夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

ダーク・タワー(映画)原作のネタバレあり

黒衣の男は飄然と砂漠の彼方へ立ち去った。ガンスリンガーはその後を追った。

 原作は5部の途中まで読んだけれど4部までは確実に超好きな私が見ますよ。

実写化不可能と言われていたけれど、凄まじいイマジネーションがないと不可能、って意味だろうなとは思っていたのだけど、CGで補えるようになっても作りての想像力は大事だと思う。それにしてもわりとちゃんとしているし黒衣の男はマシュー・マコノヒーで良かった。普通の姿をしているのに超不気味で超こわいもん。

 

ニューヨーク。
少年ジェイクは毎夜同じ夢にうなされていた。
“巨大なタワー"“拳銃使いの戦士"そして“魔術を操る黒衣の男"…ある日、ジェイクは現実世界と夢で見た≪中間世界≫と呼ばれる異界が時空を超えて繋がっている場所を発見する。
中間世界に導かれたジェイクは、そこで拳銃使い<ガンスリンガー>に出会う。
彼は2つの世界のバランスを保つ塔=ダークタワーを守る最後の戦士であり、タワーの破壊を目論む<黒衣の男>を倒すため旅を続けていた。
一方、ジェイクが特殊な能力を秘めた存在であることに気づいた黒衣の男は、その強大なパワーを求め、ジェイクたちの前に立ちはだかる。
いま、ガンスリンガーと黒衣の男が相まみえる! !

 スティーヴン・キングのライフワークと言われているけれどライフワークが完結してもなお、大作を生み出しているのよね。原作を読んだ頃にはピンとこなかった「ポータル」という言葉がいまではネット用語としてわりと浸透しているからどんなものか漠然とわかる。

そして原作の1巻を読んだころには怖くて読めていなかったシャイニングを読んでいるいまではジェイクの「かがやき」がなにかわかるのですごく感慨深い。

 

あんまり評判がいいとは言えないこの度の映画化ですが、私的に「黒衣の男は飄然と砂漠の彼方へ立ち去った。ガンスリンガーはその後を追った」とか「父の顔を忘れるな」とか原作の大事なキーワードが出る度にキャッキャ言っちゃうしあっちとこっちを行き来してローランドがそのギャップにさらされても笑える感じが殆ど無いあたりのハードボイルドな感じが良い感じです。

吹替版で見ているのだけど、黒衣の男を井上和彦さんが演じていて、怖い役がまた合うんだわ。

主演のローランドをイドリス・エルバが演じるのだけど、ローランドはクリント・イーストウッドのイメージがあったので意外に思いつつも、でもガンファイトのシーンは魅せてくれるしいいんじゃないでしょうか。ボロボロ具合もいい風格。

ジェイク少年の鼻の穴でけえなあ、甥っ子になんだか似ているなあ、と思っているのだけど。

別に悪くないよなー…と思っていたんですけど。最後までは。

 

 

あれ、オチが全然ちがくね。(ここから盛大にネタバレするお)

 

 

ローランドがじいさんにならない。

黒衣の男はあんなあっけなくない。ローランドと黒衣の男との重要な対話がない。

ジェイク死なないってどゆこと…ローランドにぶっ殺されるよなーと思ったのに。

ただのおっさんと少年のバディ誕生話になってる…ちがうちがう、やばいくらい狂気をはらんでいる話なのに原作は。

 

 つーか20年以上前に読んだのによく覚えているな、わたし。

 

 

原作知らない人には、いろいろ世界観とかが意味不明かもしれないし、原作知っている人にはオチがこれじゃないだろー?って違和感があるかもしれない。

評判って、あながち間違いじゃないんだな。

せっかく映画化したのにもったいない…ちゃんとやって次につなげてほしかった。子供を殺すのが実写化では難しいならはなから実写化しなくてもいいのでは。

なんで実写化したんやー…

つーか2時間程度の縛りではぜんぜん面白くないことがわかったので、ネトフリあたりでシリーズ化してほしい。

あーもったいない。漸くの実写化なので見られてよかったんだけど、もったいないよー…