前からアフロヘアの女の子の表紙が気になっていて。私も昔アフロヘアだったからなのと、アフロヘアでお胸の形がいい女の子って好きで。
社会とかコミュニティの息苦しさにドロップ・アウトして全部捨てちゃったアラサーの女の子が過去に振り回されたり、突然自由になって若干戸惑ったりしながらもなんか日々をじっくり過ごしている感じのお話なんだけど、2年前の私を見ているようで身につまされる…
草の根的な自分探しが痛いような心地よいようなお話です。息苦しい世界に生きている人にはアリな世界で面白いだろうし、そんな自分を認めたくない人には嫌な話かもしれないね。私は好きです。
ここからは読まなくてよろし
ブラック企業でけっこうなキャリアを築いて出世していたけど2年前にやむを得ない事情で職を失い、3年付き合った13歳年下の男を面倒くさくなって捨てて、何十日も貯まった有給休暇を使い倒して切れたらハロワにも行かずに決まった次の就職先でパワハラに遭ってくっそつまんなくて半年で辞めて次の日に就職したところが体育会系の超絶ブラック企業で耐えられなくて1ヶ月で逃げてそのあと1ヶ月なんの収入もないクソニートだったあのころ(あんまりかぶってない)…
一ヶ月でいまの仕事に採用されていろいろ資格取りながらあんまり残業しないでももともとの長年勤めて昇給していったよりもお給料くれるところで1年以上働けているし平成のはじめ頃からずっと仲良くてくっついたり離れたりしていたろくちゃんが業を煮やして婿養子に行ったるから結婚しようと言い出して結婚したとかすげージェットコースターな日々だったけれど、根っこはこのお話の感じあるよなーって…(あんまりかぶってない)
しかしこの作品に出てくる主人公に執着する元彼がなんとなく(仕事の出来とかキャラとかはさておき)私の13歳年下の元彼に似ていて。私を見下すようなことはなかったけど、好かれる理由とかが似ていたり、モラハラというかそいつの価値観を押し付けられて私の話をろくに聞いてくれなかったところとか似ていて、あのときの苦しさが蘇ってまさにいいところが思い出せない始末よ。
たとえいいところがあったりあの子にはあの子の考えがあったとしてもどうでもええわーいって逃げ出すわよ。
そうしたらろくちゃんが待ってましたと保護するわよ。いつもこのパターンよ。
私が他の男に面白そうだとホイホイついていったら影でこっそり泣くくせにでも私と一緒にいると楽しいからって私がオフの時はなるべく一緒に遊ぼうとするとかさー
愛おしいったらないわ。結局ろくちゃんといるほうが面白くて付き合っている人と別れるものなー
ああ、年貢の納め時だと思って結婚してよかった。
ってホッと安堵したときに、私の愛用するリュックに謎の青虫が這っているのを発見して、ろくちゃんに小声でSOSを出したら大笑いしながらティッシュでつまんで、殺さずに外に逃がしてあげていました。
ろくちゃんは私にはもったいない相当な美男で虫も殺したがらない優しい人だけどいつでも笑って手を差し伸べてくれると思ったら大間違いだって私は思っていたところがあって、なるべく頼らないようにしているつもりなんだけど全然裏切らないしキレないし拗ねないし、挙げ句結婚しようと言い出して、したらしたで付き合いの長い親友から私にじゃなくてろくちゃんに「長かったね」「良かったね」「結婚したら前よりさらに綺麗になったね」と声をかけていて(私とは世間話と今後の仕事と趣味のヴィジョンを語り合っていた…)ろくちゃんがどれだけ親友から応援されていたかを知ってしまった。私のどこにそんな要素があるのかよくわからんが、親友もろくちゃんも人としてスペシャルすぎてなんで私の親友と婿なんだろうかと足元がふわふわするわ。
この漫画を読んで私も似たような時期があったけれど、ろくちゃんがずっと一緒にいてくれて良かったなあ。元彼と綺麗さっぱり別れてよかった。あのときの開放感忘れない。ろくちゃんといるときは全然息苦しくないもの。お婿に来てもらったけどあんまり前の生活と変わらなくて、ストレスもない。いろいろ大変なことはあるけれど(仕事とか被災とか)ろくちゃんがなににつけても呑気で楽しそうにしていたらまあいいかって思えるような。日々の忙しさに私がくたくたになっているのを見かねて一人こっそりW杯をテレビで見て熱くなっていたのをあとで教えてくれてそれはちょっと寂しかったけれど、おかげでよく寝られたし、話を聞くのは面白かったな。
これからもささやかで楽しい日々を過ごしていくのだろうけど、私は何かにつけて恵まれていることに感謝しないとな、と改めて思って、ろくちゃんが愛おしくなって泣けてきました。
いや、そういう漫画ではない気がするんだが…でもいま読めてよかった。