夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

クリストファー・プリースト著 古沢嘉通訳 「双生児」

双生児 上 (ハヤカワ文庫FT)

双生児 上 (ハヤカワ文庫FT)

双生児 下 (ハヤカワ文庫FT)

双生児 下 (ハヤカワ文庫FT)

あの又吉直樹さんがおすすめして話題になっている「紙の動物園」の翻訳者である古沢嘉通先生が、「紙の動物園」を決まった日までに読んで感想と好きな作品3作をツイッターハッシュタグでつぶやくと抽選でケン・リュウさんと古沢先生のサイン付き折り紙と次に出版する翻訳作品に翻訳者サインをつけてプレゼントします、というイベントを行われて、私も応募して3倍くらいの確率から当選したのですが(素晴らしい販促でござった…ほかの人の感想や好きな作品も知ることができて、みんな意外とかぶらないの)、その「次に出版する翻訳作品」というのがこちらの「双生児」で、発売日より少し前、書評家や関係者に配られるのと同じタイミングでいただくことができました。

もともと早川書房さんで単行本として出版されて単行本だけに気後れしていたのだけど面白そうだなーとは思っていて、70周年記念で文庫化復刊と伺って買おうとは思っていたんだけどまさかいただけるとは。

積まないで読みましょう、という働きかけ?や次なるキャンペーン*1もあり、なによりも物語が面白そうだからとっとと読んじまいました。

あらすじ↓

1999年英国、著名な歴史ノンフィクション作家スチュワート・グラットンのもとに、J・L・ソウヤーなる人物の回顧録原稿が持ちこまれる。第二次大戦中に活躍した英国空軍爆撃機の操縦士でありながら、同時に良心的兵役拒否者だったJ・L・ソウヤーとはいったいどんな人物なのか…。稀代の物語の魔術師が、持てる技巧のすべてを駆使し書き上げた、“最も完成された小説”。アーサー・C・クラーク賞、英国SF協会賞受賞作。

感想というか、これは何を書いてもネタバレになってしまうおそろしい作品。
己の知識が試されるところもあるというか、欧州における第二次世界大戦の流れや著名な人を知っていたらより楽しめると思います。もしくはウィキペディアで調べちゃうとか。
このブログでの履歴でもわかるように私はここ数年、第二次大戦ものづいているので(「ブラックアウト」「オール・クリア」「秘密」ほかに「シェル・シーカーズ」、あと母親からホロコーストに関する知識を叩き込まれていたり)物語の流れにうまくのっかることができました。

でもそういう知識がなくても楽しめるのかも。読んでいる間に物語の仕掛けに巻き込まれ、終わりを迎えた時にはまず驚くだろう。この物語を与えられたことに対してどう思うかは人それぞれだけど私はありがたく頂戴しました、ははーってひれ伏してしまった。
注意深く読まないとストーリーテリングが巧みだから首をかしげているうちにすらすら読めちゃうかもしれない。物語とはなにかという基本的なところからまず見直すきっかけになるかもしれない。
そういう読後におけるあらゆる可能性が起こりうる不思議な作品なのです。
変に構えるより楽しんだほうが勝ち。読後にあれこれ考えたり、自分なりに受け取るのが楽しい。いまもあれこれ考えている。

キャンペーン締め切り明けにネタバレ感想も書きたいなあ。小説の書き方がすごいのでこまかくツッコミ入れたい…

ちなみに私にとって主人公のJLソウヤーはアーミー・ハマーでイメージしました。

紙の動物園 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

紙の動物園 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

*1:2015年9月30日までにハッシュタグ付きで感想をつぶやいた方にケン・リュウさんの第一長編を邦訳出版時に翻訳者サイン付きでプレゼント!太っ腹だ!!!ハッシュタグはこちら→ #cpsepara

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