夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

アメリカン・ハッスル

映画館で見る映画は映像美に特化されたものがいいと、田舎から車を飛ばして行く私は思うので、結果SFとかアニメとかアクションを選びがち。これはその条件から外れているけれど公開第一週に意気揚々と見に行った。
コンゲームを見てスカッとしたかったのだ。

しかしコンゲームで面白かったものってなんだっけ、と記憶を辿り、はてなのキーワードを見れば「オーシャンズ11」がそうである、と。

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ブラッド・ピットがこれに限っては好き、おじいちゃんのソールが好き、双子が好き、おちょくられるマット・デイモンが好き、アンディ・ガルシアが面白い、という、割と好きで何度も見ている映画だけどこういうのが見たかったわけではないような気がする。

実話だから脚色しない限り思い切りスカッとはしないだろうと予想しつつ、事前に確認したクリスチャン・ベイルの役作りにびっくりしながら(あれでまたマッチョに戻るんだろうからハリウッド俳優の体はすごいなあ)、ちょうど自分が生まれた頃のファッションセンスを見に向かったのであった。

うちのママがジェニファー・ローレンスみたいな服を着た写真とかある。ロシア人の混血らしいからとっても似合っていた。ママが当時22歳くらいだったのにそうは見えなかったほどに、当時のファッションは大人っぽい。ジェニファー・ローレンスもいま23歳なのにやさぐれた雰囲気と貫禄とファッションと髪型のせいでそうは見えなかった。昭和のムード歌謡、って感じ。
サイドビジネスに贋作や嘘の儲け話で人を騙すけど頭髪は騙し切れていない中年男性がパートナーになる女性と出会い、FBIの罠にハマって利用されて政治家を陥れようとするがマフィアが絡んできてどツボにハマりそうになるという展開で、こういう映画は誰に感情移入するかで印象が変わるけど、世の中の正義や常識はさておいて見ていたら誰が一番問題なのかじわじわわかってきて、犯罪者を目の前にやるせない気持ちになったものだった。

そこまではスカッとしなかったけどジェニファー・ローレンスの、お話を引っ掻き回そうとする愚かな役回りにヒヤヒヤしたり、エイミー・アダムスのどすっぴんがホラー映画だったり、「本物の役作りを教えてやる」と、体を張った役作りの元祖とも言える御大が出てきてびっくりしたり、わざわざ映画館に足を運んだ甲斐はありました。お話でそこそこ魅せて(でもその他大勢がことごとく騙されて行く流れがあんまり説得力なかった。私が美味しい話に疎いからか?)俳優たちの演技で魅せまくる映画だった。とくに女性二人の演技が魅力。どろどろしていてかっこよかった。

ただ、気になったのが字幕で見たんだけど所々翻訳が変だった。名詞の翻訳の言葉選びというか。昔のSF小説を読んでいると行き当たるあれ。
翻訳はなっちかしらと疑ったほどであった。