魔道祖師でも思ったんだけど、翻訳がめちゃくちゃうまい。あと「僕」「私」「俺」など代名詞の使い方が超適切。気持ちいい。(この後、翻訳を作家さんがリライトしてると知る。納得。ありがたい…)
【八百年、貴方に焦がれ続けた。】
仙楽国の太子・謝憐(シエ・リェン)は、十七歳の若さで飛昇し天界の武神となった。しかし、自らの行動が原因で二度も天界を追放されてしまう。
それから八百年後――。
三度目の飛昇を果たし天界に復帰したものの、今や謝憐(シエ・リェン)の信徒は残っておらず、他の神官たちからもはみ出し者扱いされてしまうのだった。
地道に信徒を獲得しようと下界で一人奮闘する謝憐(シエ・リェン)は、ある日、三郎(サンラン)と名乗る美しい少年に出会う。行くあてがないと言われ共に過ごすようになり、慕ってくれる彼と仲を深める謝憐(シエ・リェン)。だが、なぜか天界や鬼界に詳しい三郎(サンラン)には秘密があるようで――?
Amazonのレビューで序盤から進まないとボヤいてる人おおおおっ!
いますぐ終盤を読めぃ!ぜってー死ぬから!(息切れ)
あーーーーおもしろかった。
この作品を読むにあたり、前作である「魔道祖師」とどっちがいいのか、どうなのか、若干の心配があったのですが、杞憂でしたね。
全然別物ながら、甲乙つけがたいほど面白く、各々のエピソードとキャラクターの活躍を思うとこちらのほうがリーダビリティが高い。
2回も天界を追放された仙人が3回目に天界に戻って奮闘しようとしたら鬼でも最強の部類に入る人が事あるごとにそっと助けるのですが、まー何かあって謝憐のことが大好きなんでしょ?花城は。
助け方もいろいろ謎めいているんですが、いちいちワクワクするんですよね。
装画は作中にあるシーンなんですが、これもまさにちょっと助けているのですがシンプルには助けないので読んでいるこっちがときめく。
終盤の賭場のシーンがすごく面白いのですが、読み終わると体温上がって手のひらが熱くなっておりました。めっちゃ興奮した…
BLの要素はめちゃめちゃ薄いはずが、賭場で観客(人外だらけ)が見守る中、サイコロの入った壺を二人で手を重ねて振ってるってだけでなんかめっちゃ興奮せん?
花城はめちゃめちゃ華やかでヴィジュアル系なんですが、バックボーンも実力も強烈そうで怖さも秘めているところがゾクゾクさせるというか、こう例えるのは嫌なんですが、ヤクザの組長みたいな怖さがあるんですよね。誰にも本心が見えないながら謝憐のことは大事にしようとしているのが判るのでなんでなんでと気になるんですよ。
魔道祖師の藍忘機は現在軸での振る舞いの理由はめちゃくちゃわかりやすかったけど、花城はまだわかんないからな、1巻と2巻の帯のキャプション以外では。
身につけているもののいろいろに意味があるしなんなら茣蓙で同衾しているときの会話に出てくる「自分のために生きて」って殿下が言った相手も花城なんでしょ?わかるってーーーーーー(ニヤニヤ)
謝憐を補助する武官ふたりも何故助けようとするのかがまだ謎だし(わかっちゃった…彼らは彼らでなんかすごいな)、終盤で仲間になった人たちは面白くて魅力的だしで素敵な予感しかないまま2巻に続いて、来週中には手に入るのが嬉しいのですが、どこまでわかるのかなあ…
しかし主人公が徳を積むシステムがなんだかアクトレイザーだと思ってしまったのは私がゲーマーだからだろうな。
ホラー要素が強いのもこの作者様の特徴なんでしょうけど今回もその要素が強かったのですが、なんだろうなあ、花城の雰囲気とかのせいか、急に「ハウルの動く城」が見たくなったな…あれもスパダリのクソデカ感情が判明するやつだった…
今回の主人公、謝憐は神様、仙人だけに恋愛感情がいまのところ激薄のイメージがあるのがどうなっちゃうのかも心配と楽しみでな…今回のキャラクター、好きなんですよね。めちゃめちゃ不運でそういう自分を自覚しながらたまに自虐するけどあっけらかんとしていて、可愛らしい。なかなか悲惨な目に遭ってきたみたいなのに打たれ強さがハンパない。確かに天使神谷浩史っぽい声しそう…彼は天使だからなあ(わりと本気)
それと少年らしい声とめっちゃイケボが出る福山潤さんが花城なのもいいキャスティングだなって。
アニメ公開時は全然ピンとこなかったけれどいまは見る気満々です。
2巻が出る直前にハマってよかった。これからが心配だけど、なんとかやり過ごす方法を考えないと…また沼にハマる…
姿がいろいろ変わっちゃうところ、とんでもねー力を持っているところ、指輪、なんかハウルを思い出しちゃった。
2023/02/20 後日、2巻を読んでアニメも見た上で改めて読み返していて気になるところがいろいろあったので挙げてみよう。
花城が楓の色の衣装を着ているのはかつて謝憐が過ごしていた皇極観が至るところ全て楓の林でその赤さを反映しているのかも。
心に決めた人に骨灰を託すという下りはもういろんな部分で触れたけど1巻の時点で謝憐にあげていたのよね…
三郎が自分の身の上を話すときに「喧嘩しちゃって家を追い出されたんだ」と言うのは紅紅児も同じことを言ってた。
「ずいぶん長いこと歩いていたけど、行く当てもないし。今日はお腹が好きすぎて道端で倒れそうだったから適当な場所を見つけて横になってた」
というセリフは、2巻まで読んだ読者の私が意訳すると
「800年生きてきたけど(あなたがいなかったから)行くあてもないし。今日はあなたに会いたくてたまらなくて気絶しそうなほどだったから、あなたに会えそうなところで横になってました」
って読めるんだよね…考えすぎとも思えん。しかもお腹が空きすぎると言いながら饅頭を差し出されても最初は「そんなにお腹が空いていない」って断るし。空いてるんか!空いてないんか!」って。殿下に会えたから人まずは満足って意訳するぞ!?
謝憐が三郎を占ったときのセリフは花城の本質を捉えているしハッピーエンドを暗示していて素敵。実は才能あるんじゃない?
それに対して結婚運を占ってもらおうとする三郎ーーーーー!!!!殿下との相性占いでもよかったんじゃない?
三郎が謝憐の呪枷を見るときの目が不思議なのでいつかわかるといいな♪
三郎の入れ墨はガチめの信者の証でびっくりしたー。ジョニー・デップが「ウィノナFOREVER」って彫ったの思い出した。仙楽太子じゃなくて名前を彫っているらしいという噂で、神格がある彼じゃなくて彼自身に惚れ込んでいるのね。
南風と扶瑶が三郎を怪しむのに対し、「私は彼とかなり気が合うから」いじめるなって忠告している殿下…!!
そこからちょっと飛んで罪人坑に落ちて花城にお姫様抱っこされてる殿下が手探りで花城の喉仏に触れてしまって「なんという罪なことを」と思っちゃうの、喉仏ってそういうものなんだ!ってドキドキしますね。
そして降ろしてと言っても降ろさないのは殿下が汚れるからだと知らされてトゥンクしてる殿下!!
今日はここまで。