夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

水城せとな「窮鼠はチーズの夢を見る」「俎上の鯉は二度跳ねる」

 なんか読み応えあるBLないかなーと思ってこちらを買ってみました。

水城せとな先生って画風や趣が自分の好みかどうかはさておいてお話は面白いイメージ。

窮鼠はチーズの夢を見る (フラワーコミックスα)

窮鼠はチーズの夢を見る (フラワーコミックスα)

 
俎上の鯉は二度跳ねる (フラワーコミックスα)

俎上の鯉は二度跳ねる (フラワーコミックスα)

 

BLは明るくないと!とは思うんだけど、こちらはややドロドロ?

優柔不断な性格が災いして不倫という「過ち」を繰り返してきた恭一。ある日彼の前に妻から依頼された浮気調査員として現れたのは、卒業以来会うことのなかった大学の後輩・今ケ瀬だった。ところが、不倫の事実を妻に伝えないことの代償として今ケ瀬が突きつけてきた要求は、「貴方のカラダと引き換えに」という信じられないもので…。くるおしいほどに切ない男と男のアダルト・ラブストーリー。

言い寄ってきたほうが女々しいというか、言い寄られた男がグダグダというか。

でも二人の関係の進捗が丁寧に描かれていくので、ノンケの人の揺れっぷり、ゲイにはどう応えたらいいのか悩む手探り感、ゲイの方のノンケの人はノンケのままで幸せであったほうがいいのに好きだからとかいう懊悩が描かれていて今そこにあるノンケとゲイの恋愛!って感じで終始はわわはわわ言いながら読んでいました。

でもこんなのがスリルでも何でもない世の中になればいいね。

タクシーで痴話喧嘩するシーンとか顔の出ない運転手に感情移入していたたまれない気分を味わったり。代われるものなら代わって痴話喧嘩に耳ダンボしていたい人生だった…

 

そういうメロドラマにニヤニヤしたまま続編を読んでいたのだけど、ラストはびっくりするくらい感動的でした。やっぱりお話づくりがうまい人だなあ。あと脳内で喧嘩させるの好きな人だなあ(ポイズンベリー好きだった)

結局あまり考えすぎないでシンプルであったほうがなんでもこじれないのであろうな。あまり先のことを考えても息苦しくなるし。それは別に恋愛とかじゃなくても言えることなんだけど、なぜか思い詰めてしまうのは幸せを求めてしまうからかしらん。

 

こういうのが好きな人は既に読んでいるのだと思うけれど、評判がいいのも納得。

 

でも明るいBLがいいので明るく楽しいBLを探そう…特に中身なんてなくてもいいのになあ…中身を求めたら、やたらドロドロしたのが多そうなんだな。それだけ日本人にとって同性愛って禁断的なものなんでしょうね。でも背徳感も良いスパイスなの知ってる。燃えるだろうな。そして私はそれを知って萌えるという…

 

2作目の225ページ目の最後のセリフ、私も長い間疑問に思っていることでこれって永遠の謎かもしれない。

 

とうとうBLのカテゴリも作ってしまったので今後ともヨロシク(仲魔風