夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

コンテイジョン(映画)

 いまならまだ落ち着いて見られるけど去年だったらさらに怖かったよ!!!

 このジャケットのグウィネスが気の毒…女性は全員アカデミー主演女優賞受賞者ですね。しかもこんなに医療機関や記者に美男美女はいねーよと冷静になってしまうほど豪華な顔ぶれ…(この中ではローレンス・フィッシュバーンが一番好き)

 

だから2019年までに見ておけば、よく出来たフィクションだなーと楽しめたかもしれないけれど、いまはよく出来たフィクションではあるけど去年のドキュメントを見ているよう。

症状はここまでホラーっぽくはないだろうけど(脳は冒されないし)、高熱がすぎると痙攣はあったはず。

 

謎のウイルス感染が発生し、驚異的なスピードで全世界へ広がっていった。米国疾病対策センターは危険を承知でドクターを感染地区へ送り込み、世界保健機関がウイルスの起源を突き止めようとする中、ある過激なジャーナリストの発言が人々の恐怖を煽り、社会は崩壊していく。はたして人々が選んだ決断とは?

 

「顔に触らないで」

帰ってきたら服を全部脱がせるとかいまは我々が知っている予防対策だな

でもやはりマスク文化がないからか、プロの医者ですら感染対策が素人の私が見てもザルで、マスク手洗いの描写が少ない。映画なので顔を見せなければいけないのもあるだろうけど、見ていてヒヤヒヤしたり、そらー伝染るわと思う。

 

特効薬などのデマやWHOの調査員の拉致、身の安全を求めて看護師のスト、流通が止まり街が混乱とかこうやって映画でも想定できたことなのに見事に似たような騒乱が起こってるのよね。「口元を覆って」「うるせえ」というやり取りもちょいちょい起こった。

「誰にも言わないで」は信用できないよなー。こういうのもデマやパニックの原因になるから怖い。

略奪の光景はゾンビ映画にも似ていて不気味さが際立ってました。

 

「手を洗え」「恐怖の要因はテレビやネットの噂を信じること」

陰謀論者とリモートで討論とかもやってる。

ジュード・ロウが見事に正義ヅラしたくそったれを演じていました。ここまで美男じゃないけどこういう人もいたかもしれない。しかも愚かな信者がいて新興宗教みたいなカリスマ性。みんな自分の心が安まる方を選んじゃうから…

不安を煽るってお金になるのよね。

 

変異、ウィルスの培養は出来たけれど人間への治験はかなり先とかも見事に現実が再現。

辛抱できないカップルとかもね。

 

先にワクチン治験しちゃった医師の安らかな顔ったら。でも適応するまで時間がかかるだろうにそこをすっ飛ばしたところはめっちゃフィクション。これをフィクションだとわかっちゃうほど私も知識を得てもーた…

ワクチン接種がすげー抽選で行われているんだけど(誕生日で)2月29日生まれがどの程度優先されるかどうかで揉めそう。

 

「春だけじゃなく夏もムダに失うのね」このセリフも実にリアルだけどこれに対するパパの振る舞いが素敵でした。

 

 

いまの時代、起点がわかっても飛行機などの流通が目まぐるしいから世界中に広がるのは必至なので、またこういうことがあっても速やかな対策が肝心ですね。って2019年までに見ていたら思うのだろうか。アマゾンのレビューがそのへんを物語っていますね。2020年とその前とでえらい違い。

この作品を見たらなおのこと、感染源探しはあくまで対策のためで、犯人探しであってはいけないと思いますよ。最初の感染源である人やその家族の情報が嘘みたいに守られていることにはホッとしました。

 

生活の補償とか大統領の存在とかがほとんどなくて、CDCとWHOと軍関係者が表立っていたのが政治的立ち位置の中立性のためかしらん。当時は民主党政権オバマ政権)だったはず。不手際があっても現実のオバマへ投影されないようにとか??逆に持ち上げてもいないのは好感触。

WHOとCDCが微妙に連携が取れていなくて、調査員が拉致されていようがどうしようが影響も心配もしてないあたりもリアルな感じ。

 

今日こちらを見ることを選んだのは「上映時間が短めでマリオン・コティヤールローレンス・フィッシュバーンが見たかったから」という理由だったのだけど、序盤から咳でいまの私はドキッとして、そこから何かを触る、その触ったものを別の人が触るという描写で既に怖く、「ああそういえばコロナが流行りだしたころにTLでこの映画を見ろって話題になったわ、忘れてた!」って思い出しました。

去年見なくてよかったです。収束はしてないものの、情報がわりと落ち着いている今で良かった。

 

簡潔でわかりやすい展開と、つくり手の感情はあまり挟まない感じ、このキャスティング、さすがソダーバーグ!エリオット・グールドが大好きなのでまた起用してくれて嬉しい。モニカとロスの面白いパパですよ。(わりとすぐ「フレンズ」を絡めたがる)

ローレンス・フィッシュバーン演じる医師はちょっと美化しちゃうところとかはそういうところがある人もいると信じたくなるからいいんじゃないでしょうか。マリオン・コティヤール演じる人もそんな感じ。必要最低限のモラルは持っていてほしいですよねえ。マスコミ関係者にもな!!