夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

23016 墨香銅臭 著「天官賜福」(台湾の平心出版版)6巻(と全巻) 感想 全巻読んだ人だけどうぞ。

読み終わったのが寂しくて泣いちゃうのって初めてなんじゃない?

本当に寂しい…ハッピーエンドなんだけど新しい彼らにもう会えないのかと思うと。

いや、アニメの2期とか正規日本語版での新しい発見はかならずあると思うし、魔翻訳も解釈に寄っては違う見え方になるのも知ってるし、あまり情報が出回っていないけれどWEB連載版での作者さんのあとがきに強烈なものもあるから知らないネタをどこかで見つけたらまた私はぶっ倒れるんでしょうよ。

言及してないけれど新たに知ったとんでもねーネタもあるし…

これから好きな章を日本語で綺麗に整える作業もあります。けっこう多いです。番外編は全部やる。

 

私、本にしてもゲームにしても映画にしても、創作物に求めることってまず「驚き」なんですが、魔道祖師にしても天官賜福にしてもとにかく驚くことが多くて。

 

シリアスな展開かと思えばラッキースケベがあり、私の知らなかった文化「スケベ棺桶」があり、クソ真面目な国師が突然娘のパパになる瞬間があるとは思わないじゃないですか。もっと驚ける要素いっぱいあったな。プロポーズのとことか。

郎蛍のお留守番のところが大好きです。殿下より先に気づいた自分を褒めたい。

 

それだけで私にとっては理想的ななか、クソデカ感情持ちのスパダリ攻め、受けが可愛いけどちゃんと男性で守られるだけじゃなくて守る、恋愛要素ばかりでなく彼らにも生活があったり背景がちゃんとある(漫画に例えると顔マンガではなく、恋愛ばっかして勉強してない青春マンガみたいなのではない)など、どこもかしこも「こういうのが読みたかった」という塊で。

 

めっちゃ好き!!!ちょっと待って、私の長くて重い読書歴でもかなり上を行く「好き」かもしれません。

一番好きな小説はなんですか?って聞かれても答えられないけれども。「幼年期の終り」か「百年の孤独」か「犬は勘定に入れません」だと思ってたけど、方向性の違うド性癖がそこにある…「幼年期の終り」と「百年の孤独」はオチが似ていてそのオチが性癖なんですよね。もう大好き。「犬は勘定に入れません」も好みの集合体。でも全部ちがうから、一番は決められないですね。

 

6巻はクライマックスでしたが、主人公二人がどちらも強くてかっこよく、私の中で一番気になっていた800年前からの関係性についても絶妙なタイミングで着地してボロボロに泣いたものでした。ずーっと言ってたもん、「鬼火ちゃんが報われるときはくるのか」とか。

郎千秋と霊文とケリをつける下りで泣かされるとは思わなかったし、そこから800年の事を思えば短い間とはいえ、ちょっと会わなかっただけで寂しくなってしまう殿下が待っている時間というのは切なくて苦しかったですね。

 

番外編はとにかく匂わせに私はくらくらしていましたが、そういうのを抜きにしても愛でいっぱいで、この物語が殿下が愛を知る物語だったんだなと思うと大変だったけど良かったねと思うばかり。花城の愛が報われる物語でもある。殿下が長い孤独の中、愛されたいという気持ちを漠然と抱えていたのは時々語られていたところでした。

それに自覚することもあまりなかったみたいなのを、花城には金枝玉葉的貴人がいるのを知ったあとで実感して愛情を成長させていく経過がすごく丁寧に描かれていたなあと思い返すとまた泣きそう。

 

約400ページ6巻とかなりのボリュームの中で無理なく徐々に殿下の愛情が育っていったのを同じスピードで追いかけられて私は感無量ですよ。

そしてド性癖の花城がとんでもねーご趣味(いや趣味なんてレベルじゃねえ)をお持ちでも私も面白がっても引かないし、ええんちゃうかなと思える自分で良かったと思いました。私、ニッチな趣味を持つ美形大好きなんですよ。

花城すごく好きだわ…そのままでいてくれ…いるだろうけど。終始美しい美しい言われていたな。でも私が一番いいなと思ったのは萬神窟での彼です。番外編も良かった笑

 

他のキャラクターについてもいろいろ思うところがあるんですが、これは正規日本語版が出てからにしようかなと思います。ただ、権一真くんがかなり気に入っています。キャラクターも戦い方も好き。

 

2巻を日本語で読んでいるときから原書で続きを読もうとわりと冗談半分で思っていたけど、文明の利器のおかげでこんなに早く読み終わるとは。

ものすごい達成感とともに、虚脱感もあったり寂しさもかなりあったり。

読むと読まないとでは大違いですね。

 

神谷浩史さんが好きなので、2021年の時点で中国原産のアニメの主役を演じると聞いたときには「魔道祖師といい、流行ってんなー(魔道祖師の作者と同じとは思ってなかった)」くらいに思ったんだけど、見なかった自分をしばきたいような。結果魔道祖師より好きかもだ。魔道祖師も大好きですけどね。

魔翻訳というプロセスも効いているのかも。なにが飛び出すかわからないでドキドキするあの過程、普通に日本語の本を読むのではなかなか得られないのか、天官賜福だからそうだったのか。得難い経験だった…長生きしていてよかった。まだまだ知らないことはいっぱいありますね。

 

最初に書いたけれどこれで終わりではないし、あとは「さはん」も控えています。

その後もせっかく馴染んだ繁体字、なにかおもしろいものがあったら繁体字版で読みたいなーと思っております。繁体字版がいいです。簡体字でもいいけど。

あとタイBLと韓流BLに食指が伸びそう…

 

はー、この1ヶ月ちょっとすごい高揚感に包まれていました。幸せでした。感謝、感謝、感謝ですわ…また思い出したりお気に入りの章を翻訳していてなにかしら吐き出したいことが出来たら書くと思います。まだ終わらない、そんな気持ちです。