2019年12月4日にテッド・チャンの待望の最新作品集「息吹」が発売されると知ったのですが、よく考えたら「息吹」ってアンソロジーに所収されていないか?って調べたら持っていたので読みました。
実は「息吹」に所収されているもののうち、「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」も既読。そしてこの度のSFマガジンで公開されたものも手配したのでその気になれば読む。

- 作者: アーサー・C・クラーク,ロバート・シェクリイ,ジョージ・R・R・マーティン,ラリイ・ニーヴン,ブルース・スターリング,ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア,イアン・マクドナルド,グレッグ・イーガン,アーシュラ・K・ル・グィン,コニー・ウィリス,パオロ・バチガルピ,テッド・チャン,山岸真,小隅黎,中村融,酒井昭伸,小川隆,伊藤典夫,古沢嘉通,小尾芙佐,大森望,中原尚哉
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2014/05/23
- メディア: 文庫
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これがね…短編ながらとんでもない読書体験になってしまった…
あくまで私的な話なんだけど、性癖と性癖の玉手箱やああああ!って感じ…
読んでいくうちに語り手と語り手のいる環境を知っていくんだけど、これがもう、私の想像を及ばないレベルで。でも理解していけるんだけど(あくまで私は)。
とんでもないセルフ人体実験の果てに恐ろしい事実に気づくのだけど、そこからの身の処し方、心の置所がとてつもなく美しい。
あまり詳しく書きたくないんだけど、私は否応なしに訪れる終末*1とか、まったく想像の及ばない生命体が活き活きとしている*2のが大好きなんですよ!その大好きが詰まっているんですよ!
冒頭あたりは「これの何処がSFでもかなり上を行くすごい作品なんだろ」って思っていたんだけどかなり上を行くすっごいすっごい作品なんですよ!
終盤近くの言葉が本当に私に語りかけているようで、特に多様性に関しては読んでいる時点で既に体感しているので書き方というか語りかけ方が丁寧で巧妙なの。
最後はでっかいため息をついてしまいました。
すごかった…すべてを理解したとも思えないんだけど面白かった…また読みたいやつだ、これは。