- 作者: フィツジェラルド,野崎孝
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1989/05/20
- メディア: 文庫
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The Great Gatsby (English Edition)
- 作者: F. Scott Fitzgerald,George Orwell
- 出版社/メーカー: MonkeyBone Publications
- 発売日: 2013/09/25
- メディア: Kindle版
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お話は世界大恐慌前の好景気に湧くニューヨークに就職するために出てきた主人公が、隣人で豪華な城を持つギャツビーと出会って交流するうちに彼の心に潜むある野望を遂げるために協力する羽目に、と書くと剣呑だけどギャツビーの野望は案外ささやかでおバカなものであった。私が感じるに。
ともすれば女性が書きそうな話ではある。こんな男はいないよーと擦れたら思う。
でも書いたのは男性で、だからこそあんなラストなのかな。
デイジーが男性の征服欲の到達点、成功の証と見なすならなるほど男性の書いた小説なんだけど、なにぶんあんまり良家の子女に感じない。でもシカゴの社交界の花形だったらしい。ギャツビーの執着が結局なんだったのか。その辺を掘り下げたり話し合えるから文学的にも話題に事欠かない感じ。
主人公のまたいとこの夫であるトムが、もういままで読んだことがあるお話の中でもランクインできるくらい嫌なやつ。自己中で卑怯で金持ちの傲慢なところをたくさん持っている、ディズニー映画だったら最後にギャフンと言わせられるヴィランだと思うけどこれはディズニー映画ではないのであんなことに。
読んだあとにやりきれない気持ちになる、ギャツビーの正体が明らかになるに連れて、くだらないと思えた話が崇高になってくる、なるほど名作と100年近く多くの人に読まれるだけはある作品でした。
そして本命の「華麗なるギャツビー」。
バズ・ラーマンはデビュー作から大好きで、ロミオ+ジュリエットとムーランルージュはDVDで持っている。何度も見た。映像美と音楽のセンスの良さ、くどすぎる豪華さがすごく好みなのであった。(しかし「オーストラリア」は趣が違いそうで見ていない)
この映画もパーティシーンは豪華で猥雑。3Dで見たのだけどうまく生かされていてキラキラふわふわしていたけれど、パーティシーンのほとんどはどちらかというとトビー以外の主役が不在なのでこれまでの作品のパーティシーンとかレビューのシーンとは趣きが違う感じで楽しむというより傍観していた。主人公と一緒で。
お話は原作とほぼ一緒。翻訳が現代的なので野崎訳の人たちより品良く見えた。
キャリー・マリガンがところどころトリンドル玲奈に見えたり同年代のディカプとトビーを老けたなあと思ったり脱線しつつも、「お茶会」のシーンで原作同様、ギャツビーの可愛さに爆笑したりエクルバーグ博士の看板の演出が生かされていたり、話を知ってるから昔の映画風なチープな演出を楽しんだり。車に乗っていても髪が揺れない。自動車工場付近の背景は合成くささまるだし。
音楽もかっこいいしさすがだなーと思いつつ、あるシーンのあるセリフだけディカプ演じるギャツビーのセリフが追加されていて、その方が伝わりやすいのかもしれないけれどディカプは演技力はある人なので彼の演技でなんとかできなかったのか、そこが気になった。
そのシーンのセリフのせいでギャツビーが一気に人間臭くなるというか、お里が知れるんだけど、あそこはトムに勝たせたくなかったなあ…
と、原作を知っていれば思うところもあり。
ディカプは(私がディカプをディカプと呼ぶのは三谷幸喜が彼を「レオ様」と呼ぶのに抵抗があるからディカプと呼ぼうと言い出したのを友達から聞いて友達とのあいだでそれた浸透したから)昔はその容姿が大好きでだんだんいまの姿に成長するに連れて「ドイツイタリア系おそるべし」と思っていて、今回もギャツビーを演じたのが彼なのは良かったのかどうかはわからない。ロバート・レッドフォードが若ければ…でもブラッド・ピットは嫌。トビー・マグワイアはピッタリ。空気的ながら空気すぎず、ディカプの横にいて遜色なし。他にゴージャスな役ができる30代の俳優はいなかったかなあと首をかしげたけれど、濃い演出の映画だからディカプでちょうどよかったのか。
最後にやり切れなさがのこるお話だけど、これまで見たバズ・ラーマンの映画が全部そうでお祭りのあとの倦怠感があとに引く感じが続いている。
これはDVDでは買わないかもしれない。なにしろ、ジョン・レグイザモとハロルド・ペリノーJrに相当する強烈で見応えあるキャラクターがおらず、また見返したいと思えるシーンがさほどなかった。3Dで劇場で見て正解。劇場でならもう一度見たいかも。
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