な ん で 見 た
24年間恋愛経験ゼロのOLヨシカは、日々、中学時代に片思いをしていた一宮(イチ)との「脳内恋愛」を楽しんでいた。
ある日、ヨシカは同期の霧島(二)からの告白を受ける。
生まれて初めて男性から告白されたことに歓喜するヨシカだったが、イチへの思いと、特に好意を持っているわけではない二との間で心が揺れる。
そんな時、とある事件をきっかけに、イチと再会したいとの思いが募ったヨシカは、同窓会を計画するのだが…。
冒頭から途中で明かされる秘密に気づいてしまっていたので痛いものを見る目でずっと見ていました。だから金曜日に見始めて途中で心が折れてさっき途中から最後まで見終わりました。
フランス映画の「アメリ」っぽい、世の中とうまく付き合えない自意識高めの女の子(でもアメリと違って気位というかプライドが高い)が現実に傷ついていくさまは、創作なのに「まあこうなりますよね」と感じるものでした。冒頭から一方的に喋って相手のことには全然興味がないところとか私も胸に覚えがあって…でも私だったら、好きな人に名前を覚えてもらえていなかったら「覚えてもらう努力してなかったからな」って自戒するとは思う…ここまで自己中で自意識高くて自己評価高くはいられない。私は自己肯定感は高いけど自己評価が高いわけじゃないから…って自分を振り返ったり。実は「アメリ」を見た父が「おまえにそっくりな子が出る映画を見た」とDVDをくれたくらいキャラかぶってんねん、ああいう世の中とうまくいっていない変わった人。だから痛くてキツいわと終始思う中、日本人じゃない役を演じる趣里さんやフリーダ・カーロっぽいコンビニ店員がとても魅力的で確かに話しかけたくなる!って思いましたわ。趣里さんのバレエの振りがとてもエレガントでした。趣里さんは出演作を見れば見るほど好きになるなあ。
松岡茉優さんの演技が凄まじかったのですが、熱演すればするほど私には痛く感じる。でも面白かったのは確か。最後まで見ちゃったもん。結局北村くんはなんやねんと思ったけれどもな。マジレスすると、名前を覚えてもらってなくてもあれだけシンパシー感じる話ができるなら今からでもなんとでもなれるじゃろと。たぶん過去の彼が好きで過去の彼に好きになってもらいたかったというか好かれていたことを確信したかったんだろうな。だから現在の彼がいまどうしてるかとか興味なくて訊いてない。だいたい他人に興味がない。興味を持っても近づく勇気がない。自分が彼らと釣り合うほど魅力がないとわかってる。気位は高いけどやっぱり自己評価は低い。そういう主人公の言葉には終盤までされないさまざまな描写から読み取れるのがすごい。たぶん原作もそうなんだろうな。
一番心にフィットしたのは、終盤のブチキレたころに叫ぶFワードですね。私も最近やたら腹の中で叫びがち。
世の中とうまく行っていないちょっと変わった人とはシンクロしがちだけどこの人とは私はちがう、ちがうと思いたがりました。たぶんちょっと近いんでしょう。
なんで見たんだろうなあ。北村匠海くんが見たかったのかなあ。あと、来月「私をくいとめて」(同じ監督、同じ原作者、主演がのんちゃんと林遣都さん!!!)が配信開始ですぐにアマゾンプライムで見放題になるから、先に見ておいてよかったのかな。
松岡茉優さんでも肌にシミがあるとかどうでもいい部分にまで注目してしまったな…
ラブコメとジャケットにあるけど、私にはちっとも笑えなかった。