夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

#愛の不時着 2周め行く前にざっくり感想 よっぽど重要なところ以外ネタバレしてる

 久々に沼にハマり、睡眠不足、生活習慣と生活リズムが大狂いの日々でしたが一応全話見終わって明日からは普通の生活に戻ります。大変でした…1話が1時間超え、1時間30分超えもある。それを16話。日本の43分尺で統一しているうえに12話程度で終わるドラマに慣れているとそのボリュームの多さに驚く。でもそのボリュームが納得、削らなくてもいい、とても贅沢な時間を享受できました。ありがとうございました。

愛の不時着 オリジナル・サウンドトラック

愛の不時着 オリジナル・サウンドトラック

  • アーティスト:オムニバス
  • 発売日: 2020/05/27
  • メディア: CD
 

 すごかったよ…てんこ盛りだったよ…メロドラマかと思えば1分後には新喜劇になり新喜劇かと思えば1分後にはヒリヒリのサスペンスが起こるという、感情のジェットコースターと言うか反応するのも忙しい。ボロッボロに泣いている途中でガハハハと笑ってしまうとか当たり前に起こる。終始呼吸がちょっと荒くなるので喉の乾きが早い。

私のお婿さんも涙もろく良く笑う人で、こういう作品は大好物なので見事にハマり(おっさんずラブよりハマったね)特に隊員たちが出たらすごく優しい表情になります。

 

前半と後半ですごく状況が変わるけど、話が進めば進むほど「こんなの乙女ゲーでもあんまり見たことねえよ!」ってくらい甘くなるので甘い物好きにおすすめです。私は泣きながらニヤついていたねえ…というかおそらく視聴者が泣くシーンでニヤついていたね。

韓流ドラマの文化も流儀も知らないから各キャラの呼び方も自分で勝手に作っていったけど、それは私がカタカナ表記された韓国の人の名前をろくに覚えられないからという自分の欠損に気づいたからでした。脳がどうかなってんのかな。漢字は漢字検定準一級合格してるほど得意なのにヒョンビンさんの名前をちゃんとスラッと出るようになるまで5日かかってる。

可愛い隊員たちの名前もほとんど出てこない。

 

私が勝手につけた呼び名とその人に関する独断と偏見だけの紹介。

セリちゃん:主人公、ヒロイン。すごい美人なのに序盤はあんまり美人に感じないのは性格のキツさ、強かさ、図太さ、面白さ、リアクションがでかくてかわいいからか。ソウルでのお仕事をしているときの衣装が平野ノラさんっぽい。部屋着は超可愛い。で、だんだん「この人すごい美人じゃん!」って気づくという。癖の強いキャラだけどしっかりしていて芯が強いところが本当に魅力。本当はすごい苦しみを抱えているのに全部押し殺して突っ走っていたのが無理なく演じられる、両方を持ち合わせられる魅力があるとか女優さんがすごい。

リ・ジョンヒョクさん、リ隊長:もうひとりの主人公、ヒーロー、というか容姿もキャラクターもスペックも素晴らしい。かっこいい。属性てんこ盛り。北朝鮮の権力者の一人息子で国際的な音楽のコンテストで受賞歴があるピアニストで、お母さんが女優だからという理由?でか容姿が子供の頃からずっと良くてずっとモテモテ。でも本人は婚約者にも関心がない。でも周囲の人に分け隔てなく優しく、困っている人には必ず手を貸す性分だから人望が厚い。私は防犯カメラに映ったジョンヒョクさんの映像すべてが好きです。軍人さんのときやオフのときは前髪をおろしてぱっつんでとてもストイックな感じで非常にかっこいいんだけど(軍服がどのバージョンでも似合う)、前髪を上げるとイケ散らかしすぎで見てると呼吸がおかしくなる。本性はどっちだっつーくらいちがう。魅力がヤバい。

で、生真面目で軍人らしくポーカーフェイスが得意なのに、ちょっとした機微がちゃんとにじみ出るから演じる俳優さんがすごいのだと思う。嫉妬してるとき、拗ねてるときが可愛い。あと3話で賞がもらえなかったりイケメンと部下が褒められたときのなんか納得いかない表情とかあんまり表情が変わってないようでありありとわかるのが本当に本当にすごい。見惚れる。お婿と同じ身長なのでいろいろイメージしやすい。顔ちっさい。体つきがすごくしっかりしているのがちょいちょい描写されているのに、チラ見せしかありません。ク・スンジュンは風呂上がりのサービスショットがあったのに…でもサービスショットはいっぱいいっぱいほんまいっぱいあったけどな。まあ見せないのがええとこの箱入り息子(というか母胎ソロという嘘みたいな設定)らしいかもだ。

 

曹長:部下4人で一番格が上だけど口数が多くていつも余計なことをポロッと言いがち。すぐセリちゃんと口喧嘩をして当たりも容赦ないんだけどいいコンビ。この人が出ると面白いことが始まる気がする重要人物やと思う。私の前にいた会社の同期の友達に似てる。

イケメン:部下4人で格が2番めらしい。一番顔立ちがよく、背もリ隊長の次に高い。仕事もできるらしくて難しめの仕事をよく回されている印象。物静かだけどここぞというときのフォローが出来て、末っ子のウンドンくんのお世話を静かにこなすので画面から目が離せない。クールだけど可愛い要員。結構自分の価値を自覚しているところがあってそこが現代っ子っぽい。

ジュモクさん:名前が覚えやすいけど忘れがち。韓流ドラマファンで韓国通のスペックからスラングの通訳、文化のちがいについての解説役として重要人物で、この人がいなかったら最初からクライマックスの甘々の展開はなかったので感謝したい。お顔も特徴があって可愛い。赤い帽子にうさぎのブローチをつけたのがよく似合っていたのに、そのちょっとあとでガチ目のバトルもやってしまうギャップがすごかったな…

ウンドンくん、末っ子:部下4人のなかで一番若く、中隊にもわりと入ったばかり。人懐っこく家族愛に飢えているので突然現れたセリちゃんに最初に優しくしたのがこの子。ずっと可愛い。というか愛くるしい。かと思えばとんでもねー才能を秘めていて物語でも最大級の笑いどころ「血のにじむ努力」vs「トマト栽培者」で才能と魅力が炸裂します。お帽子が可愛かったなー。誰もが自然と守りたくなる立ち位置にあり、誰にでもすぐスキンシップを取りたがるところが末っ子。本当に可愛い。目がキラキラしている。でもずっとオンドンくんだと勘違いしていた。本当…カタカナ弱すぎて自分に引く…

耳野郎さん:物語のキーパーソンで大きな罪を抱えた善良な人。要所要所ですごい活躍をするし、ヒロインの次にハラハラさせられる裏ヒロインみたいなところがある。奥さんも子どもも善良を絵に描いたような人たちで、私はロード・オブ・ザ・リングのサムを思い出しました…サム大好き…

 

北のお姉様方:リ隊長の家のある村の住人たち。下世話なオバチャンたちだけど温かみがあり、いざというときに頼りになる。酔っ払うとでかい声でNGワードを喋りまくる人民班長さんが好き。物語的に曹長と似た立ち位置かも。

 

ダンさん:ダンって表記されているけれど発音的にはダナのほうが近いのかなー。ジョンヒョクさんの10年来の婚約者で同じ中学に通いロシアに留学していたチェリスト。母親が平壌で一番大きなデパートの社長で家柄もいいらしく、クールに取り澄ましているけれど内心は熱い思いを抱えて行動に出られる人。怖い噛ませ犬のようで、可憐で気高い人なのであった…酒癖が悪いところが魅力。

 

えみちゃん:ダンさんのママ。上沼恵美子さんそっくりなのでえみちゃんって呼んでる。様々なメイクと衣装でその場その場の雰囲気を笑いに変えていく人。まさに体当たり演技。人柄が実はすごくよくて娘のための行動力や思慮も理想の暴走母って感じ。弟さんと登場すると必ずといっていいほど漫才になる…

 

弟さん:えみちゃんの弟さんで軍の権力者。全面的にジョンヒョクさんとダンさんの味方でお姉さんの財力のおかげで汚職知らずという信頼できる人。大体楽しいシーンに出てくる。

 

少佐、チョ;異常な執念で物語をシリアスに突き落としていく竹財輝之助岡村ちゃんかというか岡村ちゃんにそっくりな人。したたかでしぶとい、脅迫で人を縛り付けるところがジョンヒョクさんと対比的。全体的に対比的なキャラクターといえるか。生い立ちと育ちが気の毒かもしれないけれど、ジョンヒョクさんなら同じ生い立ちでもここまで腐らないだろうと自信をもてるほど、根っこが腐ってる。生まれや育ちで性根が決まるとは思ってない私の独断と偏見だけれども。

 

お母さん:セリちゃんの義母。セリちゃんを深く傷つけたことがあるけれど、繊細で誠実な人。作中にはたぶん出てなかったけど、セリちゃんが失踪中に会社の株を買い占めたのは一番に買い占めた次兄の嫁の妨害とのちのちセリちゃんに戻すためなんだろうなってすぐに分かった。

 

長兄夫婦:セリちゃんの長兄とその嫁。見てくれは悪くないけど優男であんまり頭が良くなくメンタルも弱い兄と、似たようなお嫁さん。思慮が浅くて嫁は手癖が悪いけれど根は善良で要所要所で私欲のためもあるけど味方になるし、どう見ても敵になれない感じ。長兄がうちの甥っ子にキャラがかぶっていて痛し痒しだったな…おバカなんだわうちの甥。

 

次兄夫婦:嫁がこわい。怜悧で冷酷。次兄は途中までは善良なところも見せていたけど(殺そうとは思ってなかった、帰ってきてほしくないだけ)嫁の冷酷なところが出し惜しみなくなってきたあたりから流されるようにどんどん悪くなっていくのが芯のない愚かな人らしい。小物感あふれる兄、あまり喋らず、ぜんぜん笑わずきつい一発をかましてくる嫁が最後まで怖かったなー夢に出そう。この作品はこの悪役3人以外はだいたいみんな大好きになれます。

 

アボジ:ジョンヒョクさんのパパ。老獪でしたたかで手段を選ばないところと体育会系国際交流に強いんだけど、息子思いは本物。最後の最後にブッパしたのは息子の幸せのためなんだろうけど息子若干引いてたぞ…

お母さん:オモニとは呼ばなかったな…元女優で美人さん。息子思いで肝が座っている人。この作品だけじゃないと思うんだけど、韓国や北朝鮮は家庭の中にあって女性も強いのかな、ちゃんとはっきり意見して押し通すのが両家の母+えみちゃんから感じました。あと北のお姉様方も大体強かった。

 

チーム長と保険屋さん:セリちゃんの部下と友達の保険屋さん。重要なキーパーソンでチーム長はハチミツ二郎に似てる。保険屋さんは私の友達にそっくりで出てくる度に「Tくん!」とお婿と盛り上がってました。保険屋さんが神に祈ってるシーン、面白かったなー

 

ほかにいたっけ…ってところでかなり重要な人たちに触れるの忘れてた!

クさん、ク・スンジュン:次兄から多額のお金を騙し盗って逃走中のイギリス国籍を持った詐欺師。気取り屋さんでナルシストな雰囲気もあり、韓国ドラマの人気俳優のイメージそのもの(私の偏見)の白いお肌に長めの茶髪の男性。大体礼儀知らずで金と権力と暴力に弱いから嫌な役なのかなと思わせておいて、賢くて基本的には善良で可愛いところが多分にある、ここまでわからせるのも珍しいレベルの「憎めない人」。この人も裏の主役みたいなものか。

クさんと付かず離れずでときに狙い、わりと守る社長もいい味だしていたなー

 

節子:市場の路上生活者兄妹の妹。兄妹で後々重要なシーンに出るけどこの子もまたチョ大佐になるところだったかもしれないけれど序盤で受けた優しさを終盤でつなげて救われたかもしれない存在になった。というか私が妹の方を節子と呼びたいだけ。

 

構成がすごく凝っていてこのエピソードの裏ではこういう事がありましたっていうことの見せ方がうまい。日本のドラマでいうところのCパートが見逃せないないようなのに、ネトフリのシステム上、見ている途中で一時停止とかメニュー画面に戻ると戻るのが難しくなるのが困る。アマゾンFirestickで見ているんですけどね。

Fire TV Stick - Alexa対応音声認識リモコン付属

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  • 発売日: 2019/01/23
  • メディア: エレクトロニクス
 

 日本のドラマの概念とかいままで読んできた本、ゲームとかを照らし合わせて見ても二人の出会い、惹かれ合うきっかけとかは匂わせるだけ匂わせておいて知っているのは見ている人だけ、ってのが王道だと思っていたんだけどこちらは両者がちゃんと認識、実感するというのが新鮮だし見ていて気持ちがいい。なんにしても解釈憶測考察してまで物証をとりたい日本人の性分からしたら徹底的に二人の出会いは本当はあそこで、ピアノとか写真とかボイスレコーダーとかの小道具が全部活かされ、二人もそれを認識するシーンがちゃんとあるのは安心感があるよね。疑いようがない。ああ、運命だったんですね。そらーどんなところにいても見つけますよね、って。

 

ところどころ不自然なシーンもあるんだけど(パラグライダーで二人で落ちても髪がなびかない、心肺蘇生で電流を当てるときに服を脱がさない、飲まず食わずはわかるけどトイレもいかねえのかと現実的なところが気になるから私は無粋なのよ)まあ全体的にファンタジーだからいいか…って気持ちです。

 

北朝鮮とか情勢の難しいところはここでは語りません。でもファンタジー度外視で本来会えるはずの同じ民族がどんな連絡手段もだいだい許されないのが悲しい。日本に来たら大丈夫っぽいし(良う知らんけど作中でも「東京だったらよくあること」って言われてたような)スイスは大丈夫なんだろうけどな。ネットが国境で分断されているのがなんとかならんかなーと常々思うところがある。

 

どこが良かったとかは枚挙にいとまがないので2周めに数話まとめて感想を書いていくけど、毎回毎回見ている私達をときめかせる展開がすごい。

リ・ジョンヒョクさんは基本ツンデレなんですが、デレても天然なところが多分にあり、本人は変わったつもりはないのだけどものすごく変わるし、モノローグも台詞でも言葉の出し惜しみがほとんどなく、好きな人を否定せずまる抱えする包容力は私のみならず日々いろいろ厄介なものと対峙して疲れている人にとっては求めてしまう人物像でしょう。本当に言葉の一つ一つが私にとって大事な思い出になりつつあります。

 

実写ドラマでここまで理想的で完璧な美男像を描写できるのがすごい。容姿と演技とアクションに説得力がある俳優さんを起用できるのがすごい。キャラクター設定が見事でブレない、要所要所で必ず活かせるのもすごい。視聴者の夢を詰め込んでも大丈夫なのすごい。

非常に満足度が高く、見ている間は先が気になり、そういう状態でいることに充実感をおぼえ、幸せでした…

 

ラストは、できる限りで最良のハッピーエンドだと思うけれど、やっぱり切ない。12話のお酒を飲んでないと話せない話の内容を思い出してやっぱり泣けるのでした。

 

しばらくリピしますからね。よろしくおねがいします(なにが