夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

シュガー・ラッシュ

ディズニー映画を劇場で見たのはいつぐらいぶりかしら。たぶん「ポカホンタス」とかそのくらい以来。
今回は劇場はおろかDVDになってもスルーする気まんまんだったのだけど、モチーフがゲームで私の大好きな人たちがたくさん出てきますよ、昇竜拳聞けますよと聞いて、ディズニー映画の3D技術は素晴らしいという評判もあって見に行くことに。

それが。

春休みだから子供だらけ。映画の日だったから大人も容赦ない。
嫌な予感がしたので前持ってチケットを予約しておいて良かった。子供が騒ぐ中で良い席におさまり、たぶん映画が始まったらこの子達はおとなしくなるわと思ったら一人だけ「喉が乾いた」と騒ぐ子がいた。まあ、日頃子供の空気の読まなさやマナーの知らなさには慣れているので平気だし同伴したお母さんが困っていると同情するけど(気にしない母親も最近増えてきたし)。
しかし、作中で顔を並べるゲームの悪役たちで子供達が反応を示すのはやっぱりクッパ。ソニックは出た時にソニックだとわかる子もいたけど、敵はピンとこないでしょ。私くらいのファミコンからゲームやっていてベガもザンギエフも知ってる人じゃないとザンギエフなどはただのプロレスラーにしか見えない。バルログが出て欲しかった…のはさておき、クッパは体の質感が細かくて触って見たい感じ。
お話はあれよあれよといろんな伏線を残してレースの筐体ゲーム「シュガー・ラッシュ」の中に入って行くのだけど、その世界観が甘党ホイホイ。そしてレースに参加するライバルたちの頭身の低さ、顔立ち、衣装や車のボディがもう、体に悪そうなくらい甘くてポップ。日本語吹替版では彼女たちは吉本の芸人たちが演じたのだけど特に違和感なく(知らなかった、というのは大きい)うまかった。意地悪なキャラクターたちなんだけどアメリカの女の子たちが好きそう。フィギュアになったら欲しい。
レースシーンの迫力はマリオカートっぽいなと思ったら、そもそもマリオカートを映画でやりたかったらしい。
アメリカのゲームオタクさんたちありがとう。
この作品を見ていて思ったのが、日本のゲームはすごいな、ってこと。小ネタを含めてやたらと国産のゲームネタを見かけた。たくさん輸出されているのだからもはやどこの国が発祥とかどうでもいいけれど、子供の頃からやっていて知っているゲームばかりだけに胸熱。
ところでこの映画は日本語吹替のみ公開されたらしいけれど、元はラルフ役をジョン・c・ライリーが演じたらしい。それも聞きたいから是非DVDでも見よう。
お話は緊迫感のある伏線をたっぷり用意した、ディズニーらしいまとまりかたのあるものだった。安定したハイクオリティって素晴らしい。細かいところで泣かせるし、ヴァネロペが生意気だけど可愛い。超かわいい。

同時上映の短編映画「紙ひこうき」は大人のためのアニメという感じ。エヴァンゲリオンの時もあったけどこういう付録的だけど上質な作品を一緒に上映してくれるのは嬉しい。そういえばジブリはたまにやるな。どうなるんだろうと思ったらディズニーらしいマジックでえらく魅了されました。

子供向け扱いはもったいない。良作だしファミコンの世代がみたらハマるだろうな。