夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

使い道報告 一番好きな本

アフィリエイトでいただいた報酬はブログに還元するつもりなのだけど、今回は迷って保留中でしたが、中古ゲームをアマゾン買取で売ってそこそこの額のAmazonポイントもあり、ちょうど素敵な本が発売とあって購入手続きをしました。

冬虫夏草

冬虫夏草

こちらです。アフィリエイト分も含まれています。
このブログからAmazonでなにがしかのものを購入された方々に厚く御礼申し上げます。
まさか続編が上梓されるとは思いませんでした。
前作は、日本人が最近書いた本の中では一番か二番に好きだと思う。読んでいる間じゅう幸せだった。
亡くなった友達の家を預かることになった綿貫征四郎さんが出会うさまざまな不思議のお話。似たようなお話がこの後に別の作家によってちょこちょこ出ているけれどこちらが不思議との距離感が絶妙で文体も本物。美しい上に楽しくて切ない。日本らしさもそこかしこにあるのも良い。単行本版の装丁が大好きすぎて、文庫版を買った後に手配してしまった。(初読は図書館だったのです)
家守綺譚 (新潮文庫)

家守綺譚 (新潮文庫)

家守綺譚

家守綺譚

そしてこちらが姉妹編というか兄弟編。綿貫さんのお友達が主役で舞台はトルコ。
村田エフェンディ滞土録 (角川文庫)

村田エフェンディ滞土録 (角川文庫)

両方とも2周以上読んでいる。トルコの方はラストのあるセリフを思い出すといつでも目が潤む。

ほかに最近書かれて一番好きかもしれない本はこれも挙げられる。

猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫)

猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫)

猫を抱いて象と泳ぐ

猫を抱いて象と泳ぐ

単行本が発売された時に店頭に並んでいるのを見た瞬間、なにかの予感に取り憑かれて手に取り購入。夜明かしで泣きながら読んだ。
いまもリトル・アリョーヒンってキーワードで胸が痛くなって涙が出てくる。冬の星空がなぜか頭をよぎる。チェスをモチーフにした作品はもともと大好きだけどこれは別格。
文章も小川洋子様なので美しさは保証付き。不快にならない、目を背けられない残酷さがそこかしこにあり、しかし決してくどくなくひしひしと読み手に迫ってくる。
くどい暴力と血=残酷と思いがちの作家はこれを読むといいよ。

死の泉 (ハヤカワ文庫JA)

死の泉 (ハヤカワ文庫JA)

皆川博子様は特別。
私的に上記の3名様が日本の最近の女性作家の中では特別なのであった。作り出した世界の住人になりたいと思わせてくれる。読後も読んだ時間が特別になる。
そういう作家の作品はなかなかない。その時間が欲しくて本を読みたいところもある。読書って出会いですよなあ。と思うのであった。
これらの本は、一部はKindleで出ているけれど、特に梨木香歩様の本は是非とも紙の本を読んでいただきたい。読んだ時の記憶が紙のページをめくる感触ごと美しく刻まれるような気がする。別につるっつるの液晶画面の感触でもいいのかもしれないけど、槙島さんもああ言われていたし…

楽しみだなー、征四郎さんの新作。