スーパーヒーローの秘密 ((株)魔法製作所) (創元推理文庫)
- 作者: シャンナ・スウェンドソン,今泉敦子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2010/12/11
- メディア: 文庫
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オーウェンに殺し文句めいた説得?をされてマンハッタンに帰ってきたケイティは早速敵方のステマに巻き込まれて這々の体で出社。そこで新たに知恵を出してカンファレンスを行うことになり、昇進も決まってアシスタントも用意されるけれど、魔法絡みの事件が会社の内外であとを絶たず、引退したはずの前社長が出張ってきて周りの態度とちがって自分には不愉快にうつったり、イドリスに尋問してもあまり成果はなく、前社長がらみでオーウェンとの関係もなんだかギクシャク。そして魔法使い全員がインフルエンザらしき病気にかかったり、ケイティは大仕事を控えて前途多難、という展開。
オーウェンが当代随一の魔法使いといわれ、ポテンシャルの凄さに里親からわざわざ内向的になるように育てられたけれど出生は不明で力の根本たる秘密もわからなかったのが、彼の危機とともに明らかになるのでした。
タイトル通りでしょ。
秘密が明らかになるに連れてオーウェンがどんどん弱腰になるのに対比してケイティがもう、強くてかっこいいったらない。オーウェンを守って助けて引っ張って背中を押して、よく頑張りました。1巻のころを思うとオーウェンがMr.ライトだったのがどんどん等身大のハンサムに、彼に腰砕けになるくらいに惚れ込んでいたケイティがどんどん恋人らしくしっかりしていってお話の進んでいる感じが出てるのが良い。
一旦終わっちゃって結果がアレなのがなんだかオーウェンばかり気の毒な気がするけれど、彼自身未来にいろんな楽しみを見出しているようなのでめでたしめでたし。
でも続きがあるんだもの。日付的にはいよいよですよ。楽しみなような怖いような。
ではここからネタバレ。
テキサスに帰ろうかしら、と軽くぼやいたケイティに「ぼくが一緒に行っていいならね」とさらっと云えてしまう開き直りを見せた序盤から萌え、事あるごとに仲良しぶりをみせつけられ、ギクシャクしたりオーウェンの秘密が暴露されてオーウェンが自分の生まれの秘密に関して弱気になるのをチキン野郎的な感じで内心罵倒したりしつつもお互い「好き」より強い愛情を自覚できるようになって、二人の仲の成長が伺えてよかった。
シリアスなシーンが多かったけれど、インフルエンザから逃げるためにケバいモーテルに元彼のイーサンと今彼のオーウェンと会社社長と飛び込んだエピソードは可笑しかったし、あの前後のオーウェンはやはり可愛かった。
彼はあのとき、何を言おうとしたんでしょうね。大体想像つくけどね。
話に流れでハネムーンに言及したのはケイティの友達と同じ分析をしてしまった。脈ありですよ。
魔力を失ってしまったけど免疫を獲得したオーウェンは頭もいいから今後も活躍できるだろうな。
それより、作中で27歳と30歳になるかならないか(ケイティは5巻の作中で27歳になった。オーウェンの誕生日は7月4日だけど、なる前なのかなったあとなのかは語られず、拾われたのが30年前ということはよくいわれてる)の二人が今時のgleeのオハイオの学生たちより関係の深まる速度が激烈遅くて私は心配です。
そこがいいのでもあるけど。逆に進展するのも怖くなるよこの様子では。
意外に大人のほうがこういうのが遅いよね、とは思うけど。
新作が楽しみで心配。オーウェンが可愛いならなんでもいいけれど。
楽しみで眠られません…
あと、魔法界を追放されたイドリスにも出て欲しいところ。あんな形、人づてに聞いた話で彼のお話が終わるのは残念すぎる。面白いトラブルメーカーなので再登場希望。
原書がamazon.comで電子書籍で販売されていることが判明。
http://www.amazon.com/Much-About-Magic-Enchanted-ebook/dp/B008R26CRI/ref=la_B001ILIAES_1_6?ie=UTF8&qid=1347466574&sr=1-6
本国のファンの人たちが待ちまくったレビューも読めます。心中お察しします。