夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

23002 アンディー・ウィアー著 小野田和子訳 「プロジェクト・ヘイル・メアリー」 下巻 ちょいネタバレ感想

いやもうこの作品大好き

人類の希望は、遥か11.9光年の彼方――。たったひとりの冴えた相棒と、謎の解明に挑む!2021年アメリカでの発売以来、NYタイムズをはじめ様々なベストセラー・リストに挙がり、ライアン・ゴズリング主演で映画化が進行中の、ファースト・コンタクトSFの新たな金字塔。

問題が立て続けに起こって心配になるのは「火星の人」と似ていて、これでもかという困難と解決の連続で、でもこちらはすぐそばにロッキーがいるので孤独な戦いではないんですね。

主人公が正規の宇宙飛行士でもないのに地球の危機のために宇宙船に乗っていることや、記憶が混濁していた理由も徐々に明らかになっていくからラストの地球に対しての心の距離感も納得がいきます。地球に特定の大事な相手がいなかった。

 

私は絆という言葉が吐きそうなほど嫌いなのですが、その言葉の良さを感じました。

割とすべてが納得できて無理のない展開で、よく書いたなあと感嘆せずにいられない。たまたま出会った二人が善良で、エリディアンがロズウェルの地球人みたいなことをしなかった(なにをしたのか知らんけど)、うまく行って一応のハッピーエンドを迎えたのはうまく行き過ぎる気もするけれど、あれ以上の困難は物語としては不要だったんでしょうね。

最後の最後まで手に汗握る展開で主人公、グレース博士の選択にはよくやったとしか思えない。

 

面白かったです。ロッキーがとにかく可愛い。映画化されるのですが、ロッキーがたとえヤバい造形をしていても絶対大好きになるだろうな。

あとビートルズが流れ続けるんでしょうね。「火星の人」ではデヴィッド・ボウイでした。

作中には出てこなかったけど私の中では「Lucy In The Sky With Diamonds」がずっとかかっていました。なんででしょうね。

ビートルズは母親の胎内にいたときからずーーーーーっと聴いているからさすがに聴きすぎて最近全然聴いてなかったんですが、久々に流しました。