夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

「トッケビ 〜君がくれた愛しい日々」(ドラマ)ネタバレ感想

 さすが人気だけあるわあ

 ユーリオンアイスの直後に諏訪部さんが告知していたのってこの作品だったのね。見ておけば…また人生が変わっていたかもだ。もっと早くから韓ドラにハマっていたかもだ。

吹替で見たかったけど配信では吹替はおそらくどこもないのでいつもどおり字幕で見ました。

円盤だったら吹替もあるだろうからなあ、そのうち借りるかも。

 

トッケビという存在についての情報を日本に住んでいる私は全然知らないからなんか妖怪みたいな座敷わらし的な存在なのかなーとか思いながら、最初はヒロインがそんなに美人じゃないからそこを面白く思って見ていたんですよ。韓国のヒロインって飛び抜けて美人か飛び抜けて地味な面差しの人の差が激しいのかなとか。でもこの作品のヒロインは笑うととっても魅力的。これは好きになるでしょうってな。ウンタクちゃんすごくいい子だったし、キスしたいときのブチューって表情が超絶可愛かった。そりゃあしたくなるしからかいたくなる。

 

詩のようなモノローグ、900年前に起こったことが端を発しているからちょいちょい時代劇が混ざるので古風な言い回しありかと思えばヒロインが女子高生という設定なのでテンションが高いところもあり、緩急がしっかりしていて面白いんだけど、後半になるまで「トッケビおじさんいつまでも剣を抜かれない問題」がジリジリしていて、その代わりヒロインとトッケビおじさんが距離を縮めたまま多幸感でいっぱいのラブラブな展開が続くのでそういうのが好きな人には大好物なお話だなと思って見ていました。トッケビおじさんがメロメロになっていくのがすごい。不意に緩む嬉しそうな表情とか季節外れの花が咲いてしまうとか。

私もコン・ユさんのキョトンとした表情は大変かわいらしいと思って見ていました。終始優しい表情していたなーって。

そして死神さん。トッケビおじさんといいコンビですごく面白い。後半起こるあれやこれやもこの人なら大丈夫とか変に安心して見てしまった。死神さんの恋の行方のほうが心配だったり。

韓国の俳優さんは泣くのが上手だし、泣くシーンに無理矢理な感じがないのもいいな。すごく自然に大泣きする。当たり前のように。その感情の起伏、わかりやすくて嫌いじゃない。

シークレットガーデンの脚本家さんだというので、14話までの展開でこれ16話(最終回)はおまけみたいにラブラブした展開じゃないの?いろいろ不安はあるけど!って思っていたらまさかのトッケビおじさん以外全員死亡という展開でびっくりしたけどさ。

生まれ変わりがある世界観だから許されると言うかハードルの低い展開ではあるけれど、トッケビおじさんが寂しくて可哀想で見ていて胸が痛くなりました。

死神さんと社長が生まれ変わってもトッケビおじさんとの友情が復活しないで終わったのは切ない。

それにトッケビおじさんは復活したことによってより不滅の人になっちゃったから絶対ウンタクちゃんとお別れのときはまたくるわけで。

決してハッピーエンドじゃない。ファンタジーなのにそのへんやけにリアル。

 

敵のあの気持ちの悪いおっさんが超たちが悪かったけど意外にあっさり倒されたのはいいとして、おまけのように出てきたトッケビおじさんの生前の部下の人、もっと現世で活躍してほしかったな。梨泰院クラスの元刑事さんの人が演じていて私はあの人のすっかりファンです。顔のパーツが綺麗に真ん中に集まった感じが好き。

 

死神さんの仕事がらみで悲喜こもごもというか愛憎いろいろある人の死がサブストーリー的に描かれることが多かったのだけど、そのなかで朝鮮戦争の突然の休戦でうっかり分断してしまった夫婦の話がもういま私の中で旬なのでボロッボロに泣きましたよ。

しかも死神さんの転生後の名前が「イ・ヒョク」だし…

偶然でしょうけど。社長に「ヒョクちゃん」って呼ばれそう

 

ウンタクちゃんの死に方があっけなさすぎてリアルで幸せの絶頂期だっただけにそんなんありかよと私もお婿もおいおい泣いてもーて。だってあんなにいい子だったのに。

 

ドクファくんがものすごく可愛い子でしたが、いいキャラしていてたまに神様に憑依されていると更に美しく、振り幅が大きな割に最後は結局どうなったのか触れられなかったのが残念。きっと良い家庭を築いていて子孫を反映させているといいな…なんて思いました。

 

屋敷や調度のセットが見事でそこも見応えがあり、韓国ドラマのお金持ち設定ってこういうところも好き。お金持ちがめっちゃお金持ちっぽいの好きなのよね。

その反面でウンタクちゃんが叔母たちからひどい目に遭うけどああいうのは古今東西どこにでもいるんだなあそしてうまかったしやることえげつなかった。

これに絡んだおばけエピソードも良かったな。

 

というように、登場人物ほぼ全員が好きになれるドラマです。1人だけはまあ、好きにならんわな。

死神さんとトッケビおじさんの友情が、お互い反目してるはずが早々に相談し合ったり相性の良さが言葉でなく演技や演出で伝わってくるのも良かった。

かなり好きになったのでまたこの脚本家の作品を追いかけます。