夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」(映画)感想

すごく好き。

経営するコインランドリーの税金問題、父親の介護に反抗期の娘、優しいだけで頼りにならない夫と、盛りだくさんのトラブルを抱えたエヴリン。そんな中、夫に乗り移った“別の宇宙の夫”から、「全宇宙にカオスをもたらす強大な悪を倒せるのは君だけだ」と世界の命運を託される。まさかと驚くエヴリンだが、悪の手先に襲われマルチバースにジャンプ!カンフーの達人の“別の宇宙のエヴリン”の力を得て、今、闘いが幕を開ける!

ミシェル・ヨー様がキー・ホイ・クァンと結婚していてアメリカでコインランドリーを営んでいる世界線もあるかもしれないな、と思えるほどに、ミシェル・ヨー様にしかできない主人公と世界設定で、中国系移民のご一家をめぐる果てしないマルチバースというスケールが小さいのか大きいのか掴みどころがないお話を大きな家族愛でまとめたお話でした。

なにも知らないで見て正解。思った以上にすごく良かった。

 

変なバカSFかと思ったんだけど現代の中産階級より下のアメリカで暮らす人たちの悲哀とか、アジア系移民の女性の強さとたくましさの裏側にある張り詰めたもの、強くて厳しい母親を持つアメリカ育ちの娘や同じように強い意識を持つ仕事に厳しいアメリカ女性の背景もバカSFに落とし込むとこうなるというような、とてもおもしろいSFになっていました。

 

バカSF部分というかアクション部分がしょーーもないのがまたいいんだわ。モザイクとか。犬の扱いは私的にはアウトだけどバカ映画だったら仕方がない。

 

こういう作品がアカデミー作品賞を取るなんていい時代になったねー…

ミシェル・ヨー様は彼女にしか出来ない役だったし、キー・ホイ・クァン助演男優賞取っちゃったけどどんなもんだろうと半分心配だったけど、立派になっちゃってぇ…(落涙)

だってインディ・ジョーンズとかグーニーズの頃から知っていて、一時期過去の人扱いされていたのも見ていたんだもの。俳優に復帰してよかった。ずっと頑張ってね!!

 

しかしそういう視聴経験があって、SFも大好きという私だからえらく感じ入ってるところがあるんだけどそうでなかったらどうなんだろう。

 

でもいい映画だった。ソーセージの指の世界も素敵だったし。大好きなジェイミー・リー・カーティスもいろんな面が見れて嬉しかった。

 

面白かったのが女優エヴリンの出演作の中にクレイジー・リッチがあったことですね。クレイジー・リッチのプロモーション映像が流用されていた。あの映画のミシェル・ヨー様、怖くて素敵だったなあ…

意外にこの人の映画をたくさん見ているのでそういう経過があってのこの映画は味わい深いものがありました。

 

この映画大好きですよ。満足感が高い。衣装も良かったし、渡辺直美さんみたいな娘役の人も良かった。