夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

ナイブズアウト(映画)(吹替)

 キャストも吹替のキャストもすごく豪華!

ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密(吹替版)

ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密(吹替版)

  • 発売日: 2020/07/08
  • メディア: Prime Video
 

NY郊外の館で、巨大な出版社の創設者ハーラン・スロンビーが85歳の誕生日パーティーの翌朝、遺体で発見される。
名探偵ブノワ・ブランは、匿名の人物からこの事件の調査依頼を受けることになる。
パーティーに参加していた資産家の家族や看護師、家政婦ら屋敷にいた全員が第一容疑者
調査が進むうちに名探偵が家族のもつれた謎を解き明かし、事件の真相に迫っていく―。

今の時代にアガサ・クリスティへのオマージュとして映画を作るのってどうなんだろうと思いながらも舞台装置、キャスト、探偵がものすごく魅力的だったので劇場公開時から見たくて見たくて。

ダニエル・クレイグがちょっと癖の有りそうな探偵、大好きなキャップがどうしようもないバカ息子役、ドン・ジョンソン(小学生の頃マイアミバイスを見ていたのですごく感慨深い)とジェイミー・リー・カーティスがその親、この度謎の死を遂げるのがクリストファー・プラマー!ほかにも顔を知っている演者の人たち。

吹替の方は私は007はいつも字幕で見ていたので馴染みがないけどダニクレの声優さんは決まっているらしい。キャップはとても馴染み深い中村悠一さん。そして物語で重要な立ち位置の看護師アナ・デ・アルマス演じるマルタは大好きな小林沙苗さん。トニ・コレット田中敦子さん。クリストファー・プラマー小林清志さん。小林清志さんが演じられるんだから吹替を選んだの正解かも。ご高齢ながら年齢的にほぼ同じ俳優さんを声優さんが演じるなんてありがたい。

それに娘が女優でなんしかの問題が頭がよぎってしまうクリストファー・プラマーと父親が有名な俳優だったジェイミー・リー・カーティスが親子役で共演しているのも気にしなくてもいいけど変な感覚だなーと思って見ています。

 

お話は映画を見て存分に味わえばいいので配役や演技に言及しようと思います。あと構成とか。

キャップの印象が強いクリス・エヴァンスがアクションとはまったく違うこういうミステリー作品でキャップの印象からかけ離れたガラの悪いバカ息子を演じるからどうなんだろうと思ったら、これが、マッチョなのが効いていて本当に根っから不遜で感じが悪いバカ息子に見える…陰気で皮肉な微笑み方といい。雰囲気がぜんぜん違っているのに作り込んでいる感じがない。よかったー、と何故かホッとするけど予告編から既に違ってたから確信した気持ちです。キャップはキャップ以外でも大丈夫。ギフテッドを見てなかったけど評判悪くなかったはず。あとアラン編みのセーターが無茶苦茶似合う。

 

一定の人数がいて関係性が入り乱れているのにわかりやすく、すぐに相関図が書けそうなのは冒頭から10分程度の展開の旨さによるもの。看護師が被害者の孫娘と仲がよく、被害者の家族の中にはクソみたいな人が殆どだというのもわかる仕組み。

ダニクレは元々コメディ志向があるみたいで007でもちょいちょいくすぐってくるのだけどこの作品でもそこが花開いていて目が離せないしなんともチャーミング。クライマックスの独壇場ではこの人以外にこの役は考えられないくらいピタッとハマってました。顔立ちは冷徹そうなのに人間が良くて押しも強い。いい役見つけたなあ…シリーズ化してほしい。

 

よく出来た衒いが薄い王道ミステリでした。オチも気持ちいい。被害者の財産に集るクソみたいな身内のクソ部分も気持ちいいくらい露出されていて自然と誰に感情移入できるか誘導される仕組みがうまい。

期待通りだったので満足です。ええもん見れた。

 

プロメア(映画)

 地上波アニメじゃなくてなんでわざわざ映画にするんだろーって思いながらちょっと遠いところで映画公開しているのを指くわえて見過ごしていたらあれよあれよと言う間にアマプラで見放題…

プロメア

プロメア

  • 発売日: 2020/05/24
  • メディア: Prime Video
 
『プロメア』(完全生産限定版) [Blu-ray]

『プロメア』(完全生産限定版) [Blu-ray]

  • 発売日: 2020/02/05
  • メディア: Blu-ray
 
「プロメア」オリジナルサウンドトラック

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  • 発売日: 2019/10/01
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

 音楽がむちゃくちゃいい。

キルラキルとどっちが好きかと言われたらもちろんキルラキルなんですけど(満艦飾マコちゃんが大好きで)2時間で壮大な世界の個と個の出会いと世界の問題点の顕示とか簡潔でわかりやすい。でも最初から堺雅人さん演じるクレイは胡散臭いし(あんな登場の仕方をしてまともだった権力持ってる人って「ダークナイト」とかの警部しか思い当たらん。あれも演者が演者なのでギリギリまで裏切るか闇落ちしそうで怖かった)なんで世界を救う話が個人的な話に集約されるんだろうというここ最近の私のどうでもいい疑問がそのまま作品になっているので(その人たちがいなかったらお話が成り立たないのに世界が危機って大げさなって思うんだけど)妙に冷めた気持ちになっていたんだけど、一応ふたりが「たまたま」そこにいたことで救われることも「運がいい」ってことらしいので、私の疑問にもわざわざお答えしてくれてるのはありがたい。

 

主要の3人を著名な俳優さんが演じていることで、なんかいろいろ言う人もいるみたいだけど堺雅人さんは堺雅人さんがうまい(雪風で声優経験あるし)、私はなぜか早乙女太一さんは全肯定(演技であればなにをやってもすごく魅力を感じる)、松山ケンイチさんはそれでいいんじゃないって味が出ているので別に嫌な感じはしませんでした。

 

ロボと滅殺開墾ビームが出た頃からいらんことを考えず面白いと思えるようになったのでやっぱり私はロボとその機構が好きなんでしょう…

ただただ堺雅人さんが終わりに向かって怪演クライマックスだなあ…

ロボットアニメのクライマックスは生身の対決って好きなんっすよ。

 

そこから怒涛の世界修復までずっと勢いがあったんですが、勢いありすぎて疲れました。元気のあるときに見たほうがいいのか。そういえばキルラキルも大好きだけど纏めて見ると超疲れるから摘み摘み、って感じでした。わしには…強すぎる…(いきなりの無理があるポムじいさん

やっぱりキルラキルが好きです。

気絶するほど悩ましい

気絶するほど悩ましい

  • 発売日: 2017/08/01
  • メディア: Prime Video
 
キルラキル Blu-ray Disc BOX(完全生産限定版)
 

 

#愛の不時着 2周め行く前にざっくり感想 よっぽど重要なところ以外ネタバレしてる

 久々に沼にハマり、睡眠不足、生活習慣と生活リズムが大狂いの日々でしたが一応全話見終わって明日からは普通の生活に戻ります。大変でした…1話が1時間超え、1時間30分超えもある。それを16話。日本の43分尺で統一しているうえに12話程度で終わるドラマに慣れているとそのボリュームの多さに驚く。でもそのボリュームが納得、削らなくてもいい、とても贅沢な時間を享受できました。ありがとうございました。

愛の不時着 オリジナル・サウンドトラック

愛の不時着 オリジナル・サウンドトラック

  • アーティスト:オムニバス
  • 発売日: 2020/05/27
  • メディア: CD
 

 すごかったよ…てんこ盛りだったよ…メロドラマかと思えば1分後には新喜劇になり新喜劇かと思えば1分後にはヒリヒリのサスペンスが起こるという、感情のジェットコースターと言うか反応するのも忙しい。ボロッボロに泣いている途中でガハハハと笑ってしまうとか当たり前に起こる。終始呼吸がちょっと荒くなるので喉の乾きが早い。

私のお婿さんも涙もろく良く笑う人で、こういう作品は大好物なので見事にハマり(おっさんずラブよりハマったね)特に隊員たちが出たらすごく優しい表情になります。

 

前半と後半ですごく状況が変わるけど、話が進めば進むほど「こんなの乙女ゲーでもあんまり見たことねえよ!」ってくらい甘くなるので甘い物好きにおすすめです。私は泣きながらニヤついていたねえ…というかおそらく視聴者が泣くシーンでニヤついていたね。

韓流ドラマの文化も流儀も知らないから各キャラの呼び方も自分で勝手に作っていったけど、それは私がカタカナ表記された韓国の人の名前をろくに覚えられないからという自分の欠損に気づいたからでした。脳がどうかなってんのかな。漢字は漢字検定準一級合格してるほど得意なのにヒョンビンさんの名前をちゃんとスラッと出るようになるまで5日かかってる。

可愛い隊員たちの名前もほとんど出てこない。

 

私が勝手につけた呼び名とその人に関する独断と偏見だけの紹介。

セリちゃん:主人公、ヒロイン。すごい美人なのに序盤はあんまり美人に感じないのは性格のキツさ、強かさ、図太さ、面白さ、リアクションがでかくてかわいいからか。ソウルでのお仕事をしているときの衣装が平野ノラさんっぽい。部屋着は超可愛い。で、だんだん「この人すごい美人じゃん!」って気づくという。癖の強いキャラだけどしっかりしていて芯が強いところが本当に魅力。本当はすごい苦しみを抱えているのに全部押し殺して突っ走っていたのが無理なく演じられる、両方を持ち合わせられる魅力があるとか女優さんがすごい。

リ・ジョンヒョクさん、リ隊長:もうひとりの主人公、ヒーロー、というか容姿もキャラクターもスペックも素晴らしい。かっこいい。属性てんこ盛り。北朝鮮の権力者の一人息子で国際的な音楽のコンテストで受賞歴があるピアニストで、お母さんが女優だからという理由?でか容姿が子供の頃からずっと良くてずっとモテモテ。でも本人は婚約者にも関心がない。でも周囲の人に分け隔てなく優しく、困っている人には必ず手を貸す性分だから人望が厚い。私は防犯カメラに映ったジョンヒョクさんの映像すべてが好きです。軍人さんのときやオフのときは前髪をおろしてぱっつんでとてもストイックな感じで非常にかっこいいんだけど(軍服がどのバージョンでも似合う)、前髪を上げるとイケ散らかしすぎで見てると呼吸がおかしくなる。本性はどっちだっつーくらいちがう。魅力がヤバい。

で、生真面目で軍人らしくポーカーフェイスが得意なのに、ちょっとした機微がちゃんとにじみ出るから演じる俳優さんがすごいのだと思う。嫉妬してるとき、拗ねてるときが可愛い。あと3話で賞がもらえなかったりイケメンと部下が褒められたときのなんか納得いかない表情とかあんまり表情が変わってないようでありありとわかるのが本当に本当にすごい。見惚れる。お婿と同じ身長なのでいろいろイメージしやすい。顔ちっさい。体つきがすごくしっかりしているのがちょいちょい描写されているのに、チラ見せしかありません。ク・スンジュンは風呂上がりのサービスショットがあったのに…でもサービスショットはいっぱいいっぱいほんまいっぱいあったけどな。まあ見せないのがええとこの箱入り息子(というか母胎ソロという嘘みたいな設定)らしいかもだ。

 

曹長:部下4人で一番格が上だけど口数が多くていつも余計なことをポロッと言いがち。すぐセリちゃんと口喧嘩をして当たりも容赦ないんだけどいいコンビ。この人が出ると面白いことが始まる気がする重要人物やと思う。私の前にいた会社の同期の友達に似てる。

イケメン:部下4人で格が2番めらしい。一番顔立ちがよく、背もリ隊長の次に高い。仕事もできるらしくて難しめの仕事をよく回されている印象。物静かだけどここぞというときのフォローが出来て、末っ子のウンドンくんのお世話を静かにこなすので画面から目が離せない。クールだけど可愛い要員。結構自分の価値を自覚しているところがあってそこが現代っ子っぽい。

ジュモクさん:名前が覚えやすいけど忘れがち。韓流ドラマファンで韓国通のスペックからスラングの通訳、文化のちがいについての解説役として重要人物で、この人がいなかったら最初からクライマックスの甘々の展開はなかったので感謝したい。お顔も特徴があって可愛い。赤い帽子にうさぎのブローチをつけたのがよく似合っていたのに、そのちょっとあとでガチ目のバトルもやってしまうギャップがすごかったな…

ウンドンくん、末っ子:部下4人のなかで一番若く、中隊にもわりと入ったばかり。人懐っこく家族愛に飢えているので突然現れたセリちゃんに最初に優しくしたのがこの子。ずっと可愛い。というか愛くるしい。かと思えばとんでもねー才能を秘めていて物語でも最大級の笑いどころ「血のにじむ努力」vs「トマト栽培者」で才能と魅力が炸裂します。お帽子が可愛かったなー。誰もが自然と守りたくなる立ち位置にあり、誰にでもすぐスキンシップを取りたがるところが末っ子。本当に可愛い。目がキラキラしている。でもずっとオンドンくんだと勘違いしていた。本当…カタカナ弱すぎて自分に引く…

耳野郎さん:物語のキーパーソンで大きな罪を抱えた善良な人。要所要所ですごい活躍をするし、ヒロインの次にハラハラさせられる裏ヒロインみたいなところがある。奥さんも子どもも善良を絵に描いたような人たちで、私はロード・オブ・ザ・リングのサムを思い出しました…サム大好き…

 

北のお姉様方:リ隊長の家のある村の住人たち。下世話なオバチャンたちだけど温かみがあり、いざというときに頼りになる。酔っ払うとでかい声でNGワードを喋りまくる人民班長さんが好き。物語的に曹長と似た立ち位置かも。

 

ダンさん:ダンって表記されているけれど発音的にはダナのほうが近いのかなー。ジョンヒョクさんの10年来の婚約者で同じ中学に通いロシアに留学していたチェリスト。母親が平壌で一番大きなデパートの社長で家柄もいいらしく、クールに取り澄ましているけれど内心は熱い思いを抱えて行動に出られる人。怖い噛ませ犬のようで、可憐で気高い人なのであった…酒癖が悪いところが魅力。

 

えみちゃん:ダンさんのママ。上沼恵美子さんそっくりなのでえみちゃんって呼んでる。様々なメイクと衣装でその場その場の雰囲気を笑いに変えていく人。まさに体当たり演技。人柄が実はすごくよくて娘のための行動力や思慮も理想の暴走母って感じ。弟さんと登場すると必ずといっていいほど漫才になる…

 

弟さん:えみちゃんの弟さんで軍の権力者。全面的にジョンヒョクさんとダンさんの味方でお姉さんの財力のおかげで汚職知らずという信頼できる人。大体楽しいシーンに出てくる。

 

少佐、チョ;異常な執念で物語をシリアスに突き落としていく竹財輝之助岡村ちゃんかというか岡村ちゃんにそっくりな人。したたかでしぶとい、脅迫で人を縛り付けるところがジョンヒョクさんと対比的。全体的に対比的なキャラクターといえるか。生い立ちと育ちが気の毒かもしれないけれど、ジョンヒョクさんなら同じ生い立ちでもここまで腐らないだろうと自信をもてるほど、根っこが腐ってる。生まれや育ちで性根が決まるとは思ってない私の独断と偏見だけれども。

 

お母さん:セリちゃんの義母。セリちゃんを深く傷つけたことがあるけれど、繊細で誠実な人。作中にはたぶん出てなかったけど、セリちゃんが失踪中に会社の株を買い占めたのは一番に買い占めた次兄の嫁の妨害とのちのちセリちゃんに戻すためなんだろうなってすぐに分かった。

 

長兄夫婦:セリちゃんの長兄とその嫁。見てくれは悪くないけど優男であんまり頭が良くなくメンタルも弱い兄と、似たようなお嫁さん。思慮が浅くて嫁は手癖が悪いけれど根は善良で要所要所で私欲のためもあるけど味方になるし、どう見ても敵になれない感じ。長兄がうちの甥っ子にキャラがかぶっていて痛し痒しだったな…おバカなんだわうちの甥。

 

次兄夫婦:嫁がこわい。怜悧で冷酷。次兄は途中までは善良なところも見せていたけど(殺そうとは思ってなかった、帰ってきてほしくないだけ)嫁の冷酷なところが出し惜しみなくなってきたあたりから流されるようにどんどん悪くなっていくのが芯のない愚かな人らしい。小物感あふれる兄、あまり喋らず、ぜんぜん笑わずきつい一発をかましてくる嫁が最後まで怖かったなー夢に出そう。この作品はこの悪役3人以外はだいたいみんな大好きになれます。

 

アボジ:ジョンヒョクさんのパパ。老獪でしたたかで手段を選ばないところと体育会系国際交流に強いんだけど、息子思いは本物。最後の最後にブッパしたのは息子の幸せのためなんだろうけど息子若干引いてたぞ…

お母さん:オモニとは呼ばなかったな…元女優で美人さん。息子思いで肝が座っている人。この作品だけじゃないと思うんだけど、韓国や北朝鮮は家庭の中にあって女性も強いのかな、ちゃんとはっきり意見して押し通すのが両家の母+えみちゃんから感じました。あと北のお姉様方も大体強かった。

 

チーム長と保険屋さん:セリちゃんの部下と友達の保険屋さん。重要なキーパーソンでチーム長はハチミツ二郎に似てる。保険屋さんは私の友達にそっくりで出てくる度に「Tくん!」とお婿と盛り上がってました。保険屋さんが神に祈ってるシーン、面白かったなー

 

ほかにいたっけ…ってところでかなり重要な人たちに触れるの忘れてた!

クさん、ク・スンジュン:次兄から多額のお金を騙し盗って逃走中のイギリス国籍を持った詐欺師。気取り屋さんでナルシストな雰囲気もあり、韓国ドラマの人気俳優のイメージそのもの(私の偏見)の白いお肌に長めの茶髪の男性。大体礼儀知らずで金と権力と暴力に弱いから嫌な役なのかなと思わせておいて、賢くて基本的には善良で可愛いところが多分にある、ここまでわからせるのも珍しいレベルの「憎めない人」。この人も裏の主役みたいなものか。

クさんと付かず離れずでときに狙い、わりと守る社長もいい味だしていたなー

 

節子:市場の路上生活者兄妹の妹。兄妹で後々重要なシーンに出るけどこの子もまたチョ大佐になるところだったかもしれないけれど序盤で受けた優しさを終盤でつなげて救われたかもしれない存在になった。というか私が妹の方を節子と呼びたいだけ。

 

構成がすごく凝っていてこのエピソードの裏ではこういう事がありましたっていうことの見せ方がうまい。日本のドラマでいうところのCパートが見逃せないないようなのに、ネトフリのシステム上、見ている途中で一時停止とかメニュー画面に戻ると戻るのが難しくなるのが困る。アマゾンFirestickで見ているんですけどね。

Fire TV Stick - Alexa対応音声認識リモコン付属

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  • 発売日: 2019/01/23
  • メディア: エレクトロニクス
 

 日本のドラマの概念とかいままで読んできた本、ゲームとかを照らし合わせて見ても二人の出会い、惹かれ合うきっかけとかは匂わせるだけ匂わせておいて知っているのは見ている人だけ、ってのが王道だと思っていたんだけどこちらは両者がちゃんと認識、実感するというのが新鮮だし見ていて気持ちがいい。なんにしても解釈憶測考察してまで物証をとりたい日本人の性分からしたら徹底的に二人の出会いは本当はあそこで、ピアノとか写真とかボイスレコーダーとかの小道具が全部活かされ、二人もそれを認識するシーンがちゃんとあるのは安心感があるよね。疑いようがない。ああ、運命だったんですね。そらーどんなところにいても見つけますよね、って。

 

ところどころ不自然なシーンもあるんだけど(パラグライダーで二人で落ちても髪がなびかない、心肺蘇生で電流を当てるときに服を脱がさない、飲まず食わずはわかるけどトイレもいかねえのかと現実的なところが気になるから私は無粋なのよ)まあ全体的にファンタジーだからいいか…って気持ちです。

 

北朝鮮とか情勢の難しいところはここでは語りません。でもファンタジー度外視で本来会えるはずの同じ民族がどんな連絡手段もだいだい許されないのが悲しい。日本に来たら大丈夫っぽいし(良う知らんけど作中でも「東京だったらよくあること」って言われてたような)スイスは大丈夫なんだろうけどな。ネットが国境で分断されているのがなんとかならんかなーと常々思うところがある。

 

どこが良かったとかは枚挙にいとまがないので2周めに数話まとめて感想を書いていくけど、毎回毎回見ている私達をときめかせる展開がすごい。

リ・ジョンヒョクさんは基本ツンデレなんですが、デレても天然なところが多分にあり、本人は変わったつもりはないのだけどものすごく変わるし、モノローグも台詞でも言葉の出し惜しみがほとんどなく、好きな人を否定せずまる抱えする包容力は私のみならず日々いろいろ厄介なものと対峙して疲れている人にとっては求めてしまう人物像でしょう。本当に言葉の一つ一つが私にとって大事な思い出になりつつあります。

 

実写ドラマでここまで理想的で完璧な美男像を描写できるのがすごい。容姿と演技とアクションに説得力がある俳優さんを起用できるのがすごい。キャラクター設定が見事でブレない、要所要所で必ず活かせるのもすごい。視聴者の夢を詰め込んでも大丈夫なのすごい。

非常に満足度が高く、見ている間は先が気になり、そういう状態でいることに充実感をおぼえ、幸せでした…

 

ラストは、できる限りで最良のハッピーエンドだと思うけれど、やっぱり切ない。12話のお酒を飲んでないと話せない話の内容を思い出してやっぱり泣けるのでした。

 

しばらくリピしますからね。よろしくおねがいします(なにが

 

 

#ZUMBA de 脂肪燃焼 39日目 脂肪はだれも待ってくれない

 3年間風邪を引いてないのですが、たまーーーにギリギリやばい瞬間があって、この火曜日もそうでした。左耳が痛い、左肩が痛い、間欠的に痛い。やばいときは喉にくることが多いのですが、今回は耳。大体起きて「あら?」って思いながらお水を飲んで、犬の散歩にでかけて戻ってきたら治っているんだけど(つまり血の巡りがよくなったらウィルスが死んでる感じ?)その日は左耳の痛みが良くならなくて。

Zumba de 脂肪燃焼!  - Switch

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  • 発売日: 2020/06/18
  • メディア: Video Game
 

明らかに寝冷えだったのであかんなあ、って思いながらも体力はあったのでZUMBAはやって、でも間欠的に左耳が痛い。仕事中も痛い。つーかだんだんちょっとひどくなる。鎮痛剤を飲んでもだめ。

体内バランスがちょっと狂っている感じもしたので、家に帰って一通りの用事を済ませたら大事をとって早く寝て、その次の日はそこまで痛くなくなってたけど大事を取ってZUMBAを休みました。で、葛根湯を買って飲んで。そうしたら仕事中に調子が戻ったのを感じてよかったよかったって。

その次の日からは順調にZUMBA平日レギュラープログラム、土日はロングプログラム。そして土曜日はジャガバード。

ジャガバード、やっているその日はやっぱり肉が物足らないのでちょっとした飢餓感を覚えるのだけど、夕食で200Kcal程度だからいいかって餃子をちょっと食べてすこし和らげて、その次の日に塩焼きそばを食べるんじゃあ言いながらそれをモチベーションでやりこなしたらやはり日曜日の体重が違う。ストンと落ちてる。そして我慢したぶん塩焼きそばが美味しい。

ネットでデトックススープというすげえプログラムを知ったけれど、それをやると40代中盤の女性はしわくちゃになってまうな、そしてデスクワークの合間にとんでもない肉体労働が入る可能性のある仕事をしているから、変に力が入らないような食べ物は常食できない、私は糖分が減ると体が震えて冷や汗がだらだら流れる、体の力が抜けるという孫悟空体質なので(子供の頃からそう。でも尿検査血液検査等で引っかからない)糖分はちょっとでも必要と自作の牛乳寒天をちょっと食べることにしている。ココナッツミルクのコンデンスミルクというのを買ってみたのでそれを試したり。加糖なので砂糖はバリバリ入っているから風味がココナッツなんでしょうね(まだ食べてない)

 

ZUMBA自体は体がついてきているのか1時間やっても疲れない。もちろん腕や足などはキレッキレに動かしている。指先まで気を遣っている。ペレスさんが軽く振りを間違えそうになったところに気づく。体重は始めたころから−3kgくらいよりちょっと増えるかキープかってところ。

あと、前の記録で触れた「シェー!」は、たぶんインドのシヴァ神のポーズなんだけどシヴァ神のポーズがそもそもシェー!とかぶってるのね、気づかないふりをしていたけどね、と思ったり。

 

手の数が多いから気づきにくかっただけ。

インドっぽい振り付けだものね。

最初は苦手だったジャケットに出ているエスニックな人のダンスが長い手足がのびのび動いていて見ていたい気持ちになってしまう。本当にきれいな体をしてはる。身長も高いんだろうなあとか。見とれながら一緒に踊っております。他のインストラクターも素敵だし親しみやすい。ペレスさんにどこかしらおもしろさを感じてる。

 

うまく痩せて今履いているユニクロのストレッチレギンスパンツがぶかぶかになったら喜んでサイズの小さいのを買ったるわ!って思っているんだけどその日はいつ来るんだろうか…

ダイエット成功というか自然に痩せたことがあってそういう経験あるからね、逆に太って合わなくなってサイズの大きなものを買わざるを得なくなるときもあったけど。特に最近。

いつか、来るといいですね…あとワイドパンツとか買ってもデブ隠しって言われないように(言う人いまは身近にいないけど、母とか妹とか)なるといいな… 

20007 辻村七子「宝石商リチャード氏の謎鑑定 久遠の琥珀」

 数作ぶりにわりとちゃんと読みました。全作一応買っているっちゃあいる。

 ここ数作、2部になってからトーンダウンしたのは、私が日本語で最初から書かれた小説に感じる引っかかりがこちらでも激しく引っかかるようになったから。表現の仕方に独特の癖があってそれが目につくと気が散ると言うか。翻訳だとワンクッションあって元が日本語で書かれていないからそういう癖が出にくいんですよね。翻訳者ごとに若干の癖はあるかもしれないけど。

 

辻村七子先生の場合はよくね、台詞の表現で「………○○○○」って、最初に溜めがあるんですよ。たしかにそういう表現があってもいい。でもそれが多い。あと、台詞の応酬で物語を展開させるシーンが若干ある。そこはどういう動きがあってその台詞か、漫画じゃないのに漫画のように絵でわからせたい感じの台詞の乱立がちょいちょいある。隣の部屋にいたはずのシャウルさんが出てきて会話に混じったんだろうな、ってわかるにはわかるけど、そういう描写はなく台詞と台詞の間に台詞で混じっちゃう。一瞬だけそれ誰が言ったの?って入り込んだ物語から気を削がれる瞬間がある。

 

物語の筋とはさほど関係のないところで引っかかり、2部で燻り続けるオクタヴィアさんという陰キャの存在がどうでもよすぎて主人公二人の関係性を追うのも疎かになったと言うか、この二人も下手に同性なのがいいのかわるいのかわからん、でも男女だったらとっとと出来上がっていたのかそんなの男女であっても特に性的なもの転ばない関係性を持つ人達を蔑ろにするしと読んでるこっちが変に懊悩してまうということになり、なんかセックスってなにかね…という、この世界でなるべく目を向けないものに目を向けてしまう。

そういうものにとらわれる私がだめなのか、人間なんだから当たり前なのか。自分が富野由悠季監督になったような気持ちになった…分かる人にだけわかれ…

 

それはどうあれ、この完結した2部で主人公二人はこの二人にしか到達しない関係性を築いた感じ。お互い両想い。めっちゃ相思相愛。離れられない。離れたら死ぬ。

そこはすごいしいいぞと思うのよ。外堀を埋めまくるリチャード、逃げ場を自分で塞いでいく中田正義さん、もう無血開城よ!?そこで見つけ出した答えがそれ。そこで過激派読者的には「もっとそこを…こう…ああ、じれったい!」って思うんだろうけどな。

 

リチャード氏はどっちでも良さそうなんだけど正義が頑ななのか、リビドーがないのか(リビドー言うな

そんな男性がいてもいいじゃない!って少女漫画好きのわたしは思うのだけど、その反面そんな男性がおるかあ!と思う現実のある意味地獄を見たことがある私が思うわけで。

 

現実とファンタジーの間を行ったりきたりしている間、一貫して私のなかで渦巻いていたのが…

 

「リチャード氏、また謎鑑定してねえ…」

 

でした。でも美しい人が美しい人として扱われ、振る舞い、好かれている物語は好きだから続きがあるなら是非読みたいですよ。

 

アニメ化されたのを見損なってここまできてる。見た人どうだったんだろ?日々忙しいからさ、もう知っている物語を改めて見るならちゃんと出来が良くないとって思いがちで、だから知らない物語の方を優先してしまう。

 

 櫻井孝宏さんがリチャード氏ってだけでアリだけどな。でもなんだろう、永久に閉ざされた理想郷で宝石売ってそうな…世界中を徒歩で巡っていそうな…呪文は噛むって言いそうな…胡散臭さが若干あるような。とても上手な声優さんだからリチャードを演じるときはあの軽やかさはないんだろうけどな、ほぼ毎日あの声を聞いているだけになー。しかしぴったりの配役。というか諏訪部さんじゃなかったらたかひろさんがいいって勝手に思ってた。

「愛の不時着」#1#2 見た!

 実は韓流ドラマを見るのは初めて。

愛の不時着 オリジナル・サウンドトラック

愛の不時着 オリジナル・サウンドトラック

  • アーティスト:オムニバス
  • 発売日: 2020/05/27
  • メディア: CD
 

メロドラマに興味がない、韓流ドラマのあらすじを読んでいてもピンとこないままここまで来ました。香港と台湾とタイとベトナムの映画は大好きなんですけどね、周りにハマってる人が多いから私は別にいいか、って感じ…

でも「愛の不時着」はあらすじが非常に興味深かった。

だってパラグライダーでうっかり38度線越えてしまって北朝鮮の軍人(エリート家系の実直で美男の隊長)に保護されてまうお嬢様ってもう、てんこもりやん!

メロメロドラマはピンとこないけど、でもたまにはそういうのに身を委ねてもいいというか、もうなんかね、最近特になんにもハマってないし日々忙しいし、どうぶつの森はやらなくなったら本当にやらなくなるし、推しの一人は知らない世界に旅立ってしまったし、両親と弟妹は最低だし、仕事もピリッとしないしで新しい風が欲しくてさ…

 

でもNetflixでのカテゴライズでコメディ扱いになっているからなんで?って思ったの。なんかメロッメロにメロドラマで最初から泣けるんちゃうの?って。もうメロドラマに対する偏見まるだし、あんまりわかってない人の言い分。

私にとって韓流ドラマといえば冬のソナタくらいしか知らんからね。あとね、メロドラマといえば一条ゆかり先生の「砂の城」だからね。あれも記憶喪失あるしな…

 

 で、見始めたのが1ヶ月以上前なんだけど、ネトフリで割と珍しく今の所字幕のみなんですよ、このドラマシリーズ。なにか遊びながら見るのには不向きだからどのタイミングで見るのがいいのかよくわからないまま、漢字の勉強しながら、お風呂入りながら、職場でお昼ごはんを食べながらぼちぼち1話を見ていました。1話が長いんですね、1時間以上ある。これも韓流ドラマの文化?しらんけど。

 

そして見ていたらたしかにコメディ要素が強い。地雷除去のくだり、「天国の階段」のくだり、リ隊長と愉快な仲間たちとセリのやりとりも一個一個面白い。南朝鮮のドラマにこっそりハマってる隊員とその話題になって「記憶喪失が多い」ってネタになったところで一番笑った。相手役のリ隊長が美男なんだけど生真面目で笑わないのにコメディの要素として存在している瞬間が一番可笑しい。

 

しかも朝鮮半島問題っていまでも十分根深い問題だし、北朝鮮は謎のベールに包まれている上に悲惨なイメージがあるのをわりと包み隠さずエンタメのネタにしていることに驚いているのです。あくまでネトフリ資本で作っているからかね。北朝鮮風の場所を用意したり演出するのも大変だったろうなあ…やたらと正恩の父と祖父の姿が出ているけれど、アリなんや。あんな発展してない演出してるけどアリなんや…ってそっちにドキドキしたりだ。

なんかつっこまれてネトフリで見られなくなったら嫌だから早めに見ようと2話も見た!

 

お約束じみた展開でもあるけれど、思ってもみなかった人と人のつながり、リ隊長を脅かす陰謀なども工作してコメディ要素とサスペンス要素がうまく混ざり合い、深い。登場人物がかなり多いのだけど、誰がどういう存在なのか、特に説明がなくても台詞の端々でわかるのが素晴らしい。こういう作り方ができるの好き。

 

今の所面白いのはセリの兄嫁が野心むき出しなところ、セリが無能な兄に容赦ないところ(でもセリ本人にすごくナイーブなところもある描写もあって、戦っているのもまたよし)、リ隊長の愉快な仲間たちがみんな可愛いところ。そしてリ隊長がどちゃくそ少女漫画のヒーローなとこ!足長いし顔綺麗だし、軍人らしく表情に動きがないんだけど生真面目でいい人なのがにじみ出てるしつーか顔いいね!そらあ近所のオバチャンたちにモテモテだわー近所のオバチャンたちの色ボケた感じ好きだわーセリも美人で気が強くて好みのタイプです。

そしてね、悪役の軍人が竹財輝之助さんがめちゃくちゃ悪くなったみたいな顔をなさっているのがずっと気になっています…

 

面白すぎて見るのがもったいなくなってくる残念な性分があるのですが、いや見ましょう、職場の面倒くさいめっちゃ韓流ファンの人がいるんだけどその面倒くさい人ネトフリ契約してないから見れてへんだろうから私が先取りしよう(こういうところが自分の性格の悪さだと思うのよ)

 

これが面白かったらトッケビも見まーす

 

 

「赤白つるばみ・裏/火星は錆でできていて赤いのだ」感想とか

 すごく首をながーーーーーくしてお待ちしていた本が発売されました。

 ジェンダーバイアスのことでトレンドに上がるまで連載されていることすら知らなかった。

 まさか続きがあるなんてね。(これだから単行本は売れても本誌が売れないからどうのこうのという現象が少なからずあるんだと思う。しかしなぜ本誌ありきなんだろう…)

赤白つるばみ 下 (愛蔵版コミックス)

赤白つるばみ 下 (愛蔵版コミックス)

  • 作者:楠本 まき
  • 発売日: 2015/05/25
  • メディア: コミック
 
赤白つるばみ 上 (愛蔵版コミックス)

赤白つるばみ 上 (愛蔵版コミックス)

  • 作者:楠本 まき
  • 発売日: 2014/12/25
  • メディア: コミック
 

 この順序ははてなの仕様で正しく並んでくれないのでお許しください。

 

漫画家とかアシスタントだとかジェンダーバイアスの件で説明されていたから世界観は同じだけど違う人達が出るのかと思ったら、前作に出ていた女の子が漫画家になって憧れの漫画家のアシスタントへ臨時で入るという流れでした。

ユラノスケと音羽くんと椿さんをもうちょっと見たかったからそこは満足。

 

お話は前作の共感覚については一切描写がなく、どちらかというと人々の身に染み付いた思い込み、ジェンダーバイアスだけじゃないけどだいたいジェンダーバイアスについてとか。20代前半に読んでいたらまた違ったかもしれないけれど、20代になったら女は終わりと思うような人間ではなかったのでまあいま読んでもいいか!って感じ。エゴとか、自分は面白くて言っているんだろうけど相手は傷つきながら笑ってやり過ごすようなことを静かに解体していく感じがあり。

 

楠本まき先生といえば繊細で美しい人がおしゃれな服を着ているというイメージがあるけど今回はドレープは細やかだけどそこまでハッと目を引く服は着て…いない…、台詞が強めだからかしらんけど顔マンガになってるところもそこそこあった。背景が白い…

前作で椿さんの着ている服が悉く好みだったからそこが見たかったけれど、彼女は今作では主に作業をしていたからさっぱりした服ばかりだった…それでも椿さんは魅力的だった。漫画なんだからもちろん声はしないんだけど、今作のほうがワントーン高い気がする。強い台詞をいっぱい発信しているからかな。

 

「火星は錆でできていて赤いのだ」はまったく別の作品だけど、こちらでは結婚、選択的夫婦別姓とか、「赤白つるばみ・裏」でも結婚について話題にのぼっていたけどさらに焦点を当てていろいろ意見交換をしている感じ。だけど非常に身近な話。私は婿養子をもらっちったし。

 

メッセージ性があるけれど日常でじわっと感じるモヤモヤが中心だからそれを日々感じる人は憑き物が落とされるだろうな。私はたまーに私を女だと思ってナメてるボスの目を覚まさせたり、女は怒鳴ればいいと思ってるせっかちなおっさんを怒鳴り返す程度です。モヤモヤじゃない、燃え盛ってるね。だからクソみたいな世界をクソじゃなくしたいのは確かだけど漫画を読んだくらいではスッキリしない。ただ、やっぱり日々感じているいろんなことがスッとおちる感じはあった。

 

ジェンダーバイアスのかかった作品は滅びたらいいって話。

他の作品目当てに買った少女漫画雑誌をパラパラ読んでいて、人気の漫画家さんの漫画が載っていたんですが、今も昔も変わらん感じの好きな男の子がいてその子が振り向いてくれるかどうか、元カノの存在、二人きりになっちゃった!とかそういうサプライズとか。わかりますよ、ドキドキするの。でもさ。

この子たちいつ勉強してるんだろう?

って頭をちらつくんですよ。学生でしょ?なんか好きな男の話ばかりでこいつ盛ってるメスやんけと。それをふわっとさらっといろんなあまったるいもので包んでいる感じがどーも苛ついて映画化されたりアニメ化もされたしなんならいまも似たような内容の新作が映画化されるとかどうとかって話ですがまーたふわっと主人公が女なら気になる相手は男じゃろって話なんですよね。

そばにいて話を聞いてくれる女の子の親友と一緒にいたほうが幸せじゃない?って思わないのかな、とか…

 

まあそこまで掘り下げなくていい、なんならなんも考えずに読める漫画なんだろうけれども。

それを言ったら、赤白つるばみもセクシャルマイノリティは一応登場しない。男性の恋の相手は女性。女性の恋の相手は男性。マイノリティはマイノリティであるから、そんなにゴロゴロいないからいないところに登場人物の焦点を当てたともいえるけど。作中で恋愛しているかわからない人の性的嗜好はまったくわからないし別に踏み込まなくてもいい。

作中で20代前半の男性が37歳の女性と付き合ったりしていますが、それはね、現実でもありうるからね。

39歳のときに25歳の男性と3年間付き合った私がそこは保証しておきましょう…39歳のほうは決してコンサバでも大人の女感もないけれど、仕事はできました。そして25歳男性は初めて見たときに「こういう男の子と付き合ってみたいな」と思うくらい魅力的な眼鏡の似合うアスリートでした…向こうから声がかかったからびっくりしたけれどもね。

こういう、一見少女漫画みたいな展開は、どこにでもある!どこにでも!

 

友達(女性)の配偶者(男性)を「旦那様」「ご主人様」と呼ぶことに抵抗がある問題、私もいままさにそれに直面していて、親友も言葉がなくて仕方なく「旦那さん」って呼んでるところがあるんだろうなあと思ったり。下の名前を知ってるからべつにそれで呼んでいただいても構わないんだけど、私も同じように呼ぶかどうかはわからんんしな、一回しか会ったことがないから。親友の元カレたちはみんな最初から私を下の名前で呼んでくれていたんだけど、1回しか会わなかったのもほんの数分しか会わなかったから(販売業の仕事中に、結婚前の親友が里帰りして連れてきてくれたの。どうしても私に一瞬でも会わせたいと。歴代恋人のなかでも一番いい人そうだったな…いろいろバラエティ豊かななかでも)名前を呼ぶとかそんな関係性を築けなかったので本当にどう呼んでいいのか未だにわからないからしゃーなしで「旦那さん」と呼んでる…

ろくちゃんは親友から下の名前の君付けで呼ばれてるけどね。中学生の頃からの知り合いだからね。

作中のように「ご主人さまはいらっしゃいますか」と言われるときは「私です」って言うんだけど、そもそも名指ししてきても私の名前は実はジェンダーがはっきりしないので私の名前=主人と思い込んで電話してくるから私が自分ですが、と言っても戸惑われるという…

 

何も抵抗なく友達の配偶者を「旦那さん」「ご主人」、自分の配偶者を「旦那」「主人」と呼ぶような人にはならないままでいるので、ここを諦めるかどうかも人としての境界線のような気がする。選択的夫婦別姓に関してはね、本当に私はここで是を唱えたい!

私は自分の姓名の姓名判断が最強なんですよ。信じるかどうかはあなた次第だけど。それを言ったら両親も祖父母も曽祖父も偶然?全員同じ字画なのだけど、彼ら全員お金に困ってない人生を歩んでるの!そして長寿!

当てにならないことでもそれでわりと幸福が約束されているならわざわざ変えることないよね、と思うの。それだけの理由だけど苗字を変えたくなくて、結婚するにあたって抵抗があったんだけど、婿養子でクリアになったという…ろくちゃんは「どっちに転んでも姓名判断的に凶運」というひどい名前だから別に気にしないしこだわりもないと。

 

こだわりを持たないのが一番幸せかもしれない。かと言って思考停止は違う。

 

漫画のジェンダーバイアスは本当に根深い問題だなと思ったのは、今日もいま一番か二番かで人気のアニメをようやく最終回近くまで見ていたのですが、何話かな、主人公(男子)をリハビリさせる女性が「男の子なんだから」「女の子と出逢えば(恋をすればみたいなニュアンスだった)」と当たり前のように言っているんですよね。舞台が大正だからある程度仕方がないかもしれないけれど…こういうなんてことがないシーンでも、と思わずにいられない。原作の最終回で登場人物たちが結婚して子どもを作っていてファイナルファンタジーって言われていたしな…明治が舞台でも男性同士が恋愛をしてるのを適当に流し(その人たちの入れ墨は必要だけど)、国籍も生まれの民族も育ちも特にこだわりがない作品もありますけどね。なんなら動物にも手を出す…あれはあかん。

 

当たり前に思って疑問に思わないってのは罪悪よ。私は幼少の頃から親の影響で当たり前を疑ってきたけれど、そうでもない人たちとの乖離と齟齬が激しく、どこにいてもかっこよく言えばアウトサイダー、普通に言えば疎外感だらけだった。それでいいし迎合するのもなあ、と子供心に感じていたり。そんな私ですら、知らず識らずうっすらジェンダーバイアスがかかった考え方をしているし、なんかうっすらそれって優生思想じゃね?ってことを思索していたりする。そこに疑問を感じたり、抑制をかけられるからまだマシだけど、当たり前と思っている人だって多いというかそれが多いから息苦しいと思っている人も多いのであって。

 

でもそういう立場を甘んじて受け入れている人が、それで息苦しくなければそれでもいいと私は思うので、おかしいことはおかしいと声を大にして思うけれど、個々の人が平和に生きているのを揺さぶったり自分の考えを押し付けようとは思わない。

急激に変えると反発も多いものだから、じわじわと意識を変えていって気づいたらジェンダーバイアスがかかってない、ポリコレ当たり前の世界観の漫画ばかりになっていたらいい。その辺は創作する側にもかかっているけれど、「これがいい」って大きな声で言っていくのも大事だと思うのでどんどんいい漫画をいいと言っていきたいね。

でもなんか好きな人を好きでキュンキュン言ってる漫画も好きなんですけどねえ。

 

あとニュアンスが大分違うけど私も人は見た目が9割って思っていて、でも作中の音羽くんが嫌になるような理由でそう言ってるわけじゃないのは書いておこう…

清潔かどうか、どの程度整えているか、爪は健康的か、目を見て話すかどうか、眉毛を整えているか整えすぎているか着ている服の趣味嗜好は、靴の扱いは、小物の扱いは。声は落ち着いているか。髪の整え方は。

美醜は造形はあくまで土台でそれをどう扱うかで人となりはわかる…気がする。さすがにその人の職業を当てたり家族構成を当てたりはしないけれど、服のセンスに親の影響があるかどうかが分かる人はいる。お母さんが買ってきたのを着てきた人なのかとか。それをいいとかだめとか判断するんじゃなくて、そういう人なんだなーってうっすら思うだけなんだけど、見た目の情報は大切。自分への扱いは人にも跳ね返るからね。

 

って理由で、人は見た目が9割。腹の中なんか見えないものはわからないし、言葉はわりと取り繕える。見た目も取り繕えるけれど、どこを取り繕うかでわかる。

 

この作品のいいところは、それまで獲得した息苦しい考え方を徐々に楽な方へ受け入れようとするながれがあること。世の中の厄介さんはどれだけ自分が息苦しくてもそれを是として受け入れていて、それでもいいんだけど楽な方へ行こうと発信している人をガチ否定する。そして楽な方へ行こうと発信する人も、下手くそは意見が合わない人を否定する。そこをうまく、柔らかくみんな楽になれたらいいんだけどな。苦しむのがふつう、しんどいのが普通って思うところがある日本人だからな…

太古の昔から染み付いているおっさんの呪いなので、解除するにはそりゃあ時間がかかる。だからじーーーーっくり取り組んでいけたらいいね、日本はかなり遅い方だけど海外ではどんどん変わっていっている。逆にへんな歪も見えてきているけれど、急に変えようとするとそんなもんだなと遠くから見て思う。

私には子どもはいないけれど、いま生まれている人がジェンダーにとらわれることなく、なるべく偏見にとらわれることなく、いらんことで傷つけられずに大人になればいいよね。