怪奇小説日和: 黄金時代傑作選 (ちくま文庫 に 13-2)
- 作者: 西崎憲
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2013/11/06
- メディア: 文庫
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今日から一日一話のつもりで読みます。
フィッツ=ジェイムズ・オブライエン「墓を愛した少年」
怪奇というよりはナイーブな少年に心が痛む美しいお話。自然の表現が細かくていろいろ調べながら読むと情景がクリアに広がった。
同じ作者の「ダイヤモンドのレンズ」=「金剛石のレンズ」は持っているのでいきなり気になり始めた。
- 作者: フィッツ=ジェイムズオブライエン,Fitz‐James O'Brien,大瀧啓裕
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2008/12
- メディア: 文庫
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ヨナス・リー 「岩のひきだし」
ノルウェーの作家の作品で、民間伝承に材をとった話を書くとのことで、なるほど民話と怪談がまざった感じ。出てくる女の不気味さが安部公房の「砂の女」のようであった。話のつながりとか因果があるのかないのかは考えてしまうところ。深読みして誰かと語り合いたい作品。(4/22読了)
マージョリー・ボウエン 「フローレンス・フラナリー」
読んでいたらだいたいオチが予想できる、嫌な予感の伏線でいっぱい。不条理で登場人物のほとんどが不気味なんだけど、酷い目に遭う人がもう一人の方だったら私は納得するのになと思うほどに自己中で嫌な奴が出て来た。(5/15読了)
エリザベス・ボウエン 「陽気なる魂」
1942年、下宿をクリスマスの間出なければいけなくなると町の名士の家に招待された女性。しかし屋敷に名士たちはおらず、イタリアから疎開してきた叔母がいた。
信頼のできない語り手というか、どこからどこまで本当かわからず、語り手が実直な感じがする分そら寒い気がしてくる。(2015年1/7読了)