前から読もう読もうと思っていた作品をやっと読めました。
ぴったりの結婚相手と、
真犯人をお探しします!
スパイ活動のスキルを持つ頭脳明晰なアイリス。
人の内面を見抜く鋭い観察眼を持つグウェン。
女性コンビが仕事と殺人事件の調査に奔走!
お仕事ミステリ新シリーズ登場
1946年の戦後ロンドンで、ある女性たちが結婚相談所を設立した。ケンブリッジ大卒で戦時中にスパイ活動のスキルを得たアイリスと、人の内面を見抜く優れた目を持ち、戦争で夫を亡くした上流階級出身のグウェン。対照的なふたりが営む相談所に、若い美女ティリーが入会する。奥手だが誠実な会計士を紹介したところ、ティリーが殺され、会計士の青年が逮捕されてしまう。彼が犯人とは思えないふたりは、能力や人脈を駆使して真犯人さがしに乗りだす。魅力たっぷりの女性コンビの謎解きと、人生を切り拓こうとする勇姿を描いた爽快なミステリ!
あらすじですでにアイリスがスパイのスキルがあるってのを書いているのは先に知ると面白さがちょっと減るからあらすじ見ないで読んだほうが面白いなー。あらすじ忘れたころに読んで大正解でした。
序盤はそれほどそそられなかったけれど主人公二人の背景がはっきりするに連れて物語が面白くなり、展開も二転三転してびっくりすることもあったし、カタルシスもあって最後はちょっと泣いてしまったな。
私はやたらとイギリス含む連合軍目線での第二次大戦ものを読む(見る)機会があり、空襲にさらされたり食べ物などに苦労するシーンをよく読んできたけどこちらは戦後について書かれていて1952年くらいが舞台みたい。うちの両親の生まれ年だけどその頃もイギリスは配給制だったのは初めて知りました。日本はどうだったんだろ(いまちょっと調べたら米はわりと長く続いていたみたい…専売制はあったよね)。田舎で裕福だった父とその両親はさほどなににも困った様子はなかったみたいだった。闇市の話も全然出たことないから全然認識がなかったわ…
戦時中の大変さはよく触れていたけどそれに対するものの見方、主人公たちの目線がリアルで読ませるものがありました。ただのミステリでは終わってない感じ。
戦中戦後って若くて健康な男性が激減するってだけでも十分に罪深い。残される人があまりにも多い時代でした。
元スパイの女性が活躍するミステリというと「木曜殺人クラブ」を連想するけど主人公アイリスがそのまま歳を取ったらこちらの作品に出るかもしれないね。
主人公ふたりとも違った魅力があり、結婚相談所なんて私にはどうでもいいビジネスをしている理由も私でも納得がいく。いま三作目まで出ているけどのこり2作も楽しみになるような終わり方でした。読んでよかった。