アマゾンプライムで見られるのですが、これがものすごく評価が高い。
私的に「あまちゃん」でおなじみの橋本愛さんが主役。東北の農村で一人暮らす女性、5年前までは母親(まさかの桐島かれん。美しい)と暮らしていたが、突然失踪した。
それまで主人公いちこちゃんがどうやって暮らしていたか(一度農村を離れて都会で暮らしていたこともある)、農村で一人で生きていくためには何をしていかないといけないか、沢と田畑で何を育ててどう季節を過ごすかがしっかりと描かれています。
これが黒木華ちゃんや蒼井優さんなど柔らかな雰囲気のある女優さんが演じていたら森ガール的なファッション農業的なのんびりゆるやかな、変に憧れちゃうような雰囲気映画になっていただろうけれど顔立ちがしっかりした橋本愛さんが演じるから生きてご飯を作っていただくということが力強く靭やかに時折くたくたになる姿がきちんと描かれるのです。憧れを抱くかどうかは見た人次第にまで雰囲気を落としている感じ。美化してないけれど居心地は悪くない。
作る料理もぬか床から作るとか味噌からつくるとかまったくもってふわっとしていない。ハードルが高い。料理がメインのところもあるので(章立ても料理ごと)食べるのが好きな人はそれだけで見る価値がある。
この作品を見ていて、三浦貴大さん演じる村に帰省して村で生きることにした後輩とかの言ってることはしゃらくさいなと思うんだけど(もういい歳なので、若者のええかっこしいトークをだいたいしゃらくさいと思うようになってきてる)松岡茉優さんはなにをやっても素敵だと思いました。おおきく振りかぶってを読んでいた。
音楽も良くてBGVにも向いているのでエンドレス視聴もいけるかも。
料理で印象に残ったのは「おやき」だったのだけど、おやきを作っているのを見て、私は不意に「梅ヶ枝餅って作れないかな」と気づいてしまって。
私は博多生まれで両親も一時期博多にいたので、太宰府名物の梅ヶ枝餅にも馴染みがあり、私はそんなに長い間いなかったのだけど、餅系スイーツではダントツで焼きまんじゅうが好きでその理由が梅ヶ枝餅にあったのに気づいてもはやソウルフードやんと思ってはいても普段食べられるとしたら地元百貨店の九州物産展でかさのやさんが出店したときとか、ときどき地元のお祭のテキ屋がやってるのに出会えたときくらいなのよね。
だから普段全然食べられないだけに渇望していたんだけど、なんで作られるって思いつかなかったんだろうね、この作品でおやきをつくっているのを見ていたら、工程がわりと似ていることに気づいちゃって。
で、検索したらそらーふつーにいっぱい作り方が載っているんですよ。しかも簡単そうなの。そりゃあ、この映画のように小豆を作るところから始めるわけには行かないから、井村屋のこしあんと白玉粉で作りましたのよ。
作った pic.twitter.com/OfnpWOYQzF
— 坂田 (@goldilockszone7) 2020年2月29日
実際はホットサンドメーカーみたいなので作るので、生地はもっと水っぽくてシャバシャバなんだけど耳たぶくらいの柔らかさの白玉粉で包んでフライパンで焼いても全然問題ない。パッと見は形があやふやだけどできたての梅ヶ枝餅そのまんまのものを食べられました。
超うまかった。ありがとう、レシピを公開した人、ありがとう、甘さ控えめのあんこを作ってくれた井村屋さん。
これで物産展に行かなくて済む…かさのやさん好きだけど、出不精だからさ。
この映画は相当気に入ったのでまた見ます。農村に住んでいる人以外で「どこか遠くへ行きたい」と思っている人にぴったりの作品です。