夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

西村しのぶ 「砂とアイリス」 5巻

最近完結したと聞いてKinoppyのほうで電子書籍を買ったのですが、4巻が完結だと思って間違えて購入。1話だけ読んだ気がしていたけど時々ココハナの本誌を読んでいるからその関係かな?と勝手に勘違いして最後まで読んで終わった感じがしないから調べたらこの百合っぽい、私の大好きな西村しのぶ先生の女の子同士の仲良しが表紙でした。

 で、いまざっと5巻を読んだけどこの漫画は主人公が不倫して二股をやってるけど爽やかお仕事マンガなんですよね。

二股の彼氏の方は影が薄くてあんまり出ないし(でもいい子なのは分かる)、不倫相手の奥様が私はこの作中で一番好きなのに出番ほとんどないし…、不倫と二股のドロドロとスリルとは無縁なのであった。

リアルでも変な欲を出さなければ、相手に迷惑をかけなければ、バレなかったらこんなものかもしれない。

主人公が人生の楽しくて美味しくて充実したところだけめっちゃ味わいまくっているところが私はいいと思うので、現代の他人から見た倫理観なんかどうでもよくなりますね。

かと言って私は不倫を肯定するわけでもないですけど。不倫するようなやつはそもそも結婚すんなって思う。結婚は人生の墓場なんだから、そこから戻るのはゾンビしかいねえと常々申しております。

 

でもこの作品では、奥さんが自由気ままに国外を飛び回っていて、夫が休日手持ち無沙汰なところへもと教え子が可愛いから一緒にいたくなるという気持ちもわからんでもない。

そしてバレないまま、お互いが深いりしないまま、これからも不倫というよりはセックスを含む親しい関係が継続するのかなーってふわっとしたまま終わりました。

 

作中でなぎさが「永野と一緒に飲むのが一番楽しい」みたいなことを言うのですが、これ性別関係なく性愛と義務と責任が絡まない関係が一番楽しいんですよね。わかる。

だから昔販売業の仕事でご夫婦がお子さんを連れて買い物をしているのを見ていて、夫にしても妻にしても、相手と一緒に時間を過ごすのが本当に一番楽しいのかなあ?と勝手に不思議がっていたことも。

なぎさが自分を大事にしてくれる職場や期待してくれる母校とか担当の講師をよそに永野と一緒に女子だらけの職場へ転職しちゃうあたりが今どきのアンサーやなとも思いました。

 

はー、親友に会いたい。

 

西村しのぶ先生のマンガがちゃんと完結するのって、彗星周期くらい貴重だと思うので、とりあえずありがとうと合掌しておきましょう…

「一緒に遭難したい人」

「RUSH」

「アルコール」

どれも終わってない…はず。どれも黒髪の美人の親友が出てくるんだけど、その人が好きなので「砂とアイリス」でも永野が出るところはすごく注目していました。

 

特に終わらせなくてもいいし、起承転結なんてなくていいからこれからも漫画を描いてほしいなあ…