夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

「心が叫びたがってるんだ。」

 この映画の予告編を見た時に、「あの花」で泣きまくったあとだったので気になったのだけれど、声だけで出演声優を特定できたのが細谷佳正さんだけであった。いまは内山昂輝さんも特定できるけれど(ユーリオンアイス見すぎ問題)。そのときに、細谷佳正さんのファンなのを心の底から自覚しましたね…

 

決して明るい映画ではないとわかっていたし、あの花も素晴らしかったけれどまた見るのも勇気がいるのでこちらもちょっと勇気がいったというか気が向くかなかったのだけど漸く見ました。

 たしかにテーマは重たいし、抱えたトラウマが痛々しいけれど、それに余りある音楽の力よ…

トラウマ克服ものだけどそれがまさかミュージカルにつながるとは思わなかった。あの花のめんまがマジで幽霊というのとおなじくらいびっくりしたよ。

途中もいっぱい泣き所があるのですが、笑いどころもいっぱいあります。

感じの悪かったほそやん演じる田崎くんがスポ根の人だけに徐々に青春の味付けになっていくのよかった。ミュージカルの衣装、メイクもよかったよ!

 

途中内山昂輝さんが何度か唄う「玉子の中にはなにがある」がとても好きです。映画見る前になんどか聴いていたけれど80日間世界一周のメインテーマに違う歌詞を乗せているなとは思っていたのだけど、聞き慣れるとこれしかハマらないくらいのんびりした歌声がいい。

グリーンスリーブスや虹の彼方、亡き王女のためのパヴァーヌになど有名な曲に歌詞を当てるのアリだな、って。

私も子供の頃からミュージカルを見て育ったので歌に気持ちを載せたいのはよく分かる…気分がアガると歌いたくなるし、踊っちゃうものな。

 

まあ現実ではみんなクールに流して適当に終わらせて、熱い人がいても冷笑して終わりって感じのお話ではあるけれど、この映画でもそういう雰囲気から前向きへの方向転換があっての、ってのがあってリアルさはあった。

こんな青春は過ごしておらず、あこがれもせず、頑張っていた人を寒々しいと思ってみていた方の私としては痛し痒しではあったが*1フィクションだから美しいよね…

 

「心が叫びたがってるんだ。」オリジナルサウンドトラック

「心が叫びたがってるんだ。」オリジナルサウンドトラック

 

 

いやでもこういう青春を送らなかったからこういう映画が好きだし、ペルソナシリーズが大好きだからね!!ジュブナイルもの大好物だからね!

 

細かなところはぜんぜん違うけれど、人間関係、流れとかは「あの花」と共通したところが多かったような。だからあの作品が好きだったらハマるの間違い無し。

いいもの見られました。

*1:いや、同じクラスの人たちの仲良し10人程度で家庭用ビデオカメラでなんかミステリを棒読みの広島弁で演じるミニ映画を録ったやつをクラスの出し物として見せられてご覧よ。作ったのも知らないし、作りますがいいですか、って話もなかったのにクラスの出し物って。いかにクラスの中心にいなかったとしても私はこんなの知らないよ!辛いよ!恥ずかしいよ!仲間だと思われたくないから教室から出ていいかな?って思うよね…