夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

今週の #まんぷく (第24週目)

 とうとうあと6話で終わってしまう…

NHK連続テレビ小説 まんぷく 下

NHK連続テレビ小説 まんぷく 下

 

 こうやって通してみるとまんぷくヌードルにかなりの時間を使ったような気がする。着想、容器と麺と具材それぞれに焦点を当て、どれも従来に殆ど無い発想だったと。麺を容器に入れることすら。

それを細かく丁寧に描写しつつ、箸休めのような存在だった名木くんのわりとどうでもいいエピソードも実は重要でした!というのも、この物語を大きく見ていけばなるほどと。忠彦さんの戦争での被害も重要だったし、マンボも実は重要であったように。忠彦さんがおっしゃるように、忠彦さんと克子姉ちゃんの恋愛はそう重要でもなかったのか?忠彦さん的には。お話が始まったときにはすでに4人の子持ちだったものな…

 

忠彦さんの恋愛以外はどれもまんぷく食品のパッケージに収束していくというね。

真一さんと忠彦さんが仲がいいというのもパッケージに収束していくという…あの義兄弟本当にいいよね…素晴らしい関係性だと思うの。大人の品と良識がある男性同士でね。軋轢のあの字もなさそう。お互いを尊敬しているしな。

まんぷく食品の幹部が森本さんを除いて身内になったり(森本さんも塩軍団からの関係なので身内みたいなものだけど)してまんぷく食品へ収束するというか、女系家族の今井家に収束するというか。

 

萬平さんたちが作り出すものがどれほど当時の価値観や常識をくつがえすものだったのかを始終しつこく「ないわ」「ないわ」と否定している世良さんと鈴さんの存在によって当たり前になった現代人の視聴者にも伝えてくるのも上手だと改めて思う。

100円は高い、その100円である理由がこれからあと社会を見据えているのもすごい。

 

リアルタイムで追いかけていると合間合間のエピソードがお話と関係なかったりすると首をひねるものだけど、この作品はそれすら重要になりえるから目が離せないところがある。

 

源ちゃんの仕事に対する向き合い方が3月のはじめ頃を思うとすごく変わっているけれどそれがあからさまでもないし、幸ちゃんが脇に引っ込んだ感じはあるけれどすごく美しい佇まいを見せたり周りに優しかったりね。時間の経過が人を成長させているなあ。

 

で、時間の流れで一番気になっているのは鈴さん。

ほぼノーメイクと思われる病床での姿が美しくて、口を開けばいつもの鈴さん、いつものブシムスなんだけど眠っていると目を奪われるほどの美女で。見惚れてしまった。

予告の流れがむしろギャグかと思うほど死に向かっているのでびっくりしたけどね。

やっぱりこのお話はふくちゃん、萬平さん、鈴さんのスリートップだったのだと言わんばかりにクライマックスに鈴さんの死を据えてくるのかなあ。

これほど死んでほしくないと思わされた朝ドラの母はいないかもね。

 

ほとんど即日に追いかけられていた「まんぷく」がいよいよ終わりを迎える。こんなにちゃんと見た朝ドラ初めて…でもないけど、すごく丁寧なお仕事を見せていただいた充実感でいっぱい。良い締めくくりを見守りたいと思います。