「愛の不時着」の脚本家さんの過去作。
おめめと同じくらい眉毛がしっかりしているキム・スヒョンさんと私でも知ってる「猟奇的な彼女」の人が共演しているSFラブコメで入り口がラブコメだから非常に見やすかった。
ラブコメなのにサイコスリラーありでどこにでもサイコパスが入り込むのすごいよね、韓ドラの世界…
ヒロインが人気の女優でその幼馴染が財閥の末っ子でずっと求婚しているのを断り続け、それをそばで見つめているいつだって脇役で友達の女優(シークレットガーデン、トッケビと続けて見ているのにシークレットガーデンのあの可愛い同居人と気づかないままだった)、その兄が途中で起こる事件の担当検事、ヒロインが引っ越したお隣にいたのがヒロインの前世?に因縁がある宇宙人とわりとミニマムな世界で起こるお話ですが、ヒロインの母親がヒロインに寄生する毒親というのもよくある話なのかそのままであまりなにも関係性が変化しないのがある意味衝撃だったな。でもこれまで見た韓国ドラマのひどい親子関係、あまり解決したのを見てないな。ジキルとハイドに恋した私もお父さんは一応態度を改めて詫たけどお父さんの方の希望のほうが叶ってるし。
そんなのは二の次なのか、もう解決できない問題なのか。
きっかけはヒロインが400年前に助けられなかった少女にそっくりだったから、なんだけど途中からはそれが些末なことになり、じっくりと関係性の変化が描かれていていつの間にかお互い好きになっているというのがわりと自然で、強引なところもなく、ツッコミどころもあまりなく見られました。強いて言えばおバカであるのが全国的に有名になったために形だけでも大学に通うようになり、そこで講師と生徒の関係にもなります、っていうエピソードが強引かな…あんまり生徒として活躍することはなかったし最後あたりはその設定を私も忘れていた。
サイコパスの人はとことんあくどいんだけど、わりと脇が甘いのでどのタイミングでも退治できたのでは、という疑惑はある。だいたい避妊ができない男は脇が甘い…
ヒロインがおバカでやかましいかと思えばプライドが高いのも気高さを伴っているから嫌いにはならないタイプ。お鼻にほくろがあるのが目につくのだけど、逆に「とらないんだ」って思ってしまう私はもういろいろ慣れてますね。
財閥の末っ子の人がずっとヒロインを好きで、素直でいい人で、兄がサイコパスだと気づいた後の身の処し方も素晴らしく、これト・ミュンジュン(宇宙人)がいなかったら十分主人公として魅力がありました。父親のほうが兄のサイコパスをやや肯定していておかしかったよね。
結局USBの映像は使われなかったし気になるところもちょいちょいあるけれど(質屋をまたそういう使い方するーって笑ったり)恋に落ちたト・ミュンジュンの妄想が可愛かったりヒロインの体を張った醜態が面白かったり、弁護士さんとヒロインの弟がいい味をだしていたしで楽しめました。脇役にもわりと光を当てるのはいい作品。最たるものが愛の不時着なんだけど。あんな素敵な脚本をよう書いてくれました…
ハッピーエンドで良かった。後日談みたいに語るパートがちょいちょいあるからそうかなとは思っていたけど。ああいう演出好きなのよねー。
しかしサブタイトルが毎回ダサくて、あれ日本独自だったとしたら罪深いわ。日本に輸入するにあたっていろんなもの(タイトルロゴとかパッケージデザインとか)がダサく改変されるって話を聞いたことがあるけどこれもかな。
ほかの脚本作も追いかけたいと思います。