キャストも吹替のキャストもすごく豪華!
NY郊外の館で、巨大な出版社の創設者ハーラン・スロンビーが85歳の誕生日パーティーの翌朝、遺体で発見される。
名探偵ブノワ・ブランは、匿名の人物からこの事件の調査依頼を受けることになる。
パーティーに参加していた資産家の家族や看護師、家政婦ら屋敷にいた全員が第一容疑者。
調査が進むうちに名探偵が家族のもつれた謎を解き明かし、事件の真相に迫っていく―。
今の時代にアガサ・クリスティへのオマージュとして映画を作るのってどうなんだろうと思いながらも舞台装置、キャスト、探偵がものすごく魅力的だったので劇場公開時から見たくて見たくて。
ダニエル・クレイグがちょっと癖の有りそうな探偵、大好きなキャップがどうしようもないバカ息子役、ドン・ジョンソン(小学生の頃マイアミバイスを見ていたのですごく感慨深い)とジェイミー・リー・カーティスがその親、この度謎の死を遂げるのがクリストファー・プラマー!ほかにも顔を知っている演者の人たち。
吹替の方は私は007はいつも字幕で見ていたので馴染みがないけどダニクレの声優さんは決まっているらしい。キャップはとても馴染み深い中村悠一さん。そして物語で重要な立ち位置の看護師アナ・デ・アルマス演じるマルタは大好きな小林沙苗さん。トニ・コレットは田中敦子さん。クリストファー・プラマーは小林清志さん。小林清志さんが演じられるんだから吹替を選んだの正解かも。ご高齢ながら年齢的にほぼ同じ俳優さんを声優さんが演じるなんてありがたい。
それに娘が女優でなんしかの問題が頭がよぎってしまうクリストファー・プラマーと父親が有名な俳優だったジェイミー・リー・カーティスが親子役で共演しているのも気にしなくてもいいけど変な感覚だなーと思って見ています。
お話は映画を見て存分に味わえばいいので配役や演技に言及しようと思います。あと構成とか。
キャップの印象が強いクリス・エヴァンスがアクションとはまったく違うこういうミステリー作品でキャップの印象からかけ離れたガラの悪いバカ息子を演じるからどうなんだろうと思ったら、これが、マッチョなのが効いていて本当に根っから不遜で感じが悪いバカ息子に見える…陰気で皮肉な微笑み方といい。雰囲気がぜんぜん違っているのに作り込んでいる感じがない。よかったー、と何故かホッとするけど予告編から既に違ってたから確信した気持ちです。キャップはキャップ以外でも大丈夫。ギフテッドを見てなかったけど評判悪くなかったはず。あとアラン編みのセーターが無茶苦茶似合う。
一定の人数がいて関係性が入り乱れているのにわかりやすく、すぐに相関図が書けそうなのは冒頭から10分程度の展開の旨さによるもの。看護師が被害者の孫娘と仲がよく、被害者の家族の中にはクソみたいな人が殆どだというのもわかる仕組み。
ダニクレは元々コメディ志向があるみたいで007でもちょいちょいくすぐってくるのだけどこの作品でもそこが花開いていて目が離せないしなんともチャーミング。クライマックスの独壇場ではこの人以外にこの役は考えられないくらいピタッとハマってました。顔立ちは冷徹そうなのに人間が良くて押しも強い。いい役見つけたなあ…シリーズ化してほしい。
よく出来た衒いが薄い王道ミステリでした。オチも気持ちいい。被害者の財産に集るクソみたいな身内のクソ部分も気持ちいいくらい露出されていて自然と誰に感情移入できるか誘導される仕組みがうまい。
期待通りだったので満足です。ええもん見れた。