夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

魔女見習いをさがして(映画)感想

まさかの開始5分で涙腺決壊

あの呪文はまだ覚えてる?

「ねえ、大きくなったら何になりたい?」
教員志望でありながらも、自信をなくして進路に戸惑う大学生・長瀬ソラ―名古屋
望んだ仕事についたものの、職場になじめず葛藤する帰国子女の会社員・吉月ミレ―東京
夢に向けて進学費用を貯めるも、ダメ彼氏に振り回されるフリーター・川谷レイカ尾道
年齢も性格も住んでいる場所も…なにもかもが違う三人。
しかも、それぞれ思い描く未来が見えず、人生に絶賛迷い中!
そんな彼女たちを引き合わせたのは“おジャ魔女どれみ"! ?
かつて魔女見習いたちが集っていたMAHO堂―鎌倉にある洋館での運命的な出会いをきっかけに、三人は飛騨高山・京都・奈良と「おジャ魔女どれみ」ゆかりの地を巡る旅へ!
笑って泣いて支え合って、かけがえのない時間を過ごした三人は改めて気づく、いつもどれみたちがそばにいてくれたことに。
そして魔女見習いたちに背中を押され、踏み出した先に、素敵な世界が広がっていた―

 

おジャ魔女どれみは全然世代じゃなくて大人だけどドハマりした作品で、全話見てるし思い入れたっぷりなのでこの作品はどれみちゃんたちが主役じゃなくて「おジャ魔女どれみ」にハマった当時の子どもたちが大人になったって話なので正直どうなんだと思ったらよ。

5分で…百田夏菜子ちゃんが演じるレイカが住んでいるところがよく知っている場所で、いまはもうないヤバい城まで背景に描かれていてびっくりして。前情報がなかったからヤバい城を見た瞬間に「変なところに城がある街だなあ、東京かね高尾山かね」と思っていたら自分の知っている街だとわかったときの泣き笑いよ。

私の大好きなおジャ魔女どれみのある意味聖地になりおった…年齢とか重たい境遇とかは違うけどこいつは実質私じゃん…おジャ魔女どれみが好きだという女の子がいる世界に出てくる私のよく知っている街よ…しかもレイカのバイトするお好み焼き屋、本当にあるのを知ってる…

 

もうこの瞬間に「ありがとう」って思ってましたね。おジャ魔女どれみが好きな人のために作られたのがよく分かるお話で、あのアニメを見て育った人たちがいまもう大体おとなになっているけどそんな人達に寄り添って元気を与えようとしてくれている作品でした。

どれみちゃんたちがあの作品の中で様々な悩みを抱えていたり壁にぶち当たっている子に寄り添ったり向き合ったりしていたように。

 

(わりと)地元なので「尾道焼きって言わんよね」とか夏菜子ちゃんの頑張ってる方言がどうしても違うとか「浜野謙太さんをこんなクズ役に使うのもったいない、せっかくなら(尾道出身の)細谷佳正さん使えばいいのに」「あの場所ってストリートミュージシャンはそういえば見ないねー」とかいらんツッコミも入れつつ、声豚なのでまさかの石田彰さん起用(おジャ魔女どれみに出ていたといえば出ていた)とか、おジャ魔女どれみに出演されていた声優さんがそこかしこにいらっしゃることにテンションが上ったり。

 

イカとミレが喧嘩したときにミレが見るどれみが#のどれみとはづきちゃんが喧嘩した回で、マジョリカに怒られて反省するどれみにあいこちゃんが「言うていいことと悪いことがある」と言っていたシーン、リアルタイムでも思ったけど「それ初登場でズケズケはづきちゃんにひどいことを言って傷つけたあいちゃんが言う!」って久々にツッコミ入れましたよ。なつかしー!!

 

喧嘩したらすぐに謝りましょう、ってのはおジャ魔女で学びましたね。私はあのアニメを子どもの頃に見られていた世代の人達が羨ましい。

私が小学生の頃に見ていたのは「ダンバイン」「ザブングル」「エルガイム」「イデオン(ちょっとだけ)」「Zガンダム」ですからね…それはそれで幸せでしたが。全部大好きよ。でもあの作品の主人公で喧嘩したり自分が悪いと指摘されてちゃんと謝れる子ってそんなにいない…カミーユは素直だったか。ウォンさんに不条理に殴られてもむかつきながら受け入れてたな…

ハッ!クリーミィマミも見ていたよ!!!!!うん!!!

 

おジャ魔女どれみをそのままいま映画化とかされてもそりゃあ大歓迎だったと思うけれど、これはこれですごく良かった。若いお嬢さん特有の旅先での変なテンションとかクズ男に振り回されるとか一流企業でクソみたいな上司に抑圧されるとかその辺にありそうなことを繰り広げる人たちが共有するのが子どもの頃に見た素敵なアニメの思い出というのは本当によくありそう。

私がそういうので共有できるのはサンライズ作品だけどな…聖地はいいとこダンバインの岩国*1Zガンダムの香港…キリマンジャロ…岩国と香港ならなんとか。キリマンジャロは行けるかよ

 

と、サンライズ東映のせめぎあいを抱えつつも楽しめました。ちょっと足を伸ばせばすぐに聖地が見られるのでまた出かけましょう。

*1:同じ世界観の「リーンの翼」に岩国が出てくる