夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

ブレードランナー ファイナルカットをIMAXで見てきた

 私は把握しているだけで幼稚園の頃からSFが大好きでした。恋愛マンガや小説も好きだけどSFも大好物。幼稚園の頃に竹宮恵子先生の「地球へ…」のアニメ映画が公開されて行きたくて大暴れした覚えがあります。

 

平成の始まるころ、いまはお婿になっているろくちゃんと出会ったのですが、ちょうどその頃にたぶん雑誌Oliveの記事でこの作品の存在を知り、好みの予感がしてレンタル(当時はビデオ。そして一番最初のヴァージョン)見てどハマリして、ろくちゃんとこんなかっこいい作品をビデオでしか見られないことを非常に残念に思ったものでした。当時「劇場で見たかった映画」として話題にしていたのがスターウォーズブレードランナーだったんですけど、スターウォーズはデジタルリマスター版のリバイバルファントム・メナスをやってた頃かなあ?見られたのでそれは叶ったんですけど、まさか「ブレードランナー」を今になって、しかもIMAXで見られるとは思いませんでした。

まあ、DVDでディレクターズカットとファイナルカットを持っているんですけどね。

 まず最初からもう、鳥肌たちますよ。

私には工場萌え属性もあるんですけどその原点がブレードランナーの都市のイメージなんですよ。初めて夜の新幹線徳山駅から工場を見たときにもう、如何ともしがたい、魂の震えを感じたんですけど、「ブレードランナーみたい」って思ったものでした。あとFF7神羅ビル。

何度も見ているから話の筋は知っているんだけど見どころはいっぱいあるから最初のおっかない面接からの雨の街に溶け込むデッカード、そして「2杯で十分ですよ」キター!!日本語より後で喋る英語のほうがうまいやーつ!

って内心キャッキャ言いながら見ていたんですけど、やはり綺麗な映像、迫力ある音源で次第にのめり込んで行って、先日亡くなったルドガー・ハウアーの鬼気迫る演技、困惑顔や時折優しさを魅せるデッカード、悲しみを背負った雰囲気のあるレーチェル、超絶可愛いプリス!そして至るところに神が宿っている美術に見惚れていました。

 

やっぱりさー、クライマックスのロイとデッカードの戦いで、ロイが切ないんですよ。

戦いっつーか追っかけっこって感じのほうが強いけど。ロイが圧倒的に強い。でも寿命がそこまで来てる。本人も気づいている。タイレル博士もぶっ殺しちゃったし(あの殺し方トラウマだわ)絶望していながらも、タイレル博士と同じ水準の知能を活かした詩のような美しい言葉を発する。胸に白い鳩を抱いて。あの鳩も電気じかけなのかしら。

雨に打たれてうなだれるロイ、飛び立つ鳩、美しかったなあ…

 

今回はIMAX版をちゃんと見ておかないとたぶん一生後悔する、人生の思い出づくりにこの映画は必要だとお婿と言いながら見に行ったんですが、見に行ってよかった。

学生の頃プリスのメイクをやりたかったけどあんなに可愛くないからなあと断念した覚えがあるんだけど今のほうがもっと出来ないから若気の至りでやっておけばよかった。

 

レーチェルを演じたショーン・ヤングが記憶にあるより演技が良かったです。

多少強引なデッカードとレーチェルの恋愛模様ですが、それでもハリソン・フォードだと説得力があるというか…強気な男性って感じの名台詞がハリソン・フォードは目立つじゃないですか。

スターウォーズの「愛してるわ」「知ってる」とか。

ブレードランナーだと「キスしてと言え」とか。

陰鬱な表情のレーチェルがレオナルド・ダ・ヴィンチが描いた洗礼者ヨハネのように美しいんですよね。ヨハネは笑みを見せてるけど、髪型と顔に落ちる影のせいかな、ヨハネを思い出しちゃった。横顔の構図とかはリッタの聖母みたいだったけど。

絵画とか彫刻のような美しさだからやはりレプリカントにふさわしいんでしょうね。

リオンをぶっ殺しちゃったときの表情とか瞳のゆらぎがとてもよかった。

後々バットマンキャットウーマンをやりたくてその扮装をしてアプローチしたのが滑ったというエピソードを持っているショーン・ヤングですが、この役は本当に当たっていたなあと。

 

ひとつ気になったのが日本語のガヤの使い回しがなくなっていたような。

あれ日本語がわかるとかなりひっかかるから直したのかな。

 

大きな画面で見てるとセバスチャンの家のデザイン、中のおもちゃたちのグロテスクながらも可愛げがあるところに統一感があるところも一つ一つ楽しめてうっとりしてました。あのなかに溶け込むプリスがまた可愛いんだ。あとでえげつない攻撃するけど。

 

レプリカントの狂気を秘めた雰囲気、触るもの皆傷つける存在感がただのSFじゃなくてスリラーなところもある。蛇のお姉さんもリオンも怖いのよね。作り物の雰囲気がちょっとだけある。そこがうまい。

デッカードが蛇のお姉さんをぶっ殺したことに罪悪感や嫌悪感を持つのが、レプリカントを人のように見做しているところがあるようにとれて後々レーチェルを守ることも納得がいくのだけど、割と最近リドリー・スコットがいまさらぶっちゃけた「デッカードレプリカント」説でいうと、自覚はないものの知らず識らず同族殺しの嫌悪感を持ったのかもしれないね。

 

つーかあの説を初めて知ったとき、ろくちゃんと全力で「勘弁して!」と叫んだものでした。

 

たぶん2週間限りなので、多少遠出してもIMAXで見たらいいと思う。

同時期に4DXでマトリックスが見られますが、マトリックスはリアルタイムで2回くらい劇場で見ているのでまあいいか、って。4DX酔うかもしれないしな…

25年キアヌのファンだから、思い出すと複数回見ている映画が「スピード」一つだけではないのよ。「雲の中で散歩」まで見てる。

 

そしていまIMAXを見ようとすると、おそらくもれなく「アナベル」の予告編を見てしまうからホラーが苦手な人はご注意な!(←ホラー映画超苦手なひと。なんならブレードランナータイレル博士のぶっ殺され方は目を塞いでやりすごす)

 

 

 一昨日、1冊11円とか訳わかんねー価格でKindleで売っていたので買いました。

でも子供の頃にちゃんと読んでおけばよかった作品です。今の時代に大人になって読むと、設定や展開など「他の作品でも読んだことがある」気になるんですよ。この作品が原点だろうに。

 

1日に3回 #劇場版おっさんずラブ (累計5回)見た(牧担目線でネタバレ)

 前の日に連ドラ版を一通り見て、連ドラ版の公式ブックを見て臨もうと思ったんだけど早々と眠りについたので、いいとこ公式ブックを読んだだけ。まあ、連ドラ版はこの1週間5周くらいしているからいいんですけど。

土曜ナイトドラマ「おっさんずラブ」公式ブック

土曜ナイトドラマ「おっさんずラブ」公式ブック

 

 劇場版を見に行く前におさらいしておくと、特に田中圭さんのインタビューとか読むとそこからつづくはるたんの想いがそのまま劇場版に現れているので盛り上がりますよ。ブレることなく、はるたんとして生き続けているんですねえ。他の演者さんもですけど。そらもう、アッキーやほとんどセリフのない天空不動産第2営業部の人たちまで。

劇場版おっさんずラブ?LOVE or DEAD? オフィシャルBOOK

劇場版おっさんずラブ?LOVE or DEAD? オフィシャルBOOK

 
劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~ シナリオブック

劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~ シナリオブック

 

 1日に同じ映画を映画館で3回見るのは実はこれが2回目なので初めて、ってことはなかったんですけど。*1

シネマデーの安さを取るか、人の多さと映画館慣れしていない人たちのマナーの悪さが横行することを流せるか、かなり忍耐を試された感じだったな…やっぱり何にも邪魔されることなく家でじっくり見たいから円盤早くほしいですねえ。そしてたぶん、今後の人生同じ映画を映画館で5回見ることなんてないかもしれないからね…その映画が「劇場版おっさんずラブ」で良かったなといまは思います。

 

つーても気分次第では来週また見に行くかもだけど。でも私にしてはこの2週間でかけすぎた。

 

ところで先週2回見てあれこれ考えて神解釈を読んでなるほどと納得して、はるたんと牧くんの想いについてふかーーーーく認識した上で見たら!やっぱり!ちがう!

そしてはるたんと牧くんだけでなく、他のキャストの方々の演技も素晴らしい。

というかマミ様の沢村さん、あの年齢でスタイルおばけの田中圭さんに正面を張れるスタイルと牧くん系統のお顔がそのまま仕上がった感あってすごいなと、それまであんまり気にしたことなかったんだけど(俳優さんとしてはすごく好き)この人かっこいいなと思い知らされたし、ねっとりした演技も深読み可能ながら、単にボディタッチをしがちな人にも見えるバランスがよい。

そしてジャスティス、立ち退きを迫られた住人がブチキレて乗り込んでくるシーンでも、家族の話をされると言葉を失うところとかの、笑顔の影のナイーブな演技がよい。

何回か見るとジャスの家族の話も唐突感がなく、失っているものがあるところからのパーソナルスペースの狭さとか人懐っこさがあったのだなあと。そういうのがにじみ出ている。

このお二人で良かったなあと思いながらだ。

 

私は3回を何に集中したかって、できる限りの画像記憶能力を駆使して、あらゆる牧くんの可愛らしさに心のデジカメのシャッターを切ったよね…

 

狂犬チワワの行動、セリフもできる限り覚えたよね…

好きな肉はハラミ、は牧くんは違うと否定するんだけど、好きな俳優は斎藤工(めっちゃアドリブ…)で「そうなんですか」と真顔ではるたんに訊いてた。そういう男の趣味かと問い詰めようとしていた感じだった!

目まぐるしくて内容を把握しようとすると取りこぼしがちなんだけど、はるたんのお尻を2回叩いた。1回じゃあなかった…

むさしにマジギレするあまりにたらいの水をそのままつかもうとしてはるたんに止められるところとか本気すぎた。

あんまり体を作ってない感じだったのは、はるたんがバッキバキなのに対して彼氏の牧くんもバッキバキだといろいろと都合が悪いからだろうかとかいろいろってなにと勘ぐってしまった(おい

むさしの前では理性を失って日頃のカッコよくて可愛くてプライドが高くて仕事ができる牧くんじゃなくなって荒ぶる狂犬チワワになるのが可笑しいんだけど、それだけむさしには危機感があるんだろうな。1年間はるたんを取られたしな…

 

うどん屋でむさしがジャスをしばくアドリブでははるたんが思わず素で笑っていたとか、むさし関連のアドリブが楽しいんだけど、脚本通りの「白雪姫」とか「一回だけ!」も面白いのよね。吉田鋼太郎さんにはどの観客も惚れたのでは。つーか私の大好きな杉田智和さんが惚れ込んでいて私が嬉しかった。あんまり映画とかテレビドラマについてツイートするのを見ないけど「おっさんずラブ」と「あなたの番です」に言及されていた。ドラマも映画もご覧になったらしい。なんだか嬉しい。

 

きんぴら橋(って誰が名付けたのか知らないけどもはやそうとしか思えないすごいネーミング)のシーン、はるたんの表情が「え、ここで?いいけど(うれしい)」と言葉に出していないのに雄弁で、二人の関係はちょっとギクシャクしているのにお互い本心では好きだし惹かれているし一緒にいたいし仲良くしたいというのが伝わってくるのよね、花火のシーンもね。

サウナのシーンは付け足しみたいな感じらしいのに、間にサウナのシーンがあることでしっくりするからいろいろ調整されたんだろうけど、なかった場合が想像つかない。

この辺の検証は(したいのか)円盤に持ち越しだな…本当に話が忙しないからなかった場合の整合性なんか追えない。

 

連ドラ版の牧くんは恋して美しく深くなっていたけれど、劇場版は愛されてるけど不安もあるから妙に隙きがある美しさのように感じられる。そして思っていることが(はるたんには通じにくいけれど)割と顔や目に現れているのは相変わらず。

劇場版は牧くんの美しさに統一感があっていつでもどこでも一定以上の美しさがあって本当に大画面で見応えがあったなあ…あんな煤に汚れて火にあぶられて汗に濡れていても超絶美しくて絵になるってすごいなと、あのシーンで感激していました。というかあのシーンが浴衣以外では一番美しいかもしれない。はるたんの独白をじっと聴いている牧くんのなんと美しいことか。*2

そして花火での喧嘩、はるたんが牧くんのスマホを手にしている時点から牧くんはもう泣きそうになっているんですよね。嫌な予感しかしないからかな、これはこじれるな、というのを前もって察してしまう。

怒りながらも困惑していて、こんなこと言いたくないのにというのがありありと出ている。目がずっと潤んでいるし、唇が戦慄いている(わななくってこの漢字が当てられるのか)。

言葉通りの喧嘩じゃないのが二人の表情からにじみ出ている。

こんなに胸が痛くなる痴話喧嘩見たことがない。

 

さすがに5回も見れば、終わり方にも納得いくもので、最後のハグで牧くんが本当に安らかな笑顔をしていて、はるたんはちょっと寂しそうなのは気がかりだけど立場や性格的に逆よりはいい。私の知らないところで幸せでいてね、素敵な瞬間を見せてくださりありがとうございました、って気持ちでその日3回目の鑑賞を終えて、とっとと帰りました。

本当、関係性に不自然さがないし、演技をしていると言うより呼吸をしているという感じだったなあ…

 

そしてゆいPがやっぱり可愛かった…

ほかのレギュラーキャストの役柄についてもいろいろ思うところはあるのだけど、まあいつか、円盤が出る頃に触れるでしょう。鉄平兄、仮面ライダーゼロワンでの活躍に期待…!!

 

うちのお婿のろくちゃんが、2019年度のおっさんずラブドラマについて新説を予想してきて。

仮面ライダーみたいにさ、キャストも脚本家もすべて変えておっさんずラブアギトとかおっさんずラブ電王とかみたいにシリーズ化したらどうしよう、プリキュアみたいなのとか」

あのアイディアは東映バンダイだから。

おっさんずラブ東宝系だから。玩具は強いて言えばゾイドタカラトミーさんだから。

つーかそんなん絶対見ないから。つーか意味わからんそんなの。

 

*1:キアヌ・リーブスの「SPEED」を、当時の映画館は1回分のチケットで一日中居座れたので見たいだけ見られたのでした。キアヌ・リーブスを愛して25年…

*2:そういえばるとー監督は連ドラ版4話の監督もされていて、4話は牧くんがまんべんなく美しく撮られていたなあと思いだしたり。角度とか。すごく短いシーンですら。

牧くんロスをこじらせすぎて悟りを開きそうな勢い ( #劇場版おっさんずラブ ネタバレあり)

劇場版おっさんずラブを見て1週間、ようやく呼吸が落ち着き、理性も自分でコントロールできるようになってきたけれど5日くらいは情緒不安定でオロオロしていたような。

劇場版おっさんずラブ?LOVE or DEAD? オフィシャルBOOK

劇場版おっさんずラブ?LOVE or DEAD? オフィシャルBOOK

 

林遣都氏の演技がすごいから、他の役では牧くんの片鱗も見せないだろうからこれから先は新しく牧くんの姿が見られないんだろうなあと思う寂しい気持ち

・牧くんがシンガポールへ行っちゃったから(すぐに帰ってきそうだけど)二人が仲良く暮らす姿を見ることなく劇場版が終わってしまったのがちょっと惜しくて寂しい(これを不満に感じている人がわりと多いね。私は不満ってほどじゃないんだけど、見せてもらえませんでしたかー…って気持ち)

・なにしろいまは劇場に行かないと見られないから、一時停止・早送り・早戻しが出来ないのであのシーンこのシーンをじっくり見たくても見られない(主に花火デート前半の話をしている)

 

 という如何ともし難い欠落感を埋めるためにとりあえずお婿や趣味に理解がある男性の同僚や親友や義理の妹にあーだこーだあーだこーだ話すものの、ちょっとこれは自分でも引くわと思いながら気持ちの整理をするために自分の気持ちに寄り添う音楽を当たったり、なんか世界観がぜんぜん違うものに触れようとして椎名林檎の「三毒史」を聴いてみたりね。

 で、この「三毒」に行き当たり、うちのお婿と親友は哲学・神学・心理学方面の人達なのでそのへんの造詣が深く、時折彼らの会話でこの言葉が出るなあ、主に私の貪欲さについて話しているときに、どういうことじゃろと、この度調べてみたんですよ。

 

三毒 読み方 サンスクリット語 パーリ語 意味 象徴する動物
とん rāga, ラガ, राग lobha, ローパ 貪欲(とんよく)ともいう。むさぼり(必要以上に)求める心。一般的な用語では「欲」・「ものおしみ」・「むさぼり」と表現する。
しん dveṣa, द्वेष dosa, ドーサ 瞋恚(しんに[1])ともいう。怒りの心。「いかり」・「にくい」と表現する。
, 痴 moha, モハ, मोह moha 愚癡(ぐち)ともいう。真理に対する無知の心。「おろか」と表現する。 [2]

以上、ウィキペディアより

 

SNSでよく目にするネガティブな要素もこれらに当てはまるような。

私は特に好きになったものに対してものすごく貪欲なパワーを発揮して、そらあ自分にとって人が多くて辛い場所にあるシネコンで公開日に2回も見るわ、大人の武器であるお金を存分に使ってありとあらゆる媒体の記事を追いかけるわ、配信を追いかけるわ。

まあおっさんずラブだけにとどまらず、日頃からそういう傾向がある。だいたい消化できるとはとうてい思えない数である数千冊の本をいっぱい持っているとか、消化しきれないゲームソフトと本体を持っているってだけでどうかしているもの。

 

そんなに貪っていて、気がついたらものと情報にあふれていてハッと現実に戻るととんでもないものを抱え込んでいるってことはままあることで、その時の気持ちなんて本当、椎名林檎の「鶏と豚と蛇」なんですよね。

 

これでは良くない、理性は何処へ行った、もともと私は何を楽しんでいたっけ?と立ち返って、最近ハマってる刺し子をちくちくとやるとこれはこれでハマる。いつまでも無心で刺していたい。同じモチーフでいろいろな色で刺したい。この布もっとほしい…とやっぱりまた貪欲になり無心何処行った?ってなるの。

 

確かに三毒の「毒」とは言い得て妙で、抱えていると最初は楽しいのにだんだん苦しくなってくる。劇場版は確かに楽しかった。素晴らしかった。でももっと見たいし込められたメッセージを知りたいと思い詰めるうちにしんどくなっていく。でもこれがまた甘美でもある。よく萌えの過剰供給により人がその胸に抱えるものへの気持ちを「しんどい」と表現するけれどまさにそうなんだろう。

 

物語の締めくくり方がああなのは、プロデューサーさんや脚本家の方のインタビューを読んだらなるほどと思う。下手に二人はまた一緒に暮らしているという終わり方より二人の結びつきの強さを感じる。続くんだ、って感じ。

 

でも視聴者にはここで終わりなのでしんどい。続いたって見れないじゃん!って。

 

で、あーでもないこーでもない、しんどい…牧くん、私は寂しいと、家でとりあえず連ドラ版を食い入るように見るという。

人によっては三毒のうちの「瞋痴」に転ぶ。ハッシュタグつけて不満たらたら言ったり、褒める人をdisったり、公共性のあるレビューサイトで☆1つけて「こんなの見たくなかった」とか言う。作中で喧嘩と行き違いが目立っただけにな。思うようなエンディングでなければイチャイチャもろくにしないとなるとな(私にはあれで十分ですけど、日頃BL慣れしているととんでもねーのを期待するのかね)

でもそういうものにおかしくなって外に攻撃していく前に、ちょっと冷静になってみませんか、とも思う。そこまで悪く思うなら手放したり距離をおいたほうがいいのではと。

 

何につけても偏りすぎるとよくない。中道(ちょうどよい)のがよいというのが仏教の教えの中にあって、断食とか過酷な修験道も本当はよいものじゃないとする傾向もあるそうな。

よりよいバランス感覚で物事を見つめて生きるのがよいと。

 

私のいまのツイッターIDに「golilockzone」ってキーワードを入れているんですけど、これも「ちょうどよい場所」という意味があるんですよね。地球のような惑星ができる条件の整ったちょうどよい環境という宇宙関係の用語らしいんですけど。

このちょうど良さって大事だなと改めて思うのです。

 

…と、仏教だの宇宙だの持ち出した自分に対してハッと冷静になり、なに私、萌えから自分を律するために悟りを開こうとしてるううううう!って戦いているんですが、何につけても夢中になるときとそうでないときのメリハリって大事だなと、いまこそはっきり自覚しておきたい。耽溺もいいんですけどね、でも作品とより良く長く付き合うためにはこういう一点集中型のしんどさを抱え込むとあまりよくない。

 

そのしんどさから自分を開放して、ほどよく優しい気持ちで作品に向き合えたらいいなと思って…

 

 

明日、3回見てくる。

 

 

 

 

*1

 

*1:

(おまけ)

仏教の思想にちょっとハマってるのは、先日美容院に行って、私は美容院もあんまり好きじゃないんですよね。美容師さんと必要以上に話すのが苦手だし、人の話す言葉が耳に入ると忘れられなくなるのが辛い。本当、頭から抜けないんですよ。

私が行った美容院は無駄なおしゃべりは控えてくれるようお願いできるところなのでそのとおりにしてもらえていて気が楽だったのだけど、周りの人たちは自分たちの思うようにおしゃべりするし、まあそれに対して私はやめろという権利はない。好きにしたらいいとは思う。でも内容がひどいと本当に辛いわけで。

その時私の隣りにいたのは、私より2歳年上の離婚経験が2回ある女性で、その人の恋愛や結婚にまつわるエゴ、芸能界の結婚事情について自分が思うエゴについてかなり赤裸々に話していました。知らない人たちしかいないところで逆に話しやすかったんじゃないかな。自分は他人の話は記憶に残らない性質なのかも。まさか隣りにいる人がかなりの情報をしばらく経ったあとでも覚えているとは思わないでしょう。まあ、覚えていてもしょうがない内容だったのだけど。

それをどうしても聴きたくなくてシャットアウトするために、頭の中で般若心経を唱えたのよね。そうしたら唱えている間はシャットアウトできた。でも途中で続きがわからなくなって集中力が途切れてまた耳に入ってきて、その人の親戚の結婚話は把握しちゃったんだけど。

でも般若心経にある語句を頭によぎらせていくうちに(上記の「三毒」も絡んでいます)自分に対していろんな戒めが出来てくるなあとも思うようになって。

私はバリバリの仏教徒でもないし(父親は宮司で山伏だけど)お婿のろくちゃんはカトリック教徒なんですけどね、自分の欲深さを知れば知るほど、抑えるための宗教って必要なのかもしれないねと先日も親友と話したところでした。

 

それにしても、おしゃべりもまた欲のひとつ。しすぎるのは体に良くないんだって、養生訓に書いてあった。おしゃべりの内容にもよると思うけれども。

沈黙の美しさを大事にしたい…ブログにはずらずら書いちゃうし、SNSには止めどもなくつぶやくんですが、本当なら発信しないのが美徳なのかもしれない。

 

今度は般若心経をきちんと覚えて臨みたい、と思っているんですけどお婿のろくちゃんは「寿限無とか雨ニモマケズとかでいいんじゃない」と。どっちも覚えている…

牧春牧ソングを探そう

8月23日に劇場版おっさんずラブを見て、これで完結ということに気持ちを落ち着けることが出来ず、見せてもらった話の流れ、演技の意味を探すとともに(連続ドラマ版からそういうことをさせる傾向があるじゃないですか)、気持ちを鎮めるためになにか音楽を…と、あれこれ恋愛ソングをあたっていたのですよ。

 

前述したドリカムの名曲「Love goes on…」もいいですね。お互い愛し合っているけれど一緒にいると胸が苦しいくらいドキドキする、このままずっとまつげが頬に触れるくらいの距離で一緒にいよう、みたいな愛が続く歌です。

 

LOVE GOES ON・・・

LOVE GOES ON・・・

  • provided courtesy of iTunes

 

LOVE GOES ON …

LOVE GOES ON …

 

 ドリカム、いまはそんなに聴かないけれどこの曲だけは特別に、もう何回聴いたかわからない。

 

往年の名曲で色んな人がカバーしているバングルスの「Eternal Flame」もすごくいいんですけどね。特にLISAがカバーしたのが好きです。

ETERNAL FLAME

ETERNAL FLAME

  • lisa
  • ポップ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 歌詞は検索したら出てくると思うけどたしか自分がどれだけあなたにドキドキしているかわかるか、って感じだったような気がする。とにかく甘い。

 

むしろ椎名林檎がカヴァーしたグリーグの「君を愛す」もいいかもね。

君を愛す

君を愛す

  • provided courtesy of iTunes

 

どれもどちゃくそラブソングですね。私なんでこんな甘々ラブソングを知っているんだろう…

 

で、たどり着いたのが最近の曲。

supercellの#LOVE 

#Love feat. Ann, gaku

#Love feat. Ann, gaku

  • provided courtesy of iTunes

 


#Love feat. Ann, gaku

あ、埋め込めた。

男女のデュエットですけど、べつに性別関係なくいける歌詞だと思う。掛け合いがロマンティック。ダンスも大好きでずっと見ていられる。

 

甘い気持ちで自分をこじらせるのも悪くないなあと思って聴いています。

 

で、連続ドラマ版おっさんずラブ6話のラストとか劇場版の花火のシーン終盤からはやたら米津玄師さんの「Lemon」がハマるから勘弁して…って、復縁してくれてよかった本当に。

 

そういう反面で、他所様が作った作品に求める自分の「こうであってほしい」「もっと続編を、自分がいいと思うエピソードを」という気持ちについて、椎名林檎の「鶏と豚と蛇」の歌詞がハマるなあと思っています。


椎名林檎 - 鶏と蛇と豚

貪瞋痴な。歌詞が字幕で出るのを書き起こしていたら特に思った。

 

 

しっくりする音楽を見つけることでなにかしらの気持ちにケリがつくかもしれない、と(そんなに牧くんの物語をこれから新しくしることはないという現実が辛いらしい私)あらゆるラブソングを探し中。なるべく明るくて前向きで愛でいっぱいのがいい。

 

つらい…食欲減退、辛い現実に目を向けたくなくて睡眠に逃げて悪夢で起きる日々よ。牧くんロスおそろしー…

 

大昔、はてなのサービスの個人の人の企画で「自分におすすめの曲を紹介できてどストライクだったらお金をあげる」ってイベントで本来なら何人かの気に入った曲を提供してくれた人たちへ分配予定のお金を一番気に入ったからと全額もらったことがあるんですよね。そのくらい、その時の誰かの気分にフィットする曲を探すのが好きかもしれない。いまは自分の今の気持ちにフィットする曲を探すのに夢中。

 

19011 辻村七子「宝石商リチャード氏の謎鑑定 邂逅の珊瑚」

 なんと、アニメ化!微妙な関係性のブロマンスっていま流行りだしなあ…と思ったのですが、アニメ制作が「朱夏」さんなので期待はできるかもしれない。あと、リチャードの声優さんが気になる!

 このシリーズはずっと追いかけていたのですが、スリランカ編になってからは読むのがざっくりすぎて、感想を書くのも…って感じでした。

 

だって二人の関係性が言い訳がましい。枠にはめなくていいのに枠が邪魔をしているような。あとリチャード氏のややこしいバックボーンがいろいろと面倒くさいというか。

広い世界を相手にしている割には身内で揉めてるというか…

そして謎を鑑定しているのかという、前からある疑問がちらつくわけで。

 

でも今回はわりと進展があったと言うか、踏み込んだ内容でね。

正義(ジャスティスとは読まない)くんのほうはあーだこーだと混乱を極めているけれど、リチャード氏の方はハグはするし額にキスもするという、尊いアプローチ…なんならそれリチャード氏の価値観で言ったらもうプロポーズじゃんとも取れる言い回し。

正義くんもリチャード氏が結婚するかも、ってなったら泣いて嫌だと思っているあたりがね。なんかごちゃごちゃと理由を分析していたが、二人をつなぎとめる交換した宝石を縁にしているあたりがね、もう親の再婚を嫌がる子供の次元じゃないですからね、あなた。

 

でもね、じれったいのよ!結局収まるところへ収まらないし私にとってはどおおおおおおおおおおでもいい小娘が引っ掻き回す事件の核心へ、ってところらしい。

 

左様でございますか…

 

そんな気持ちで、本を閉じました…お話の展開はどうあれ、本当にじれったいんじゃあ!

#劇場版おっさんずラブ LOVE OR DEAD シナリオブック (映画のネタバレあり)分かる人にだけわかるネタバレと、ここ数日で感じたこと

 やっと届いた…今度から早め早めにオムニ7やな、発売日に欲しい本は。Amazonよりは確実。yahooショッピング関連よりも確実。ただしあんまりポイント的な旨味はない。あとセキュリティ大丈夫?って不安はあるね。

読んでいると映画のことを思い出して色々面白いし、前日譚は素敵ですよ。読んでまた映画が見たくなること請け合い。じゃあ、感想書いていきますか!あと公開からこっち、様々な意見を見る中で思ったことも書いているから、ざわついている人は引き返してくださいね!

劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~ シナリオブック

劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~ シナリオブック

 

 ここから↓↓

 

続きを読む

#劇場版おっさんずラブ LOVE OR DEAD 記憶が蘇るごとに「あれ!」「あああああ」「すごい」って言うてる(ネタバレ含む感想)

 シナリオブックが届くの明後日だってよ…Amazonで頼んだらもっと遅くなるから慌てて発売日にわりと手に入ると定評のあるオムニ7で頼んだけどタイミングが遅かった…

思い出したりひと様のツイートを見て「そうよ!」と首肯することあり、2回見たくらいじゃまだまだ自分の受け止め方が足らない気がする。というか、とんでもないシーンを何気なく流してることが多いこと。ということで今夜もネタバレだあ!

劇場版おっさんずラブ?LOVE or DEAD? オフィシャルBOOK

劇場版おっさんずラブ?LOVE or DEAD? オフィシャルBOOK

 
劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~ シナリオブック

劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~ シナリオブック

 

 

ここから↓↓

続きを読む