夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

「光る君へ」11話「まどう心」感想

今回も情報量はやたら多くて時間が過ぎるのが無茶苦茶速い。高速平安時代

986年。

 

2話ぶりのF4勢揃いでキャッキャと浮足立ち、行成の仄かな矢印にニチャアと笑う我BL大好き。なにかがあったと察する行成(副音声の代わりに私が解説)。

「聞かないほうがいいよ」「もう終わったことだ」これが上流貴族の処世術☆

 

まひろがなりふり構わず父親の就職活動に動くんだけどこの辺ラノベ平安時代っぽいなー。そこで正直に現実を突きつける倫子様の誠実な忠告を聞かずにぶつかっていくのもラノベ主人公っぽい。

が、ここで兼家がわりとちゃんと真っ当に現実を教えるの、底意地が悪くて慈悲がないけど門前払いを食らわせるよりはちゃんとしてる。兼家忙しいはずなのによく会ってくれたよね。良くないのは自分の仕事を完遂できずに帝を情け心をかけた為時パパなんだよねえ…まひろも為時も政治がわかってないんだねえ

 

自宅でまひろを見かけて隠れちゃうの、この振る舞いが終盤のアレをちょっとだけ予感させる。秘密の関係であり、自宅内では顔を合わせられない気持ちから体が勝手に動くんだね。

 

そして道兼がまひろの母を虫けらと言ったように父兼家は娘を虫けら扱い。

とことんヒールなのよね、見方によってはおもろいんだけども。

 

蔵之介(SNSでも宣孝と呼ばれずに蔵之介と呼ばれがちなのおもしろい)とまひろの軽妙なやりとりが面白い。後々結婚するらしいけどなにがどう起こるんだこのふたり。

妾になるのは抵抗があるのがここでも見えるけど頭が良いだけにプライドもあるよなあ。

 

前回の逢瀬を思い出すまひろの部分は副音声付きで見るといいよ!!!!!!!

 

道長が弓の稽古でおもっきし外したところを撫でる百舌彦かわいいよね。

花山院からの践祚によって内裏の様子ががらりと変わったことが藤原兼家中心に語られるけど私が注目しちゃうのは道綱ですね。妾腹なので前回も汚れ仕事をやらされそうになったり、兼家の荒々しい謀に心底びびったりと正妻の三兄弟とちょっと雰囲気が違うのをいきいきと演じる上地雄輔さん、私は松坂大輔選手とのバッテリーのイメージ以外はなにをやっても妙に売れる器用な人だけど私の興味のない分野だったのでピンとこなかったんだけど、ここでこれほど魅力に感じるとは。ただし実資からはアホの子扱いされているっぽいけど、ドラマではどうなるんだろう。ちょっとアホの子っぽいけど可愛さのほうが増し増し。

 

それとなく暈されていたけど高御座に何があったかは副音声が丁寧に教えてくれました。おっそろしー。(よく見たらはっきりとお子の鼻筋とか見えたな…)

安倍晴明によって呪いは眉唾ものという印象があったけど花山院の呪いでいいのかしらん(よしこの死も偶然なのか呪いなのか、呪いを確実にするためになにか作為が働いたのか)。

血で汚れたところを袖で拭ったときの淡々とした口調で「汚れてなぞおらん」言う道長、友達をその手で葬った時点で穢れなど恐れない人になってしまったのだというのを見せるのだけど、そんな経過を知っても褒めて済ませちゃう兼家マジで兼家。

 

転がった花山院の数珠が北斗七星を描いているんだけど一条天皇の装束にも北斗七星が描かれていたのとかなかなか象徴的。こっちの権勢のほうが強いってことかな。呪いを跳ね飛ばしたと。呪うなら一条天皇じゃなくて兼家と道兼じゃね??

 

そこからのー!いずぽやと菊様の前世の姿みたいな並んだふたりが可笑しい。これ待ってた!

伊周がふんわりした父親より怜悧だけど生意気な印象で、その横にいた定子様が後々高畑充希さんになるのがごく自然な気になるようにちょっと雰囲気が似ていて賢そうなのがいいですね。

そして宴をハブられた道兼が大人気なく拗ねるので兼家がとっととリップサービスをするのだけど道兼って花山天皇を騙すのはうまいのに父にはすぐに騙されるチョロい子なのどうなの…宴をハブられるあたりもとても道兼という感じ。

 

倫子様がターゲットロックオンしてるのをキャッキャ笑ってるまひろという構図を見て視聴者のわたしは((((;゚Д゚))))ガクガクブルブルしてるんですけど…

それにしても毎度毎度物語に潜んでいる行間を言葉にする要員赤染衛門、美しいなあ。

 

召使を減らして家事をし、写本という内職をする、できることはすべてやろうとしているのが偉い…そりゃあ額に汗して仕事をする姿は美しかろうよ。自分の家ではそんな女性は自分の立場では見ないだろうから余計新鮮なことであろうよ…

で、乙丸から怒られるという。乙丸、百舌彦とちょっと打ち解けている感じも匂わせていて面白かったですね、ここ。怒っちゃう乙丸本当に立派なんだよねえ。ずっとまひろについていてほしい。

乙丸に頭を下げるような、当時の上級貴族とは思えないほどの真っ当さもあるんだけどなあ…

 

で、ここからの謎のエレキギターよ。

昭和的渋さを感じちゃう。なんでこの劇伴なの…?どういうチョイスよ。

 

逢瀬でのやりとりは私的に「あいたたたたた!」って思っちゃったけども、ここでこうやって拗れてどうやれば妾にもならず結ばれない関係になっちゃうのか、ここから先の捏造力というか筋書きが気になる。

ラストで兼家に末っ子道長がお願いした内容、絶対まひろにとってろくなことではない気がするんだな…で、先に源明子様に婿入りするらしいって史実ではなってるんだけど、さっそく何かが動き出しそうな予感がしますね。

あーーーー怖い。人の首が飛ぶより怖い恋愛模様ってどうよ。

 

北の方になりたいって身分上の野心じゃなくて道長のオンリーワンでナンバーワンでいたいということなんだろうけど、まひろが促すから政治的に高みを目指さなくてはいけなくなった道長は自分が出世をするためにはまひろは北の方にはできない、身分の高いどこかの姫君を正妻にしなくてはいけなくなったというとてつもないジレンマにブチキレちゃう。

出世とはそういうものだと現実を見て知っている道長の閉塞感、まひろも馬鹿じゃないからわかっているはずなのに割り切れない。ここからすれ違うにしてはなんか一悶着はありそうなんだな…?一番好きだけど北の方にはしないって後に書かれる名作のフラグですよね!!!あれキツいんですわ、あそこでもう光の君めっちゃ嫌いになったもん。

 

道長、なんとかリカバリしてほしいけど史実的に無理があるのでまひろの彼氏としてはもうダメなのかしらん…

そういえば道長、為時パパが先帝に尽くした真面目な役人だったというのは知ったけど兼家の間者だったのは知ってるんだっけ?どうだったっけ?

 

それにしてもあのエレキギターなんだったんでしょうね。

 

はー…

 

つづく。

エレキギターがかかった逢瀬を見たときのわたしの様子