早川書房さんが発売前の作品をゲラの状態で読ませてくれるキャンペーンをされていたので応募したら当たりました。前に、なんだったかな。応募したときは外れたんだけど。
他所の出版社のイベントでは2回参加したことがあるのでこれで3度目。前のもこのブログに感想を書いているはず。
探偵小説黄金時代に一冊の短篇集を発表して以来、孤島で暮らす作家。その秘密とは? 七篇の作中作が織り込まれた傑作ミステリ!
ゲラというのはだいたい冊子になるものを見開き2ページを1枚でプリントされたものなんですが、これが意外に読みやすいんですよね。紙の質は本来の本より厚手のコピー用紙なので厚さもかさばるけれど、分けてクリップで綴じて読めばよいとこの度は3分割にして読みました。*1
これはゲラというものがピンとこない一般的な読者様への説明になります。ゲラを読む醍醐味というと、コメダとか喫茶店とかで読むと関係者の気分を味わえるの!これ楽しいよ!今回コロナ禍なので出来なかったけど!
ネタバレを避けてこの作品を表現すると…読んだあとに「ああ面白かった」とつい口に出しちゃう。
美味しいものを食べたときには「ああ美味しかった」と言うような気持ちと一緒。大好物をたらふく、満足できる量で食べられた気持ちです。
七篇の作中作が織り込まれたミステリとありますが、普段は私は作中作をテキトーに流しがちなんですよ。何作か挙げられるけど否定してるように取られるとアレなので挙げません。
作家が自分の作品に別の作品を盛り込むというのは技巧に走りすぎると本来の物語の面白さから乖離して浮いちゃうというか、本来の作者の物語づくりの癖から離れたものにしようと意識するからなにか歪なんですよね。それで読むのが面倒くさくなっちゃう。そんな凝ったことしないでとっとと結論をシンプルに教えなさいよと回りくどいのが苦手でせっかちな私は思う。
でもこの作品における作中作は物語として面白いんですよ。短編推理小説という体裁だからなのもあるんでしょうけど。
どの作品が好きかとか発売されたらこの本を親友に買ってプレゼントして語り合うんじゃいと思いながら作中作を楽しんだのですが、オチとかはまたいずれ語るとして(本当に語るかどうかはわからないですが)私好みの驚きがそこかしこにあり、非常に美味しくいただきました。
早川書房さんありがとうございます。
時期的に早いけどミステリ・ランキングの上位に行くといいな。これ、ポケミスじゃなくて文庫なのもすごい。じゃあ同じ月に発売されるポケミスはもっと面白いってことかいな。(ハードルをあげてやる)
あ、デイヴィッド・ゴードンの「用心棒」の続編か!
ポケミスのビニルカバーが好きでポケミスは紙で買います。こちらも持っています。
4月は早川書房さんは大豊作なんですよ。菅浩江先生の本も一気に文庫化されるし。
それに埋もれてほしくない、大きく話題になってほしいですね「第八の探偵」面白かったなあ…
(いわゆる案件にはなりますが、私は忖度して感想を書くのが嫌でブログにコメントを受け付けていないし、いまはSNSでもほとんどそういう関係の人とやりとりをしないようにしていますので、つまらんかったらつまらんと書きますよ。これは忖度抜きに面白かった。早く作中作1作1作について、それを書いた作家とそれを書いた作家についてあーだこーだ言いたい!)
*1:前述の他所の出版社はでかいクリップに綴じた状態で送ってくれましたが、これはどちらでもいいです。綴じられてもありがたいし、なにもなくてもこっちで都合をつけるからありがたい