夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

23017 墨香銅臭 「人渣反派自救系統」(台湾平心出版 繁体字版) 上巻 感想

平心出版はボーイズラブ専門の出版社らしい。

Twitterでフォローさせていただいているのだけど、面白そうなのを出版しているみたいで気になる。が、個人的に買い求めるのは難しい。最後の切り札、台湾在住の従姉妹の出番か?(ないない)

WEBで人気のハーレム小説のオタクが物語の終わり方に腹を立てて食べていたものが喉につまり死亡、その後作中で主人公を幼い頃からいじめ抜くゲス野郎である師匠に転生するが、それだけに師匠がどんな復讐をされるか知ってるのでそれを回避しようとするというのが序盤の展開で、回避したら3000人のハーレムを作るはずの弟子が懐いて特別な感情を抱くようになるというのはもう世の中に知れ渡っているので書いてもいいっしょ。

 

たぶん師匠が恋愛対象にならなかったから、冰河は相手を求めて3000人だったんだろうなーというのはお察しできましたが、物語にさまざまな前提があるのでそれに翻弄されるキャラクターたちがメタ的な視線とそうでない部分から語られるので面白い。

でも私はそんなにメタ視線に興味がないので(いちいち笑えるけれど)、殺されるはずの相手に怯える師尊と物語がどんな風になるはずだったか知る由がないから好意が大きくなる弟子のものすごいすれ違いの方に興味が湧く感じです。

 

元はクズな人だけど途中で誠実で原作の猛烈なオタクが成り代わっているから振る舞いや人となりで周りも変わっていくのはいろいろ教訓めいている気もする。

 

ニヤニヤするところも多かったけど、攻めのはずの冰河の不憫さが強めなので心臓が痛いです。とっとと続きを読もう。