夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

「ジキルとハイドに恋した私」(ドラマ)ネタバレ感想

 円盤買うの決定ですよおおおおい!

 二重人格でわちゃわちゃするラブコメかと思ったら3分の2はサイコ・スリラー、サスペンス成分高めでびっくりしたあ…

二重人格になるには理由があって、解離性同一性障害については私もちょっと詳しいんですよ。

なぜなら。

ゼノギアスをやったから!

ゼノギアス

ゼノギアス

  • 発売日: 1998/02/11
  • メディア: Video Game
 

 ネタバレするとゼノギアスの主人公が激しいストレス(人が目の前で死ぬとか)を感じると解離性同一性障害で残忍で超人的なスペックを持つ「イド(心理学用語ですよね)」に変わって破壊と殺戮を行うんですよね。

それで二重人格についてわりと学びました。人格の変化で記憶はどうなるとか。イド大好きだった…この作品の製作者はダークサイドにある人を魅力的に描くのがうまいんですよ

まあそれはさておきだ。知らなくても作中で丁寧に解説してもらえます。

 

韓国最大のテーマパーク“ワンダーランド"の常務ク・ソジンは、いつも冷静沈着。
それは極度の興奮状態になると現れるもう一つの人格を抑えるためだ。
ある日、主治医のカン博士から治療法を見つけたという連絡を受けるが、面会直前に博士が失踪してしまう。
一方、ワンダーランド専属サーカス団の団長チャン・ハナは、突然の契約解除に抗議しようとソジンを追いかける途中、何者かに襲われ、ソジンと瓜二つの男に救われる。
双子の兄と名乗る優しい彼こそが、ソジンの別人格ロビンだった!
ハナとロビンは互いに惹かれていくが、ソジンもまたハナのことが気になり始め…! ?

というあらすじなんですが、博士の失踪が結構後を引くしツッコミどころも満載。

私、内外のこういう作品をよく見ているからか、すぐに真犯人がわかっちゃったんですよね。

というかあんな形通りの犯人がおりますかいなって。

そうしたら私はU-NEXTさんで見たんですが、各話のサムネで真犯人が発覚するんですよコンチクショー

 

真犯人をほどほどのタイミングで視聴者には教えて、真犯人の鮮やかーな暗躍に歯噛みさせる狙いは見事に効いちゃって、もうイライラさせられる。

たまに真犯人が焦るあまりに下手こいた感じの展開になるのに、それには更に上を行く狙いがあるから失態をそこまで演じないところも面白い。

 

真犯人との対決が終わるまで結構長丁場でその合間にロビンとヒロインのハナさんの関係が深まり、ロビンの主人格のソジンさんもハナさんに惹かれていく(し、真犯人もハナさんに惹かれているふしがある。なんなら刑事さんもハナさんに好意的)というハナさん無双、ハナさんモテ期、ハナさんいつ仕事してるの?って展開になっていきます。

 

これが…マジで…ハナさんが仕事をしてるシーンが少ない。サーカス団の団長なのにサーカスの興行シーンがほとんどない。リハーサルとかちょいちょいやってる体はあるけどお客様を呼んでの興行がない。

あとゴリラが雑。

 

ハナさんのサーカス団の団長である意味って最初のゴリラと最初の綱渡りと、15年前にソジンさんの身投げを助けたくらい?あとは所帯ともいえるサーカス団のスタッフたちの食い扶持の心配をしなければいけないという立場が原動力みたいにはなっているけど、それも途中からはソジンさんが邪魔っけな扱いをしなくなったから問題がなくなるし…

だんだんハナさんがサーカス団の団長である意味が希薄になっていくのは多少残念でした。

もうちょっと活かしてロビンなりソジンさんなりと幻想的な世界を楽しむとかやればよかったのにね。

 

が、無問題。

 

だって私はヒョンビンさんが演じる二重人格のロビンとソジンさんが出ているだけでわりと満足なのですよ。

この二人の演じ分けがすごい。基本髪型と眼鏡で分けていく感じなんだけど、たまにトラブルにより、「ロビンのふりをするソジン」「ソジンのふりをするロビン」という設定があるとそれも見事に演じ分ける。

ロビンは愛想が良くなったリ・ジョンヒョクさんって感じで優しくて愛情豊かな人、ソジンさんは過去の不幸な事件のせいで心を閉ざし、自己中俺様第一主義だけど過去と向き合うことにより素直で抑制の効いた大人の振る舞いが出来るようになった人、ところどこど尊大だけどちゃんと人を愛することが出来て愛情を素直に求められるので序盤の大きなマイナスからのリカバリが大きくて暴落からのストップ高なの。

 

ヒロインの影響を受けて鷹揚で優しくいろんなことを許せる人になっていく過程がわりと丁寧に描かれているのでソジンさんの変化に違和感がないのよね、ヒロインの善良さが別にゴリ押しではないのもよかった。守られる理由も優しくされる理由も無理がない。

愛してくれるロビンと愛を求めるソジンさんが人格が違う同一人物だという事実にしばらく困惑していたけれどそれもさもありなん。でもちゃんと線引してロビンだけを愛してソジンさんは「心配」に止めようとするのは相手をちゃんと尊重しているので多重人格の人を好きになった場合のお手本のような振る舞いじゃないかしらん。

この辺は非常に丁寧だから仕事は二の次扱いになってしまうのか。

 

演じるヒョンビンさんがいかに素晴らしかったかは私のつぶやきにだだ漏れ

ここからのスレッドが全部「ジキルとハイドに恋した私」の感想つぶやき。

お父さんが小沢仁志さんに似てるからずっと「ひとしおざわ」って言ってる…

秘書のヨンチャンさんが「アルハンブラ宮殿の思い出」でも善良な先輩役で出ていましたがこちらでも善良でコミカルで楽しい人として大活躍です。ヒョンビンさんが御曹司やCEOをやるときは秘書が必ず素敵な人のイメージがついてしまいましたが、今回もよかった。ヨンチャンさんのいるいないでこのドラマも雰囲気が変わる。

 

つぶやきにも何回かぶつくさ言ってるけど、ヒョンビンさんは眼鏡がないほうがいいなあと思うのですが、最終回のメガネを外したソジンさんがかなり魅力的。

私がメガネがないほうがいいと言うのはかなり珍しいですよ。太めのセルメガネだったらすごく好みかもしれないけど細めのフレームが多かったからかな(トム・フォードだったらしいけど、トム・フォードならなおのこと太めのフレームが…と、私はメガネにうるさい)せっかくのヒョンビンさんの美しい面差しがもったいないと言いながらメガネ姿に見とれてメガネを外すと違和感も残るようになったり。どっちでも美しいからな、結論として。

そしてスーツが死ぬほど似合う。スーツとか軍服とかを着るために生まれてきたんじゃないかっつーくらいパーフェクトな体つき。しかも1話ではなぜかサービスしてくれるぞ!

しかしこれを見る度にジョンヒョクさんはサービスがなかったからそれが良かったとも思えるのよね。なくても全然。

ロビンとソジンさんとでは話し方、イントネーション、声も違うのですが、どっちにしても声が素敵なんですよ。何言ってるかわかんなくてもずっと聴いていたい。甘い。いままで聴いた男性の声の中でもこんなに甘い声はあまりいない…めっちゃ糖分過多になる。

 

ヒロインも美人さんで(前に1話で挫折したドラマの主人公で素敵だったから覚えてました)うるさくないしその場その場で感情の起伏も大げさすぎず丁寧に演じるから隣りにいても魅力的に思いました。

 

過去の向き合い方、博士失踪事件の犯人の暗躍のえげつなさなど見どころもいっぱいあって緩急の付け方、恋愛の取り扱い方とサスペンスのバランスも非常に良い。

ところどころ気になるところもあるけれど、質は高いドラマでした。

 

ということで円盤を買おうそうしよう。

 

そういえばアンドロイドのスマホでちょいちょいあった画面が湾曲したやつ廃れたのかな。このドラマではみんなが使っていましたが。