夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

全然言い足らない「25時、赤坂で」 感想

暇さえあれば読んでます。

 

1巻の後半から画風に磨きがかかりだしていま右肩上がりなんですよね。

あまりに何度も読み返してしまうので「あ、これは吐き出さないと止まらないやつだ(止まらなくてもいいんだけど)」と気づいたので萌えを吐き出そうと思います。

3巻を読むと1巻の序盤を読み返したくなるじゃないですか。

 

うまいこと三原さんがその場にいなかった理由も盛り込むなあとか(後付けだったらの話。でも唐突ではある。いきなり二丁目のゲイバーでたまたま出くわすとかありえないので説明してなかったけどこういうことでした、ってことじゃなかったら麻水さんがストーカー説が出てまう笑)思いながらも、読めば読むほど普段はちゃんとしてそうな麻水さんの白崎くんへのやらかしを含め強引な展開が、なるほどなるほどと。

 

序盤の麻水さんの白崎くんの性嗜好を確かめる圧が強いのも長年の片想いの相手と思わぬ再会で浮かれてるがゆえなのかと思うと可愛い。

マネジャーからサイボーグと呼ばれたり白崎くんをしても「芝居をしてないと作り物みたい」って言われる麻水さんがそんな感じで理性がおかしくなったり嫉妬したり怒ったり凹んだり、麻水さん断ちされてセックス休憩されたり辛いことを話してもらえずに2週間避けられた仕返しで意地悪するとか人間になってきている過程が拝めるの、そういう元々人間性が薄い人が人間になっていく感じの話が大好物の私にはありがてえありがてえ、私がこの作品を好きなのってそこか!とさっき気付きました。さっき。

 

 で、今日私が言いたいのは、2巻のところなんですよ!

 

 新キャラの山瀬くんが演技論や精神論をやたらぶつけてくるけど頭でそんなに考えたことがなくて考えたくもないらしい麻水さんが映画の撮影の最後あたりのシーンでアドリブを入れます。

 他のシーンではセリフは吹き出しに括弧書きで語られるんですけど、麻水さんのそのセリフだけ括弧書きじゃないんですよね。いい思い出で終わらせるつもりだった白崎くんと付き合うようになって嫉妬したり指摘される程度に怒ったりしてるけど、難しいことを考えないまでも出てきたアドリブがこれなのが。

 

ここでアドリブで泣くときに口にするのは自分の気持ちなんだろうなと思うと、家から2kmくらい離れた海に向かって走り出したい気持ちになってしまった…

そのあとで白崎くんに出会ってくれてありがとうって言ったのとかもうモノローグにもしてくれない気持ちが溢れていませんか。

 

徐々に小出ししてる程度にしか読者には分からせないけど思いの外クソデカ感情を抱えている麻水さんと学生の頃から直球で憧れていたのがだんだんしっかりとした愛情になっていってる白崎くん本当にいい恋人同士だな

 

白崎くんが麻水さんのことを聞きたいときに三原さんを頼っちゃうのが好きですね。結果翻弄されたりしてるけど。本人に聞けばいいのに、自分にデリカシーがないのも分かってるから直接聞きにくいことがたくさんあるみたい。一方的に優しくされるよりちゃんと返したくて大変になってるところがいっぱい見られるのも魅力だと思います。

 

こりゃあね、5巻も絶対素晴らしいよ。

 

また1巻から一周しよう…土日もたっぷり読もう。いろいろすごいんだもの。このふたり。