夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

#劇場版おっさんずラブ を見たあとで 連続ドラマ版 #おっさんずラブ が止まらない (呼吸をするようにネタバレをする)

連続ドラマ版おっさんずラブの7話を見たあと(厳密に言えば4話あたりから)配信でおっさんずラブを見るのが止められなくて、最近はそれでも劇場版があるしで落ち着いていたのがまたぶり返してます。劇場版を見たあとに見ると新たな発見というか、劇場版は本当にきれいに続きだったんだなあと思えるところが多いこと。 

劇場版のネタバレも多く含むと思うので、注意してくださいね。

 

土曜ナイトドラマ「おっさんずラブ」公式ブック

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おっさんずラブ DVD-BOX

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劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~ シナリオブック

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 7話から劇場版までのエピソードがすごいらしいな…早く読みたい。

ここから↓↓

 劇場版おっさんずラブでははるたんが冒頭からずっと牧くんのことが好きで、宝石店で売り子のおばちゃんに「エターナルラブ(いやフォーエバーラブだったか)」と言われたらホイホイ指輪を買っちゃうような永遠を信じたい人になっちゃってるし、牧くんが訪ねて来たら嬉しくて抱きついちゃうし仕事で遅くなる牧くんに鬼のようにメールをしてすごいからあげを作って待っているじゃない。マミ様が絡むとあからさまに嫉妬するし、嫉妬の仕方が自分でもコントロール効かなくて子供のような怒り方をするのだけど。

はるたんが人を好きになるとどういう人になるかっていうのがわかるけれど、これはもともと連ドラ本編でも見せてたところがあったのよね。4話で出ていこうとする牧くんを追いかけてバックハグしちゃうところなんか嫉妬が原動力だったし、5話の冒頭でわけわからない自分を持て余してイライラ落ち着きがないし(いや、落ち着きが無いのはいつも)5話のデートの気まずい別れ方からの仲直り、6話の看病にしてもすごく大事にしようとして空回りしているところ、あんまり周りが見えていないところとかね、はるたん可愛いね。

牧くんも自分の限界に気づいていながら無理しちゃうところが連ドラ劇場版通して2回ぶっ倒れるところにも現れてるというか。はるたんのことが大好きなのに相手の幸せのことを考えたり自分が嫌われることを恐れて身を引いてしまいがちのところとか。それで身を引いたあとに同僚として一緒に仕事をするときはさりげなくなるべく一緒に長くいようとしたりするんだよ。牧くんって片思い体質なんだろうけど(成就するととたんに不安になって自分を追い詰めてしまうやつ)他の人に対してはどうかは知らんけどはるたんにはむさしというライバルがいたにしても片思いで済ませたくない部分が強かったところ、会長の娘が誘拐されても自分から動くことはない冷静さをはるたんが巻き込まれたと知ったらもう全然失うところとか、内に秘めた情熱激しすぎ。そこがまた魅力なんだけれど。はー牧くんは本当に尊い

6話でお餅になったお粥を牧くんが食べるところとか、劇場版で雑な自分は嫌かみたいなことを言ったはるたんに首を振って否定するところに通じるよね。駄目なところも駄目だなあと思いながらも全然嫌いじゃない。牧くんはお互い嫌なところが見えてきたりって言っていたけど嫌なところを知っても嫌いにならないから本当に自分が嫌われるのが嫌、って気持ちのほうが強くて仕事を理由に向き合おうとしなかったんだろうなあ。

 

(翌朝加筆)お婿と犬の散歩中に話していたんですけど、牧くんは結婚してこれから長く一緒にいることで起こりうる摩擦、幻滅に対する不安でいっぱいだったんだろうけど、それをあの工場の中でもう死ぬかも、ってときにはるたんが一個一個嫌われる可能性を潰して牧くんが自分にかけた呪いを解いていった感じがあったよね。有能で顔の綺麗な子は誰かと一緒にこれから生きていくことに不安を感じるものだからね、と。それを学生の頃から顔が綺麗でそれをよく注目されていたお婿が言うと説得力あるわあと思いながら、牧くんがいまの魅力を失っても死んでも一緒にいたいというのは最高の殺し文句というか愛の告白だったんだろうなと思うともう散歩中に泣いた。

 

本当、人物造形がきちんと出来ているんだなあと恐れ入る。こういうことはこの人はやらない、っていうのがしっかりしている。それは脚本や監督やプロデューサーの作り込みもあるのだろうけど、演じている人のジャッジもあるからここでなぜこれを言うのか、ということに答えを出して演技をしているという話も伺っているので(資料をつぶさに読んだわし)いろいろな人の思いや視線を通して出来上がった人物像だからブレないんだろうな、ともうしみじみ思っちゃってるの。

 

あとちずちゃんとはるたんが似た者同士なのがよく描かれていたけれど、劇場版でも「誠意大将軍」とはるたんが言っているべつの場面で「天下取る」ってちずちゃんが言っていたりね。この二人の思考回路そっくりでよろしいな、って。

 

劇場版の展開はなるべくしてなったって感じなんだろうな。この人達の未来はこうなってます、って人事異動以外は特に驚きはなかったものな。ああよかった、って思うことが多かった。お婿が見に行って帰ってわりとすぐに「蝶子さんちゃんとペンダントしてたねー」と言っていて「あああ!確認しなかった!」と七転八倒よ。

 

いま映画を振り返ってすごく気になっているのは、マミ様がご実家に行かれたあと、牧くんが人事異動を打診されたりジャスが結婚するまでの間ってどのくらいの期間があいていたのかなあって。牧くんが人事異動を打診されたとき、「お前にはもう家族もいるんだし」と言っていて指輪を受け取っていたでしょう。マミ様に認識されるということは家族になりましたよ、って周囲に報告したんだろうなあと勝手に受け取ったんですよ、私は。

薫子さんがとんでもねー圧で結婚を迫ったにしてもある程度期間はあるやろと思う反面、このドラマはプロポーズから挙式までほぼ半月くらいで済ましちゃう実績があるのでわからんところがあるよな、とこの辺の期間の空き具合はお婿とあーでもないこーでもないとニコニコしながら話しています。

その期間があればあるほど二人は一緒にいたのかなあって思うとそれだけで嬉しくない?実際見られるわけではないだろうけど想像できる余地があるのは嬉しい。寂しいけどな!

 

うちのお婿さんは映画を見て「付き合っている相手をベビーカステラに似てるって言えるのは本当に好きで、可愛く見えるものは全部好きな人に似てるって思えるやつだよね」と言っていて、この人のこういう感受性いいよなと我が婿ながら感激しました。

私はあのセリフを聞いたときに「わかる」って思っただけやった…だってベビーカステラに似てるよ。

そしていまうちのお婿に「片乳」って言うとかならず笑い転げるから大変よ。むさし大好きだもんね。

 

周囲への分け隔てない愛でいっぱいだったはるたんが一人の人を特別に愛するようになるのが連続ドラマ版だったけれど、劇場版はその先で相手もいる話だったなあ。まあ、恋愛は一人では出来ないですからね。相手がいてこそですからね。

 

7話の壁ドン(というかドカーンというか)で政宗が指摘したように向き合えない牧くんが7話のラストを迎えても向き合えないところがあったのも、それもまたそういうもんだよなあ、いつまでも自信が持てないんだろうなあ。

 

お婿はそんな牧くんを見て「自分が幸せにしよう、って思えないんだろうねえ、自己肯定感が低くて自己評価も低いし同性愛者であることの抑圧をいっぱい知っているんだろうねえ。それがにじみ出る脚本、演出、演技、素晴らしい」と感動しきり。

私もね、自分が春田さんを幸せにしようって思えるようになってほしかったところがあったのですが、自分から春田さんじゃなきゃ嫌だと言っただけでも及第点なのかなあと思っております。もっと自信を持たないと、相手を不安にさせるだけなのだと。このドラマを20年前に見ていれば…と何故か思ったここで。

 

このように映画を見て家に帰ってドラマシリーズを改めて見ると再認識するところが多いのでおすすめ。

あと、シナリオブックが来るからいいんだけど、せっかくの記憶力があるので脳内で劇場版を改めて再生しているところ。エヴァQも劇場で見たあとでエモが募って細かなあらすじを記録したのだけど、細かすぎて削除した経験がある…

 

そうやって、明日また見に行きたいという気持ちをとりあえず抑えます。

もしかしたら来週の土曜日にまた行くかも。タランティーノの映画も公開されるし…

でも円盤買うお金も貯めないとね。

 

本当に完結なんて、寂しいなあ(まだ言ってる)

浴衣で待ってた牧くん、本当に美しかったなあ…(まだ言ってる)