夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

今週の #まんぷく (第4週目)

OPに「内田有紀」と出たら咲姉ちゃんが夢枕に立つ(というか座る)!という心の準備が出来るようになりました。 

NHK連続テレビ小説 まんぷく 上

NHK連続テレビ小説 まんぷく 上

 

 うちもひいおばあちゃんが夢に出る時はたいてい座っていますね。おじいちゃんは立っているけれど。ひいおばあちゃんが寝ている自分の枕元に座っているので、ほんとうにそこにいる感じがします。実際、花火大会のときに親戚が集まって見ている中にひいおばあさんが混ざっているのを見たことがあります。すずさんの可愛いところだけをまとめているような可愛い人なので全然怖くない。

 

戦争がどんどん悪い状況になり、大阪市内に住んでいると空襲の危険にさらされるということで疎開するか否かで鈴さんとふくちゃんとで揉め、ふくちゃんが時勢に不安をいだいたから夢枕に立った咲姉ちゃんが疎開を勧め、咲姉ちゃんがそんなこと言うわけないというか夢枕で咲は座っていると鈴さんに否定されるも、実際空襲の危険にさらされると鈴さんもその気になってくれるという流れ。

夢枕に立った人が自分の不安や願望を口に出してくれる都合のいい展開ですが、いちいち演じ分ける咲姉ちゃん演じる内田有紀さんがすごい。頼りがいのある咲姉ちゃんから、萬平さんの戦死からふくちゃんの幸せヴィジョンを語るダーク咲姉ちゃんまで。

 

毎回話が濃いから結婚後に牧、善之介が野呂さんが出兵している間に保科さんを射止めた衝撃から疎開先の上郡の人たちの温かさ(と面白さ。ピンクの電話のみやちゃんと若井みどりさんという、一昔前の漫才が大好きだったら嬉しい面々の出演とか、いま、明らかにされる萬平さんのとんでもねー生活力、どこへ行っても武士の娘の鈴さん、そして家族に翻弄されるいちばんまともなふくちゃん!と、環境が変わってまた人物像が深くなりました。

 

萬平さんにいろんな不満があって一緒に疎開するにも蟠りを残しつつ(疎開先が萬平さんのご縁を頼ってという面でも複雑なものがあったのかしらん)荷物を全部ふくちゃんに持たせ、武士の娘を主張するというどこでもマイペースでアイデンティティを守るしぶとい人として疎開ライフも謳歌している鈴さんに注目。最初はなんやこのオカンと思っていたけれど、憎らしさより可愛らしさのほうが勝ちだしてからはもう憎らしさの部分も可愛いというか、お約束の部分ですら「出ました!」って気持ちになるものな。

これが回数が長い連ドラの醍醐味じゃないかしら、とワクワクして鈴さんを見守りつつあります。

 

そしていままで恋する乙女っぷりがクローズアップされてきたヒロイン萬平さんが妻帯者に落ち着いて別方向に走り出す週でもありました。

・夜の萬平さんの「おいで」の溢れ出すなにか

・一度死にかけたから感電、高いところに登っちゃうとか怖くない問題

・世の中の平穏な場所から消えていた「比較的若いおっちゃん」が現れたので慕われるおっちゃん

・効率がいいからって川に電気流して川魚をとる効率重視だけどモラルはないマッドサイエンティスト(謝らない)

・死ぬほどお腹が痛いのに姑に仮病を疑われて思わず三途の川の向こう側に立たせて生き返る気力に替える(諸説あります)

憲兵に痛めつけられたのが原因だからといっても2回も兵役から逃れてしまったことにやはり呵責とかその時の国民的感情があったり、機銃掃射なんかないくらい日本を守りたかったって気持ちはあったらしく突然泣きわめく

 

など。

 

鈴さんも萬平さんと同居することによって心境的変化があったり

・(足軽の家系という真実の出自を隠し)武士の娘でマウントとる

・萬平さんが出征できない子供ができないことをネタにいびる(ヒロイン萬平さん姑鈴さんという構図、新しいかもしれない)

・川魚を獲ってくれた萬平さんに素直に感謝できないけど手のひらを返す

・でも家長は自分

・萬平さんに赤紙が再び来たことで悲しむふくちゃんのことはやはり心配になるが、ポジティブに夢枕に咲姉ちゃんを出して本性むき出しのえげつないことを言わせるも、良心の呵責を多少感じる

・でも腹痛で苦しむ萬平さんの仮病を疑う(自分がよく使うから)

・良心の呵責と悲しむふくちゃんを見たくないという心境からかガチでお百度を踏む

・お百度を踏むことを感謝されると「武士の娘」とはいわず「古い人間ですから」と謙遜する照れを含む可愛い反応

・己の境遇に憤る萬平さんをようやく直接気遣う

と、萬平さんに馴染んできた様子。煮込みうどんに笑う、川魚を美味しそうに食らいつくなど大変魅力的で、私は先週からかなり鈴さんが好きですね。

 

で、ここへ来て脚本の方のインタビューを読んだらまんぷくはふくちゃん、萬平さん、鈴さんのスリートップの主役だという感じらしいと解釈できて、なるほど鈴さんがかわいいし人として成長している感じとか、人間関係の変遷も丁寧に描かれている理由がわかりました。

 

鈴さんに翻弄されつつも仲良く暮らしてきたふくちゃんが萬平さんの頑固さや生真面目すぎてちょっととんでもない方向へ突っ走るところも含めてちゃんと愛していて守ろうとしている男前な包容力も伺えて、呑気で楽しくて周りが優しいけれど一波乱もあった疎開ライフで比較的落ち着いた一週間でしたね。

 

で、来週はようやく終戦であっちゅーまにラブりん再登場らしい。月曜日にも逃亡ラブリンが出ていたし、1週間フルで空けることもなかったね。

でもなんか萬平さん、また呑気な再会を果たしそうなので(ふくちゃんの反応を見たら察した)今後が心配、そしてやっと瀬戸くんが登場するので楽しみです!