夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

天官賜福3巻(日本語版) 読んだ人にしかわからないネタバレありメモ代わり感想 61章〜67章(3巻終了)

いよいよクライマックス間近ですねえ。寂しい。

61章

花城がノリに乗ってコスプレしてるんですが、殿下のフィルターを通したら相変わらず絶賛なんですよね。裴茗に言ったセリフは花城からしたら全部録音して永久保存したいんじゃないかしらん。花城がどんな表情をしているか描写はないけど見てみたい。

 

面白い顔ぶれで人命救助をすることになったのですが、裴茗が安定の裴茗なので全員が引いてるというくすぐりがありながら付け合せのように必ず殿下は花城とニコイチの描写を忘れない。裴茗って私の中で痛々しいイケオジなので私だったらああいう待遇はただのセクハラだと思ってます。が、裴茗も立ち位置的に風師どのと同じで殿下と花城の仲がどんなふうに見えるかを読者に教えてくれる立場なので絡んでくれるのは嬉しい。

 

殿下と絶対饅頭食べたいマンの花城と分け合うたびに二人の距離感が縮まっていく気がするのが好きです。

 

62章

殿下の、心のなかで戚容をふつーにナチュラルに貶めてるところが気持ちいい。すごくシリアスで切羽詰まった会話の中でも戚容が貶められてる。

殿下のわからないことはだいたい花城が教えてくれるけど、たぶんそれじゃいけないと思って必死に巻物の中身を頭に叩き込む殿下ってそれだけで可愛い。

 

今回の人命救助の内容からして本当は飛昇してもおかしくないくらい花城は活躍してるんだなあ…

原書を読んだときにはここから終わりまでずいぶん長いような気がしたんですが、日本語版を見るとあと100ページ程度なんですよね。その間にあなた、あんなことやこんなことやそんなことが起こるの?これ端折られれてない??って心配なんですが、たぶん大丈夫です。余すとこなく読めるはずです。

 

裴茗のお兄さんムーブいいよね…兄貴ヅラしていてもいまいちかっこがつかないあたりがね。日本語吹き替え版だと諏訪部順一さんで、いまのところめっちゃキメキメであるだけにここから先の裴茗が見たいのでアニメ化希望。

 

地師の武器に関するツッコミが一回一回面白いのがなあ…なあ?(読んだ人にだけわかる問いかけ)

花城がすっかり殿下に守られる気満々なんですが、むちゃくちゃ強いくせに…とニヤニヤせずにいられない。そして殿下が特に法力を使わなくても強いんですよ。剣を使わなくても、半ばプロレス。そんなかっこいい殿下を間近で見られてよかったね、花城!

 

黒水の海の特性に強い花城に切なさを感じながらも、殿下は別のことも思い出してしまうわけで、情緒が大変になっているときに花城が本性を表してそれまで殿下の影に隠れていたのに舌打ち一つでね!

骨龍のすり寄り方が先日私がティアキンでキングギドラにちょっかいかけたらとんでもねー返り討ちにあって慌てて逃げる私のようでした。圧倒的小物感。

 

いよいよ黒水島ですが、打ち上げられた殿下と花城、気を失ったきりの花城の安否を殿下が確かめるところがまた描写が面白いんですよね。すごく駄目なアフィリブログみたい。「調べてみたんですが、わかりませんでした!(体つきが素晴らしい以外)」

ここのあたりのくだり、墨香銅臭先生のあとがきを読めばまた違うんですが、原文で読んだときにはなんてベタで素晴らしい!と思ったのでありました。

 

63章

小花のすがたの花城なんだなあと思い巡らしながら読んでいるんですが、だからこそ花城がわりとおぼこい反応するのが可愛いですよね。

もうまさに(´・ω・`).;:…(´・ω...:.;::..(´・;::: .:.;: サラサラ..こんな感じのおふたり。

こういうとき花城がただの信者に戻って「殿下」呼びになるのがまた、おぼこいね!

花城が他のやつにはしないように、逆に死ぬことになる(てゆーか殺す)ってシーンが好きです。

 

棺桶を作りましょうってくだりになるのですが(何も知らないでこのブログを読むと本当にわけわかんねーな)花城と殿下のやりとりが切ないですよね。

そして棺桶を抜群のコンビネーションで作ったあとの腹ごしらえで…

私は、藍湛が頭をよぎりました。

でもごめんね、おいしそう!食べたことあったかな…カエルは食べたことあるんだけど。

 

男性二人でも着ているものは脱がないという抑制の効いた関係性なのがすごいよね。ふたりともおぼこい。800歳以上の年齢なのに…

 

殿下、まったくどうでもいい瞬間にぶっこんでくるくらい「金枝玉葉の貴人」を気にしてるの可愛い…可愛い…殿下、全部ブーメランなんだよ…

大体全部を知ってる読者の私は悶絶するやりとり、いま黒水島でえらい目に遭っているとは思えない。

 

花城の「訳」はいろいろと思い浮かぶんですが、確かに単に話し合うだけではなにも解決しないからじわじわと関係性を築き上げていくしかないんだろうな、割と強引な出会い方をしてそれからなるべく離れないようにしていくにしても、簡単にはいかないんだなとは思います。相手が殿下で、いろいろありましたからね。

だからってなー…ははは(なにかが頭をよぎった坂田)

 

この気まずいけど距離が近づく会話、大好きなのでまた読もう。2巻の戚容がいた洞窟でのやりとりと同じで、二人きりの会話って実りが大きいんですよね。

 

出来上がった棺に関しては、あとで裴茗からもツッコミが入るんですが、私も読んだ当初に思ったもんでした。

まあ、それは裴茗に合わせてやるので、スケベ棺桶を楽しみましょー

 

花城が本来の姿にもどったり謎のなにかに棺桶自体が襲われたりと忙しないなかで殿下は花城の喉仏が好きやなーと思ったり、殿下の殿下が反応するほど相当な絡み合いをしたのが日本語になるとまあやたらと鮮明になるのですが、すったもんだが過ぎた笑

 

裴茗のツッコミ「どうしてもうすこし大きく作れなかったんですか」ほんとそれ!!!本当!!!それ!!!!

殿下は花城を守りたいけど気まずいから袖だけ掴んでるってのが逆に可愛い仕草ですよね!

 

なにもないはずの水面に建物がってくだり、ドラクエかなにかであったような仕掛けで好きです。

 

64章

法力を分けるなんてね、腰をちょっと叩くとか手を握るくらいで十分なんですよねー(棒読み)

自分から窮地に陥りに言った水師が殿下の武神のちからを頼る瞬間、これまでの傲岸不遜を思うともっと遜れよと思ってしまう。一応殿下への態度はマシにはなったけど…

 

幽水冥府に入って骨灰の話しに触れて花城との会話を思い出す殿下、なにかにつけてこれまでのあらすじを思い出す殿下、それが恋ですよ。

 

裴茗の扱いが悪いのは物語的にもだけど、友達からもそうなんだな。

縮地千里って便利なもので、パッと場面転換が出来るからさっきまでのおぞましい雰囲気が一気に無くなるのがすごい。

 

名探偵謝憐が事実に気づいたときにまず花城を配慮するところが大好き。安直な話しだと花城が怒られるはずなんだけどそうはならないのがこの物語のいいところですよ。

 

名探偵謝憐が風師どのとややこしいことになって以降、真実が明かされるんですが、「ああそうでした!そうでした!」っておぼろげだった部分が思い出せました(その前後がすごいから、重要なのに頭から吹っ飛んでいた)!

つまり、ワンオペよ。一つの目的に向かってワンオペすげーなって。

しかしなんでこのタイミングなんだろうな…って原文で読んだときも思った。よりによって殿下が絡むときに。殿下の運が悪いことに尽きるのかな。

 

65章

名探偵謝憐のたどり着いた事実を説明してくる間、私はちょっと前に地師を地面にめり込むほどぶん殴った花城を思い返しておりました。

花城かっけーなー…

どれだけミステリを読んでいても謎解きの解かれる部分がそんなに理解できたことがあんまりない私なので、真相の時系列がよくわかってなかったのですが、それよりも花城がどこまで関わっていたのかが気になったり。

 

そういえば明儀の日本語吹き替え版って内山昂輝さんが演じてるんだよなあ…知ったときに大きなため息をつきましたね。ここまでアニメ化されるなら、そらあそらあ適任だろうと。

でもアニメにしたらこの辺ものすごいホラーだろうな。

 

水師はものすっっっっごく弟思いだったのと偉そうな性格だったのが徹底されていたのは原文を読んでもわかるところだったけど、賀玄の怒りと苦しみは日本語のほうが非常に伝わってくる。

自分の前に姿を表すなと言ったのは裏返しなんだろうなあという気がする。

窮地にさらされながらも水師はどこまでも水師で気が強い…結局風師どのには悪いようにならない折衷案が選ばれたような気がしました。わたしには。

 

いやー…地獄。

 

なのによ。墨香銅臭先生の作品て主人公が別人の視点になって事件の動向を見守るシーンが時々あるけど(たいてい地獄描写)今回もそうで、そこから引き戻されるやり方がとんでもねーので地獄の惨劇から一気に私はお花畑なんですよ。

この落差よ。

 

お花畑with戚容

 

何も知らないでその様子だけ見たらそれはそれはもう、素敵なシーンであったことでしょう。

 

地獄からお花畑へ、お花畑から裴茗太平洋ひとりぼっちへ…裴茗可哀想なんだけどここへ来ると気分が解れますよね。

 

ここでも権一真くんはただただ不思議ちゃんで可愛い。

 

菩薺観に戻った殿下が黒水沈舟の耐えた時間を思う時、同時に花城のことも思うのだけど、そこ大事だから気にしておいてくださいね!

頭から離れない「金枝玉葉の貴人(だからそれね…)」!

 

66章

上天庭の様子はサラッと流すとして、裴茗の「あなたの血雨探花」というセリフにニチャアとしたり。

殿下のいない間も小花は役に立っているというのがなんともいじらしいでしょう。

そこからトントン拍子に戚容のせいで?全員で鬼市へ行くことになったのだけど、戚容のためというよりただのデートでは?って流れに自然になっていくのがいいですよね。だって目的全部配下に丸投げしてるもん…

殿下はもらった供物を鬼市に振る舞うという出来る妻ムーブを見せたり、その後交わされる会話は付き合いたての恋人じゃなくて仲睦まじい夫婦みたいでね。

 

花城はひとりの人を思い続けることをアピールしてあわやまたも金枝玉葉の貴人について触れるのかと思ったらそこを回避した殿下。そしてその途端に花城に異変がね!いよいよクライマックス。クライマックスは水師の件じゃなくて67章ですよね、まさに。

 

67章

ここで花城のセリフが全部信者口調になるのがいいですよね…!

谷子より花城を選んだのかと思ったのですが、成り行き上そうなったって感じか。私はそっちでも大好きなんですけどね。でもこの先も殿下は花城を選び続けるんですよ。そういうところが大好きです。

 

「離思」のくだりが作者先生の知性と粋が爆発してますよね。とてつもなく色っぽい。

読み込めば読み込むほどすごい描写が続くのですが、日本語で読んで、ほんっっとうに良かった。

そうかそうか。

そうなのかあ…(天を仰ぐ坂田)

 

あーすごかった。やっぱり67章はスケベです。

 

4巻に向けて読んだ人にだけわかる話

67章の終わり方、気まずいでしょ?殿下は誤魔化したけど。

ここから、激萌えの展開から新たな事件が起こるので乞う、ご期待!私はこの続きの展開が大好きなんですよ!!!

 

見事に巫山が赤く染まる離思のシーンですよね!