数作ぶりにわりとちゃんと読みました。全作一応買っているっちゃあいる。
ここ数作、2部になってからトーンダウンしたのは、私が日本語で最初から書かれた小説に感じる引っかかりがこちらでも激しく引っかかるようになったから。表現の仕方に独特の癖があってそれが目につくと気が散ると言うか。翻訳だとワンクッションあって元が日本語で書かれていないからそういう癖が出にくいんですよね。翻訳者ごとに若干の癖はあるかもしれないけど。
辻村七子先生の場合はよくね、台詞の表現で「………○○○○」って、最初に溜めがあるんですよ。たしかにそういう表現があってもいい。でもそれが多い。あと、台詞の応酬で物語を展開させるシーンが若干ある。そこはどういう動きがあってその台詞か、漫画じゃないのに漫画のように絵でわからせたい感じの台詞の乱立がちょいちょいある。隣の部屋にいたはずのシャウルさんが出てきて会話に混じったんだろうな、ってわかるにはわかるけど、そういう描写はなく台詞と台詞の間に台詞で混じっちゃう。一瞬だけそれ誰が言ったの?って入り込んだ物語から気を削がれる瞬間がある。
物語の筋とはさほど関係のないところで引っかかり、2部で燻り続けるオクタヴィアさんという陰キャの存在がどうでもよすぎて主人公二人の関係性を追うのも疎かになったと言うか、この二人も下手に同性なのがいいのかわるいのかわからん、でも男女だったらとっとと出来上がっていたのかそんなの男女であっても特に性的なもの転ばない関係性を持つ人達を蔑ろにするしと読んでるこっちが変に懊悩してまうということになり、なんかセックスってなにかね…という、この世界でなるべく目を向けないものに目を向けてしまう。
そういうものにとらわれる私がだめなのか、人間なんだから当たり前なのか。自分が富野由悠季監督になったような気持ちになった…分かる人にだけわかれ…
それはどうあれ、この完結した2部で主人公二人はこの二人にしか到達しない関係性を築いた感じ。お互い両想い。めっちゃ相思相愛。離れられない。離れたら死ぬ。
そこはすごいしいいぞと思うのよ。外堀を埋めまくるリチャード、逃げ場を自分で塞いでいく中田正義さん、もう無血開城よ!?そこで見つけ出した答えがそれ。そこで過激派読者的には「もっとそこを…こう…ああ、じれったい!」って思うんだろうけどな。
リチャード氏はどっちでも良さそうなんだけど正義が頑ななのか、リビドーがないのか(リビドー言うな
そんな男性がいてもいいじゃない!って少女漫画好きのわたしは思うのだけど、その反面そんな男性がおるかあ!と思う現実のある意味地獄を見たことがある私が思うわけで。
現実とファンタジーの間を行ったりきたりしている間、一貫して私のなかで渦巻いていたのが…
「リチャード氏、また謎鑑定してねえ…」
でした。でも美しい人が美しい人として扱われ、振る舞い、好かれている物語は好きだから続きがあるなら是非読みたいですよ。
アニメ化されたのを見損なってここまできてる。見た人どうだったんだろ?日々忙しいからさ、もう知っている物語を改めて見るならちゃんと出来が良くないとって思いがちで、だから知らない物語の方を優先してしまう。
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櫻井孝宏さんがリチャード氏ってだけでアリだけどな。でもなんだろう、永久に閉ざされた理想郷で宝石売ってそうな…世界中を徒歩で巡っていそうな…呪文は噛むって言いそうな…胡散臭さが若干あるような。とても上手な声優さんだからリチャードを演じるときはあの軽やかさはないんだろうけどな、ほぼ毎日あの声を聞いているだけになー。しかしぴったりの配役。というか諏訪部さんじゃなかったらたかひろさんがいいって勝手に思ってた。