夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

シェイプ・オブ・ウォーター

 うちのお婿、ろくちゃんが本当は映画館で見たかったやつです。ろくちゃんはお仕事で忙しく、私は出かけたくなかった。ごめん!

政府の極秘研究所で清掃員として働くイライザは、ある日施設に運び込まれた不思議な生きものを盗み見てしまう。“彼”の奇妙だが、どこか魅惑的な姿に心を奪われた、声を失くした孤独なイライザと、遠い海から連れて来られた不思議な生きものの“彼”は、次第に心を通わせ始めるが…。

私以外の人は知らないけれど、女性って頻繁にマスターベーションするの?って部分に「おいおい」と云ったり(私は性欲が薄いんですよ。波はあるけど)、主人公の女性がすげえ肉食系なので私自身はそこに入り込めず、でも冷戦時代の雰囲気、ゲイと有色人種が肩身の狭い思いで暮らし、主人公もめっちゃいやなセクハラされる部分とかの時代背景とかにモヤっとしながらも、そういう細かなところとレトロチープな感じとリアルな感じがしっかりした研究所の舞台装置にキャッキャして見ました。

 

異種間恋愛が割と濃い形で描かれているのですが、そのへんは偏見がない私とろくちゃんなのでええのう…と見ておりましたが、ろくちゃんのハマりっぷりがすごかった。私がミュージカルシーンで涙ぐんでいたら、ろくちゃんは大粒の涙をこぼしだして、「美しい」と言葉を漏らす。いや泣いている貴方が美しいよ。

私はどっちを見ればいいんだろうとわたわたしながらクライマックスに突入。

 

最初の逃亡からクライマックスが意外なまで長く、異種間恋愛を育み事に及ぶところも丁寧に描かれていたのがこれまでのハリウッド映画にない展開だなと私は冷静に見るところもあったのですが、ろくは「ここまで来たんだなあ」って言いながら泣き崩れました。

なに、そんなにロマンが詰まっていたの?よくわかんないが、感動したのなら良かったです。

 

最後に引用された詩が美しかったのでメモ。

あなたの姿がなくても

気配を感じる

あなたの愛が見える

愛に包まれて

私の心は優しく漂う