夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

キング・オブ・コメディ(映画)うすい感想

思ったよりずっとやべー映画だった

グレタ・ガーウィグが好きな映画だったっけ、そんな感じで紹介されていてそういえば有名な作品なのに見てないなと思って借りました。

見放題で見られるのはU-NEXTとか?ちょっと前までネトフリで見られたのに。

 

自分は最高のコメディアンなのに世の中に認知してもらえてないという妄想に取り憑かれている感じがある主人公が超人気コメディアンに自分のネタを見るよう圧をかけまくるというお話なんだと思いますがデニーロなんで全部マジに見えるから怖いのなんの。

 

どこまでが主人公の妄想でどこまでがリアルなのかわからない箇所が何箇所かあって、リアルであったほうがおっかなくて始終ドン引き。これ昔だから通用したんだろうな…いまだったら割と早い段階で話が終わっているのでは。

 

ジェリー・ルイスって名前と顔は知っているけど映画は見たことない俳優さんだったのですが(すごい人だというのはざっくり知ってるよ?)、作中ではすごい売れっ子のコメディアンを演じているのに全然売れっ子に見えなかったな…とんでもないグルーピーが湧くような人らしいけど、そんな感じがしない。大物感はあるけど…そこに疑問を感じながらも、後半の誘拐後のグルーピーの女の子との対話のシーンで虚無の目をしているのが面白かったな。

 

主人公のお笑いのセンスって大してないんだろうなと思ったら本当に面白くなくて単に身の上話をスタンドアップコメディ風なしぐさで話すから面白そうには見えるけど全然つまんなくて、終盤は冗談だったら面白いからウケるけどガチだから!ってので見てる私は笑えないという構図が面白かったです。

物語全体のオチはブラックジョークみたいで面白いけどこれも妄想かもしれないからちょっとわかんない。

妄想というか中2病の夢というか。主人公、コメディセンスより家の内装の趣味の方が明らかにいいので目指す仕事間違えてる。

 

それをデ・ニーロが終始あの狂気をちょっとだけ味付けしたにこやかな表情でやってるから本当に怖くて、ずーっと地味な不快感と妙な面白さを感じながら1時間48分楽しめました。このくらい短いのがいいよ。スコセッシの最新作ってむちゃくちゃ長いらしいけど。スコセッシそんなに見た覚えがないけど、ディカプと組んでいるのはどれも面白そうで気になりながら、原作を優先したら見てないとかある。

 

週に1本くらい見てない昔の映画が見たいな。スコセッシあんまり見てないのは(ギャング系のは見てる)うちのおかーさんが先に見てネタバレしてるからなんですよね。タクシードライバーとかレイジング・ブルとかもそう。

ディカプのやつを見ようそうしよう。デ・ニーロはおなかいっぱい。