夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

「光る君へ」 9話 感想

いやあ…わたし、実は毎熊さんと同郷なんですよ。年齢はぜんぜん違うので接点とかないんですけど。

それもあって毎熊さんの活躍は心躍るものがあるんですけど、それがなくても直秀は魅力的で、なんだか不穏な予感がするだけに余計眩しいものがありました。貧しい庶民の役だから体を絞り、儚さがどこかしら漂っていてたまの笑顔は守りたかったなあ。

はー…明日から物忌で方違えじゃな…寂しい。

 

986年、全体の感想から言えば前回、初見では騙され、2回目でこれは…!と薄々感じたものが種明かしされて、もはやホラーより怖い兼家&晴明のバディ。詮子様と道長ドン引き、キトキトする道隆、あのときの4人の表情、4人の人間性が見事に出ていたな。

そしてやっと兄弟を出し抜いたとドヤ顔の道兼、あの、なんで脱いでたんですか?その流れありました?

傷を見せてもらっていたんだろうけどさ!腕だけでいいじゃん??

体を張るがダブルミーニングに感じていけないのよー!別になにもないならないでいいけどもー!花山天皇が雅やかなのでお耽美なのよー

 

嫌な予感が漂う雰囲気の中、百舌彦と乙丸と小麻呂(ぬいぐるみ)が緩衝材になっている気がしますね。百舌彦のモノマネ見た?めっちゃ走らされたあとの乙丸の息切れしてない感じ、実はスペックが高いのではと気になった(ずっと前にぶっ飛ばされて伸びていたけど)。

道長とすれば見送りと称してあわよくばデートしたかったのもあったのかもしれないのよ。捕まったところを助けてちょっといい雰囲気(いやまひろわざと素っ気なくしてたけど)だったし。付け届けをあげたから大丈夫!家族もそういうことをやってるし!って油断しきっていたんだろうな。

それがさー…

 

平安貴族は人の遺体を避けるべきものと扱っていたというちょっと前のナレが響きますよね。道長もまひろも友人とその仲間の遺体を自分たちの手で埋葬して弔うとか本当ならありえない。でも自分たちの意思でやったんですね(「あさきゆめみし」で紫の上がお亡くなりになるときは光の君がずっとべったり一緒にいたし夕霧はご遺体を見て泣いていたけどあれはしきたりとか無視してたのかなー。原作でもそうだったんだろうけども)。

 

そして自分が余計なことをしてしまった、付け届けを曲解されたのか面倒だから殺したのか、まだまだ世間知らずであったことが身に沁みて号泣する道長に私ももらい泣きだよ。付け届けをもらった検非違使の表情が食わせ者っぽかったの、このままでは済まない感じがもう出てたものなあ。

どこまでも心が広い道長は自分の悔いもちゃんと自分で認められるのところとか本当、好きなんですよ。

帰っていくときの呆然としたドロドロの二人の姿が印象的(ちゃんと紳士の道長、ここもポイント高い!これ、お馬のためもあるんですかね。勾配がきつくて足元が悪いから大人二人を乗せて歩かせるのは負担とか?)でした。

 

あの「まだ間に合う」の動画で「余計なことをした!」と泣き崩れてる道長は見ていたのですが、その時点でまさか散楽皆殺しとかー?それ以外取り返しがつかないことってあとは左大臣家の婿になるくらいだよなあと思っていたんですが、前者でしたね。

 

で、衝撃を受けている視聴者の私を放っておいて、出家せえ!と進言する晴明、大学じゃなくて小学校に行くの?ってくらいの惟規を見送りと気持ちの浮き沈みの激しいまま次回予告、出家に対して暗躍する兼家と息子たち、源明子出た!そして「まだ間に合う」で見たバックハグきましたーーーーーええええええええ?って思ったんだけど、やっぱり直秀ロスでまだそこを凝視するまで行っておりません…

 

今回の少女漫画ポイントは巻き込まれて捕縛されたまひろを通りかかった道長が救うシーンとか。三郎と呼んでくれ、呼べないわとか。あとは鳥辺野のシーンすべてですかね。後者かなりかなり重たいけども、ここで二人はさらにつながりが深まりましたね…いやいやいやそのために直秀殺さないでよ…

 

あまりのアレなので、今回F4揃わなかったな、とか気づかなかったしご自分の出番がないのに金田さん今回は見逃すなみたいなことを仰られていて素晴らしいなといまは思っている次第です。

実資が思いの外癒やし枠で妻から日記コールされるのが面白かったんだけど、妻はこの年の初夏には亡くなっているはず…と調べたら、実資は花山天皇の女御やその姪も妻にしているので日記コールをしているのは名前がはっきりしていない人のほうみたい?

だったらまだしばらくこの日記ネタは擦られるだろうから楽しみです。

※桐子様今回で終わりっぽい。やっぱりこの年にお亡くなりになった奥様かー!!こんなに元気なのに。

 

いやそれより来週心配だし源明子美しくてなんかやばい予感するしで。黒木華さんとえらい対象的な人が出てきたなあ…あの人「大豆田とわ子と三人の元夫」に出ていて好きな顔だなあと思って見てました。

 

容赦のない展開でフルボッコにされましたが、これが頂点とは思わないので今後もすごいんだろうなあ。はあああああ直秀…遠くの国ってそっちかあ…

 

翌日。

ポツポツ後で色々思い巡らし、次回予告をめっちゃコマ送りして我が家の大画面(ってほどじゃないけどAQUOS)が4Kじゃないことを初めて悔やんだりしたんですけど(花山天皇が前科がありすぎて道長とまひろか花山天皇と物の怪よしこの夢オチかでせめぎ合う我と一部の視聴者さんたちー☆)、やっぱり鳥辺野のシーンがどれをとっても印象的で、直秀が掴んでいた泥を落として扇を握らせるところ、埋葬が終わってまひろの服が汚れたことを詫びて気遣うところ、どこも道長の人柄が出てるし直秀は無念だしでめそめそしてしまいますね。

まひろにセリフがほとんどなかったのも良かった。下手な言い回しだとヒロイン上げの演出にしか見えないもの。

道長にとって信用できる人がこれでまひろだけになったのかしら。

捕まってもなお「若君」に現実を知らしめて手心を加えようとさせなかった直秀かっこよかったなあ。鳥辺野で検非違使が立ち止まった後の凍りついた表情とか当分忘れられないですわ…

 

後日2024/03/05

なんで私は心づけを付け届けと表現するのだ…(意味合いは近いんですよ)