夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

「光る君へ」8話 感想

まず小麻呂、無事!ヨカッタ!

この一週間多くの視聴者を心配させた小麻呂の行方を一番にはっきりさせたの、そこまで視聴者の心を読んでいたのならNHK怖いですね!一週持ち越すことないじゃん!?

しかしこの作品ってちょっとした疑問点やざわつくポイントについて割とあとで説明してくれるところがありますね(前回まひろが打毬に呼ばれた理由はすぐ明かされてたし、直秀があっさり打毬に参加してた理由も明らかに)。

こちらの想像に任せる部分とちゃんと説明してくれる部分の塩梅がとても良いですね。

 

副音声を入れているとアバンの二人の様子の解像度があがります。

3回連続で道長に対する気持ち、スタンスを視聴者にアピールしてくるまひろ。文を燃やしたことで断ち切っちゃったらしいけどー?

 

打毬アフタートークの女子がマジで球技大会あとの女子のテンションで金田が眼中にないのと酸いも甘いも噛み分けてるはずの赤染衛門が直秀に注目してるのわかってんなー!と私も女子トークに参加している気持ちに。

倫子様の変化に気づいちゃうまひろ、赤染衛門の自由な言葉に天啓を得る?

 

男子側は最近見つかった弟と道長の探り合いも交えながらのキャッチボールの画が美しかったけど最近見つかった弟の狙いは透けて見えるし、道長の球は牽制球だろうしで全部が切ないし嫌なフラグが立っているとしか思えない。詮子様の居場所を探ってたあたり、散楽でも詮子様をdisってたのも含めて狙いやすいからか含みがあるのかわからん。道長のことは狙いたくなかったのか、都を出るということで最後の大仕事に選んだんだろうな、左大臣家にはもう入っていたし。

後日も祝勝会?に呼ばれたことにそういう伏線があるのがきっついわあ。

 

直秀、道長のフォローをしなかったけど話の内容のくだらなさはまひろとの間で再認識することになったな。都を出ることを誘っちゃう直秀のあとの表情最強だったな!いい毎熊さんでした…!

 

道長の婿入りの外堀が埋められていく中でいまの道長の官職が佐殿なのでキャッキャ云うておりました。

左大臣家の会話が平安風アットホームで面白い中、源雅信に詮子様のトラウマが食い込んでいるのと、赤染衛門におっとりと嫉妬する穆子様が倫子様のDNAを感じるとこ、ここでもいい脱走をする小麻呂、自分に優しい両親にはでかい声を出してしまう倫子様、その演技が素晴らしいおそろしい子黒木華さんといろいろ呑気に楽しめましたが、ちゃくちゃくと、ちゃくちゃくと外堀があああぁぁぁぁ

本当に黒木華さんうまいよね、いい顔する…私あんなに「まんざらでもない顔」ほかで見たことない。

 

986年(西暦すぐにつかめなくなるからメモっとく)

いい気味言う花山天皇の表情がマジでいい気味でその後よしこを思って泣きそうになるの情緒不安定というか心が表に現れすぎ。うつけのふりをしていたのになあ

父親が倒れても感情が揺らがず冷静に自分の兄弟に現実を知らしめる詮子様、マジで兼家に似てる。自分のカードをチラッと見せてこの方も外堀を埋めにくるの。

自分の権力は父親には及ばないとわかって不安が走る道隆の表情も良かった。

とっとと呼ばれた安倍晴明、やることが不審でどこまで兼家とつながっているのか切れているのかがわからない加持祈祷も胡散臭いものにしか見えないの、ここ面白かったなー!全部が茶番に見えるし、もしかしたら安倍晴明の法力かもしれないとちょっとだけ思っちゃうし、そのへんの怪しさがユースケ・サンタマリアさんだから信用できない感じがいい。よしこさまの名前を聞いてマジでビビる道隆、なんも知らなかったのにまた家族の悪事を知ってしまった道長。家族ばかりだからって口を滑らせるのどうかと思うよ…

私、頭の中がふざけてるから「お前の名は!」で前前前世がかかっちゃったよね。

それはどうあれ、安倍晴明の言動がどこまで独自のものなのかなー!

そんななか、右大臣家と手を切っていて良かったねえと言っちゃう惟規を諌めるときには為時パパは兼家がまつりごとの名手だと言ってるの、わかってるくせにうっかり巻き込まれてるほどに兼家が名手なんだよね。

ところでこのまひろの弟、彼は砕けた話し方というか現代っぽい話し方をするのが前から気になっていて。それだけ幼さがあるのかもしれないけど愛嬌もあって好きです。

派閥を乗り換えろと促す弟にそういうことに心を砕きたくなくて学問をしていたいだけなのよと諌めるまひろ、それを真の理解者を見つけたような表情になる為時パパ、こっちのホームドラマは滋味があるなー

 

道兼にだけ目を覚ます兼家こわい。しかもなんかほくそ笑んでる。

そのあとすぐに道兼が為時に会いに来ているからこれは、2周目を見てるからわかるけど、入れ知恵したな…!!!たぶん!

為時がお人好しなのを見越して被虐待をアピールしたのかなあ!?そうだろうなあ!!

道兼、可哀想ではあるけど1話からサイコパスみもあったからどこまでマジかがよくわからんながら、被虐待は確かだとも思うの。可愛がられてない。

明らかに(下級)貴族の女性とわかっていながら殺したうえで「虫けら」扱いした道兼が下級貴族のボロッボロの家を訪ねてくるのも本当は胡散臭くない?

親しみを感じたとか追い詰められていたようにも見えて、本音がわからない。あとで冗談交じりにつまらんかったわーとか言ったら全視聴者敵に回すだろうな。

ここから対峙する道兼とまひろのシーンがめちゃくちゃ緊張したのにこれで終わらないから今期の大河こわいのよなー!

恨み節を琵琶にぶつけるまひろが呑気に気遣う道兼に母について語るシーンはマジで手に汗握ったんですけど、硬いとはいえ大人の対応をしたまひろの心の隅に道長がいたの、道兼は道長に足向けて寝られないよね、本当だったら琵琶でぶん殴られていたよ

五節の舞姫のときも道兼を告発しようとして踏みとどまったの道長がいたからだしね。

 

史実ではまひろの子が道兼の子と結婚するので、このドラマ的に見ると「どゆこと」案件ですよね。

 

琵琶のシーンの吉高ちゃんの顔が凄まじくて、声のゆらぎも見事でした。

私、実は吉高ちゃんはイントネーションが現代っぽいし叫べばセリフに全部濁音がつくしで平安貴族役はどうなんだと前は思っていたのですが、表情に見入るし仕草も言葉にしなくてもわかる繊細さがあって良いですね。前回の打毬で道長を見てるようで見ないふりをするために小麻呂をなでてごまかす仕草が良かったですね。

 

道兼に気持ちを振り回されるのが嫌、って自分の心の折り合いの付け方がすでに大人、道長に対してもそういう気持ちなのかも知れないし、源氏物語で女三の宮関連も踏まえて疲れちゃった紫の上に通じるのかもしれないね。あの作品、大概男にうんざりする女性がよく描かれている。

こちら、ぼちぼち読んでいるのですが古文と現代文の間くらいの文体ですよ。

 

道兼が花山天皇に近づきになるのが為時パパのおかげで兼家の狙い通りっぽいところ、今後の展開につながるところなど虚実が混ざってるだろうにそうだったかもしれないと思わせるあたりが本当にうまい。すごいタイミングで目を覚ます兼家、デスノートの月の「狙い通り」の顔がよぎりましたよ…

 

私はこの時点で残りの尺に余裕があるのを不思議に思いながら、前回の次回予告で捕縛された盗賊たちを見たなと思い出します。

クライマックスはまひろvs道兼じゃなくて、こっちでした。同じ月を見ていたまひろと道長、そこをぶちこわす盗賊と武者。前回の荒々しい武者たちも伏線だったんですね。

目をむく道長、泣きそうに顔を歪めて「つづく」(副音声むちゃくちゃいい声…)

 

次回予告で早速BL!?と一瞬目を剥いたあと、そーいえば今回実資出てなかったな!と思い出させてくれたり、そこからのもう不穏でしかない中で今回直接絡みがなかった主人公二人が急接近するのはほかでも見ているところなので気になるところしかない!

出るときは予告から知らせてくるスタイルかもしれん、実資!

 

今回も面白かったしハラハラした気持ちでまた一週間を過ごさないといけません。

とりあえず小麻呂は大丈夫ですが、今度は直秀!どうなるんだ…