵人頭の任を解かれても再び出世していた実資に見込まれるというくだりから二人のつながりや今後のまひろの身の振り方(市井の子どもの教師から超上級貴族の子女の教師になるのえらいギャップだけども)も匂わせると。

 

まだ婿を取っていないまひろの前に未来の夫、蔵之介がトンチキな衣装で二人でキャッキャ言うてるの未来がなんだか幸せそうな予感がしたけども。その衣装を清少納言ぱいせんに笑われてたのをポストで知って、やっぱり平安時代でもトンチキなのはトンチキなんだと笑ってもーた。

まひろはまだ婿取りを促されているが、まひろは生涯独身でもいいと断り、為時パパはまひろになにかを察しながらも将来を決めつけるなと諭したり蔵之介の息子を…と言うんだけど蔵之介が強い調子で断る。息子がおバカなのか、なんのかんのと言いながら婿を見る目が厳しくなる小父心?なのか、「こんなおもしれー女の相手が務まる奴なんかおらんわ」って感じなのかな。

結局この二人が結ばれるのがいまのところお話のなかで一番謎で成り行きが気になってるかも。道長の存在は明るみに出るのか、出ないのか!?

 

それを言うたらクライマックスの倫子様とまひろの再会も、見ているこっちはひりついていましたけどね。北の方、倫子様には文を一つもよこさない(たぶん明子女王にも送ってない)道長がまひろからもらったものすごくそっけない文は大事にしているから婿入した家に持ち込んでいるとか(まひろは道長の最初の文は燃やしてるけど)、行間にいろいろこもりすぎだろ…まひろには情熱がほとばしる文を送りまくってたのに。

しかも庚申待ちの夜に訪れたという話といい、この夫婦の関係にまひろが密かに影響及ぼしすぎ。

まひろ的には胸熱だけど、北の方として明子女王からの文ということにせず男性からのものとして収めようとした倫子様が真実を知るときが来るんだろうなと思うとそれはそれは肝が冷える。

笑わない女・明子女王はそのうちまひろの存在を疎ましく思うようになるらしいので倫子様にもバレないわけないじゃろ…

 

北の方として幸せにしているらしい豊かな姿を見せられたうえで一の姫とも会わされて、まだ心を遺しながらも涙を飲んで別れた元カノとしたらそらーーーー辛い!しかもまひろが見ていないところで道長はわりと倫子様とはちゃんと夫婦してるんだよね。時間が経った空気が上手に流れていた。倫子様の性格の良さが良い影響になっている模様。ただし、倫子様は道長を「人見知りがある」と話していたのが私、ひっかかります。

まひろにはまったくその様子を見せてないし、直秀にも全然人見知りしてなくてすぐに打ち解けて振る舞っていたのに対して、人見知りと感じさせるほど打ち解けなかったんだろうなー?

そして明子女王には道長は「笑わない」という印象が根付いてしまっている。そりゃあ仇の息子だしな…道長のヤケクソ婿入りからのヤケクソ縁談はろくに描写もなく同衾からの妊娠の話だけで夫婦関係の成立を描写するだけだった…まったくもって、愛はない感じが露骨であるわ。道長シビアだなー!

 

すっかり耄碌してびっくりする兼家に明子女王が会いに行って呪詛するために扇を貰うときはねっとり笑っていたけど、それまでのやり取りが耄碌していても根っこのところがもうTHE・兼家って感じでさー!秒で地雷をガシッと踏むのすごいよね!

その耄碌兼家が誰を後継にするかで道隆道兼が揉めるんだけど、平安時代って長男が必ず後を継ぐとか決まってなかったのかな、指名制?

道兼が過去の自分が駒に使われたことを都合よく受け取ってそこを公任が持ち上げるんだけど、公任(父はこの間お亡くなりに)は数年道兼といっしょにいて彼のことがわからなかったのなら、頭の良さも宝の持ち腐れだったのかな。実資だけがちゃんと見ているのかも?

お髭が生えて偉くふるまう道隆が父を真似て市井を顧みない振る舞いをするのも、上級貴族の驕りが出て衰退フラグを見ている感じなんだな…

晴明は兼家に助言を求められてもふわっと躱したのが一番政治をしてるように感じました。アレだけしか出てないのに強烈な印象をのこしたなあ。来週も匂わせ発言するんでしょ。

 

詮子様は息子の妻になかなか厳し目な振る舞いをしているのは、たぶんもう生まれている彰子様(みんな訓読みで呼ぶからあきこ多すぎ問題)を入内させる目論見があるんだろうし、定子様は前は仲良く遊ばせていたけれど道隆兄上のことはムカついているから彼の出世は認めたくないから定子様が寵愛されるのは気に入らないだろうなーという、言外に含むものが大量に見られましたね。

 

どこも平穏じゃない中、蔵之介とまひろ、まひろと乙丸の絡みだけ穏やかだったかもしれん…などと思いながら、たまたま!数年ぶりに土御門殿に呼ばれたまひろが!邸内で元彼の道長と出くわしてしまう…!!!!!という、いっちばんひりついた瞬間で終わってしまいましたが!!

 

あのときの道長の顔、見た!!??

 

道長演じる柄本佑さんっていままでこの作品で何度もここぞというときの張り詰めた表情を見せてきたけど、今回も強烈だったねー!

副音声「ふたりの時が、止まる  …つづく(なんか余裕なさげな口調)」が良かった。

 

これこの続きからかどうかでまた違うから来週が楽しみです!!(こわい)