夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

IT/”それ”が見えたら、終わり。 (映画)(吹き替え)

 相変わらずiPadでホラー映画で何が怖いって、暗転とか暗がりの映像で自分たちの顔が映ることですよね。もう、私とお婿の顔が超怖い。

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(吹替版)

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(吹替版)

  • 発売日: 2018/01/12
  • メディア: Prime Video
 

 私は昔のTVドラマ版も何度か見てます。ホラー苦手なのになぜ何度か見てるかって、母のフェイバリット作品なんですよ。「IT」。昔のはペニーワイズをティム・カリーが演じていて、事前情報なく見たのにひと目で「フランケン・フルターだ!」と看破したのがいま考えると驚き。しかもあの人、「ホーム・アローン2」かな、あれでティム・カリーを見たときも「フランケン・フルターだ!」ってどんだけティム・カリーだけは見破れるん…(ホーム・アローン2ではノーメイク)

母のせいでスティーヴン・キングの映画化作品はけっこう見ているのですが、なぜか母の中で「れーちゃんの大好きなスティーヴン・キング」ってなっていて、多少間違いではないのだけど歪んだ勘違いで私は見せられていたらしいです。私がおとなになるまでに好きだったのは「スタンド・バイ・ミー」と「ショーシャンクの空に」くらいですよ。後者は苦手だけど。

かなり昔に見たので筋はおぼろげで、子どもたちがアルルカンの姿の邪悪を倒したけどおとなになったら復活したから再結集するってのは憶えています。

その状態で数年前からぼちぼち原作の方を読んでいます。これがね、巻数が多いし1巻が話が遅々として進まないし人が殺されるのがいちいちおっかないので慄きながらページが進まないので3分の2くらいのところで止まってます。

 

そんな状態で、気が向いたので今回の映画を見ました。

話の筋を知っているのは強みで、本来なら避けるはずの「子どもが悲惨な目に遭う」「グロテスクなシーンがいっぱいある」「日常に照らし合わせるとビビってまうシーンが多い」という要素がふんだんに盛り込まれているのにわりと目を背けずに見てしまいました。

 

怖いはずのペニーワイズが怖いを通り越して挙動が面白くて「なんかモノマネできそう」って言いながらゲラゲラ笑ってしまうシーンもわりと多かったな…

ペニーワイズより現実の子どもたちの親のほうが嫌だったり怖かったりしなかった??

ペニーワイズはそういうものたちも含めた悪意の塊なんだろうけれども。それらに対する憎しみや負けん気がルーザーズを強くさせたのではと思うような描写が多くて、怖いのに胸アツなんですよね。

それに負けた人が殺されたり殺したりするんだろうなとか。

 

しばらく排水口を凝視できそうにないけど(トイレも怖かった)もしかしたら明日くらいに続きを見るかもしれません。

ラストの甘酸っぱさがそれまでの醜悪さを和らげるのもよかった。

時代設定は30年近く上げ底されているものの、スタンド・バイ・ミーでも見られた不良グループと学校カーストの確執とカウンターがここでも見られてアメリカの田舎ってどこでも同じなのかキングの子ども時代がそうなのか多分前者も強いんだろうなと思わされました。

なにも知らずアメリカに憧れを持っていても、スティーヴン・キングの本を読めば怖くて行きたくなくなるもんです。

 

劇場で見たらぜんぜん違ってただろうけどそこまで怖くなかったな…その代わりずっと面白かった。この映画好きです。ドラマ版も面白かったものな。原作もキングの中でベストに挙げるファンが多いのも頷ける。私のベストはダークタワーだけど(あれも子どもが悲惨な目に遭います)いや、シャイニングかな(あれも子どもが以下略

あれだけ子どもが悲惨な目に遭う作品を書いておいて自分そっくりの息子がまたホラー怪奇作品の名手になってるのは素晴らしいことだと思うのですよ。

 

あまりに象徴的な台詞が多いからよくネタにされてるけどまさかFGOでもネタにされるとは(シャイニングもネタになってた)。2021年の新年の礼装の文章がペニーワイズのものだったので可笑しかったです。

本当に怖いホラー映画は笑えるというのが定説になってるな…

 

 

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