夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

23023 23024 凪良ゆう「憎らしい彼 美しい彼2」「悩ましい彼 美しい彼3」 感想

2冊一気に読みましたー。

3巻がすごかったから2巻どうだったっけ…とちょっと思い出そうとしています。面白かったんですけどね。平良くんの気持ち悪さに清居くんが歩み寄っていく話で。平良くんは基本歩み寄らない笑

 

清居くんがいいのは気持ち悪いと思うところはちゃんと思うし口にも出すところですね、自分に嘘をつかないし周りも騙さない。すぐドン引きする。

あ、そうだ。先輩女優のスキャンダルに巻き込まれてどうこうする話だった。あんなに急展開して面白いのに3巻のインパクト強くて…

 

私事なんですけど、私、この半年ちょっとで体重15kg痩せたんですよ。元々が数年前に半年くらいで10kg太ってそこから時間をかけて8kg増やして。その経過があるから3巻の話の流れが他人事じゃなかったような。

そうそう、そうやったら太るんだわって何回もうなずいた!

でも私はライザップを使ってないですけどね。

 

とりあえず2巻の感想を。

清居くんがいろいろ心のなかでぼやきながらも平良くんのことが好きなのとそこにしょっちゅう挟まれる平良くんの気持ち悪いポエムが面白くて!そのポエムに対するいなし方も含めてこの二人面白いな!ってずっと感激しておりました。

 

あのネガティブさ、絶対幸福量についての思考はちがうかもだけど、ロシア人じみてますよね。ロシア人は幸福が続くわけがないという思考を持ちがちだとか。私は四分の一ロシア人だからというわけではないと思うけどそういうところがありますね。

だから自分の恋愛がうまく行ったときとかは「あ、これは死ぬのかな」って思うので彼の思考ほどのへりくだり方はないけど意外に共感できる。

その気持ち悪さに共感できないながらも平良くんの凄まじい熱量の愛情をわりと普通の男の子として求めてしまう清居くんがずっと可愛い。まったく期待に応えないのに愛だけはある平良くんと取れてるようで取れてないコミュニケーションからのすれ違いでこじれるのも本当に目が離せない感じでした。

 

クライマックスでは二人がとんでもねーピンチを迎えますが、実際ありそうな話の畳み掛けで作者さんがSNSでの芸能人への誹謗中傷にめっちゃムカついているのまで伝わってきましたね。私はムカつきを通り越して、私のSNSからそういう奴らを滅ぼしましたけどね。芸能人とかフォローしなかったら私の視界からは滅びるんですよ。あいつら歪んだ承認欲求の塊だから、こっちが承認しなければ滅びるんです(だんだん私も言ってることが気持ち悪くなってきた?)。

 

日頃途轍もなく美しい清居くんが鼻水と涙でぐちゃぐちゃになって泣いても平良くんは揺るぎなく美しいと思ったのでその純粋な愛情というか信仰の強さを思い知った気になったのですが、3巻でそんなのは序の口と更に思い知らされるのすごいわと。

 

クリス・プラットの太っていた頃と最近のビフォアフター見たことあります?

作中で例えられているディカプの画像もだけども。でもアレはすでに見慣れていたからそれほど衝撃でもなかったかな…ディカプ、20代前後の頃はもう、それはそれは眩しくて美しかったけれどもいまはいまでええやんとは思っています。どちらも好きですね。なんなら「グレート・ギャツビー」でドヤっとシャンパングラスを突き出す彼が最高です。

 

クリプラとディカプは20kgなんてもんじゃないのかもしれないけど、私はラノベを読んでいて美しい受けが太るということがあっていいのかと衝撃を受けました。

侵しては行けない領域やん??

でも私のそういう、ルッキズムとか太っていることへの侮蔑をぶん殴るかのような平良の思考で「この子のこういう気持ち悪さがむしろ美しいわ…」と思ってしまいましたね。

 

漸く平良もわりと清居くんに歩み寄ろうとしている感じが出てきて自分もまた卑下するほどの人でもないんですよとわかってくれてきたけど…本当、いつもクロスカウンターが掠る感じの会話が面白いし、気持ち悪いと思いながらどうしようもなく好きでいる清居くんの思考を知るのが楽しくてたまらんですなあ。

 

すごい作品だったな、もっと湿っぽくリリカルな恋愛ものかと思ってたら全然違った。気持ち悪い攻めと強メンタルで好きな相手にめちゃめちゃ恋してる受けのお話だった。

平良くんは気持ち悪いと言われながらも髪型と服をなんとかするとイケメンになるというのが美味しいながら普段は前髪で目が隠れてるという平成のギャルゲーの男主人公みたいな要素があるのがいいですね。あと清居くんが貶められたらマジでモンペゴリラなところと、ハッキリとはしてないけどいいとこの子でスパダリの要素がある(けど自覚がない)ところが好きですね。

 

面白かったけど続き本当に出るのかなあ?直木賞作家だものな…(後日訂正:直木賞は「候補」であって本屋大賞2回受賞されてますね。勘違いして失礼しました)

とりあえず番外編も買ったので読むし気に入ったので再読します。性的描写もくどすぎずさっぱりしすぎずでちょうどいい塩梅なんですよねえ。もう、全部が好きかも。